5.サブリース(家賃保証・一括借り上げ)の罠

家賃保証・一括借り上げ(サブリース契約)って聞いたことありますよね?
実は、大家さんにとって、とても不利で危険な契約だって知ってましたか?

「家賃保証」って言葉の響きで、空室リスクや家賃滞納リスクが防げるからと
飛びついている大家さんは多いと思います。
そもそも、管理会社がサブリース契約をするのは、なぜだと思いますか?
管理会社側が有利な条件になっているからなんですよ!
サブリース契約書を良く読んでいただきますとだいたい下記のような内容に
なっていることが多いです。
・入居者が決まった場合、最初の3か月間の賃料はサブリース会社に支払われる
・内装の決定権は、サブリース会社側にある。
・賃料の決定権は、最終的にはサブリース会社側にある。
・敷金、礼金、保証金等はサブリース会社側に支払われる。
・不動産売却時には、サブリース会社の承諾を得ないとできない。
・管理料は賃料の20%程度。
みなさん、どれだけ大家さん側が損しているかわかりますか?
普通、管理料は賃料の5%が相場と言われています。
しっかりした管理会社なら、この5%の範囲で賃借人の募集をしっかりやってくれます。
また、家賃を多少値下げしてでも、すぐに空室を埋めてくれます。
これを私が実際コンサルティングいたクライアントの数字で見るともっとわかりやすいと
思いますので、下記に記述します。

1.本来の収入
年収=@65,000×12部屋×12月=9,360,000円
更新3件=(敷金1+礼金1)×3件=390,000円
合計=9,750,000円
管理費5%= 9,360,000円×5%=468,000円
差し引き= 9,750,000円- 468,000円=9,282,000円

2.家賃保証80%
9,360,000円×80%=7,488,000円

3.差額
9,282,000円-7,488,000円=1,794,000円
こんなにも差が出てしまいます。更に、入居すぐの3か月分の賃料が入らない場合は、
もっと差額が出ます。

実は、もっともっと、危険なことが潜んでいます。サブリース契約で一番危険なのは、大家さんに正当事由がないと解約できないという事実です。
えっそんなことないでしょ!?賃貸借契約書には3か月前に書面で通知すれば、
お互いに契約を解除できるって書いてあるから、大丈夫でしょ!?と思ってますよね!!
ところが、現行の借地借家法では、借家人を守るために大家さんに正当事由がないと
賃貸借契約を解約できないんです。
更に、判例では、サブリース会社は借家人と同等と見なされて、解約できないとなっているんです。
現状、こういうトラブルが続出しています。
不動産取引は、多額なものが多いだけに、知らないでいると取り返しがつかなくなってしまうことが多々ございます。
是非、信頼できる不動産会社にご相談下さい。