相続でトラブルに合わないためにやっておくこと

相続でトラブルにならないためにまず、知っておいて頂きたいのは、相続対策の順番です。

みなさん、相続税をどうやって安くするかを一番に考えがちですが、ここから着手してしまうと
後々、家族間のトラブルになりかねません。勝手になにやってるんだ!?ってことに成り得るわけです。
少し前の日本では長子相続が当たり前でしたが、学校教育が普及して、兄弟も平等と教えられます。
ですから、まず、円満に相続を迎えるために
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となってきます。
そう言われても、なんのきっかけもなく、そんな話できないよ!?と言われる方も多いと思います。
例えば、この前相続の本を読んだんだけど・・・とか、この前テレビで相続のトラブルやってたんだけど・・・とか、相続川柳っていうのがあって、これ面白いよ・・・とか、
どんな切り口でも良いので、とにかく

話し合う雰囲気を醸成していってみて下さい。

それでも、親から俺の目の黒いうちは、俺の死んだ後の話等させんという方もいらっしゃいます。
話をするタイミングも重要かもしれません。先日、こんなクライアントさんがいらっしゃいました。
相続対策をしたいということで、私のところにやってきましたが、親父が、俺が生きている間に
そんな話をするな!と、一蹴されてしまったのです。それでも、何度か、頃合いを見て、多額の税金が掛かること等を分かりやすく説明していきました。
そして、父親が、転んで骨折した時に、相続の相談をしたところ、
お前の好きなようにやったらよいと態度が軟化して、相続対策をすることができるようになりました。
このように

話すタイミングを計る

挫けず、何度か話し合いを試みる

ことが大切なようです。

日本は、今、少子高齢化に向かって、まっしぐらに突き進んでいます。老々相続というのも当たり前に
なってきてます。その時に重要になってくるのが、意識のあるうちに準備しておくことです。
親が介護状態になったり、アルツハイマー状態になってしまってからでは、有効な対策はかなり、やりづらくなります。そうなる前に、任意後見契約や家族信託をしておいて、遺言書もしっかり残しておくことが、

将来の相続の時にトラブルを未然に防ぐ手立て

ですので、是非、覚えておいて下さい。
繰り返しますが、まずは、円満な相続をするために遺産分割をどうするかを家族間で話し合っておく。
それから、任意後見契約や家族信託をしておいて、遺言書もしっかり残しておくことです。
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①家族信託

「家族信託」とは、一言でいうと『財産管理の一つの方法』です。
資産を持つ人が、特定の目的(例えば「自分の老後の生活・介護等に必要な資金の管理及び給付」等)に従って、その保有する不動産・預貯金等の資産を信頼できる家族に託し、その管理・処分を任せる仕組みです。いうなれば、

家族の家族による家族のための信託(財産管理)

と言えます。
家族・親族に管理を託すので、高額な報酬は発生しません。したがって、資産家のためのものでなく、誰にでも気軽に利用できる仕組みです。
家族信託は相続事前対策には有効な手段の一つです。
ただ、仕組自体にお金の管理を誰がやるのか決められていないので
安易なやり方は危険です。必ず、詳しい方に相談してから導入して下さい。

②任意後見制度

任意後見制度は本人が契約の締結に必要な判断能力を有している間に、

将来自己の判断能力が不十分になったときの後見事務の内容と後見する人(任意後見人といいます)

を、自ら事前の契約によって決めておく制度です(公正証書を作成します)。相続事前対策としても有効な手段です。