7.個々の専門家に相談すると・・・

これは、うちのケースでも当てはまります。
両親が、人が良いのを良いことに、いろんな人の言うがままに、
相続対策だということで、借金を重ねていきました。
マンション30億円、変額保険5億円、ゴルフ会員権5億円・・・。
バブルがはじけて、資産価値が5億円に・・・。

また、私の知り合いも同じケースがございました。
その方は、悪い言い方をすると「ええ恰好しー」で
不動産屋、保険屋、税理士の踏み込んだ提案に全てを取り入れました。

結果、数年後、キャッシュフローにつまり、資産を売却さざるを得なくなり、
大損しました。

やはり、トータルで俯瞰した目で、相続対策をしないと失敗するんです。


6.債務控除の罠

私も銀行に言われたことがあるのですが、「借金をすると債務控除により、
建物の相続税評価額が下がるので、相続対策になる。」
これって本当なのでしょうか?
ある意味、正解ではありますが、元金返済が進むと逆転現象が発生します。
つまり、相続税評価が上がってしまうのです。

たとえば、1億円の建物を借金で建築した場合、この建物の相続税評価額はだいたい6000万となります。つまり、差額の4000万円が債務控除として相続効果をもたらします。
しかし、元金返済が進んでいくと、債務控除はゼロ、以降マイナス効果になります。
つまり、それ以降は相続税が増えてしまうんです。さらに、建物の老朽化が進み、メンテナンス費用がかさみ支出も増え、空室も増える可能性が・・・。
被相続人が長生きすればするほど、相続効果が薄れてしまうんです。
どうですか?
借金をすれば、相続対策になるっていうのは、半分あっていて、半分あってないんです。
ですから、そのリスクをきちんと理解しておかないと、後で大変なことになります。


5.サブリース(家賃保証・一括借り上げ)の罠

家賃保証・一括借り上げ(サブリース契約)って聞いたことありますよね?
実は、大家さんにとって、とても不利で危険な契約だって知ってましたか?

「家賃保証」って言葉の響きで、空室リスクや家賃滞納リスクが防げるからと
飛びついている大家さんは多いと思います。
そもそも、管理会社がサブリース契約をするのは、なぜだと思いますか?
管理会社側が有利な条件になっているからなんですよ!
サブリース契約書を良く読んでいただきますとだいたい下記のような内容に
なっていることが多いです。
・入居者が決まった場合、最初の3か月間の賃料はサブリース会社に支払われる
・内装の決定権は、サブリース会社側にある。
・賃料の決定権は、最終的にはサブリース会社側にある。
・敷金、礼金、保証金等はサブリース会社側に支払われる。
・不動産売却時には、サブリース会社の承諾を得ないとできない。
・管理料は賃料の20%程度。
みなさん、どれだけ大家さん側が損しているかわかりますか?
普通、管理料は賃料の5%が相場と言われています。
しっかりした管理会社なら、この5%の範囲で賃借人の募集をしっかりやってくれます。
また、家賃を多少値下げしてでも、すぐに空室を埋めてくれます。
これを私が実際コンサルティングいたクライアントの数字で見るともっとわかりやすいと
思いますので、下記に記述します。

1.本来の収入
年収=@65,000×12部屋×12月=9,360,000円
更新3件=(敷金1+礼金1)×3件=390,000円
合計=9,750,000円
管理費5%= 9,360,000円×5%=468,000円
差し引き= 9,750,000円- 468,000円=9,282,000円

2.家賃保証80%
9,360,000円×80%=7,488,000円

3.差額
9,282,000円-7,488,000円=1,794,000円
こんなにも差が出てしまいます。更に、入居すぐの3か月分の賃料が入らない場合は、
もっと差額が出ます。

実は、もっともっと、危険なことが潜んでいます。サブリース契約で一番危険なのは、大家さんに正当事由がないと解約できないという事実です。
えっそんなことないでしょ!?賃貸借契約書には3か月前に書面で通知すれば、
お互いに契約を解除できるって書いてあるから、大丈夫でしょ!?と思ってますよね!!
ところが、現行の借地借家法では、借家人を守るために大家さんに正当事由がないと
賃貸借契約を解約できないんです。
更に、判例では、サブリース会社は借家人と同等と見なされて、解約できないとなっているんです。
現状、こういうトラブルが続出しています。
不動産取引は、多額なものが多いだけに、知らないでいると取り返しがつかなくなってしまうことが多々ございます。
是非、信頼できる不動産会社にご相談下さい。


4.ハウスメーカーの罠

今一番相続対策の営業に力を入れているのは、ハウスメーカーだと思います。
更地を所有している地主さん宛に片っ端から営業を掛けている。
その時の殺し文句は
「更地よりもアパートを建てた方が、節税になります。まず、固定資産税が1/6になります。所得税も減価償却費や金利で節税でき、相続税評価も下がります。また、収益の面から考えても、なにも利益を上げない土地を遊ばせておくのはもったいないですよ。1億円の建物を建てれば、年収1千万円増えます。この低金利時代に利回り10%ですよ。しかも、家賃保証にすれば、100%保障されます。」
こんな話をされたら、コロっとアパートを建ててしまう地主さんもいると思う。
ところが、この話にはいろんなリスクが潜んでいる。

①売却時に困る。
上記の利回り計算は、土地の事を含んでいない。売却時には当然に土地・建物の利回り計算となる。仮に新築時に6%で売却したとすると、約1億6千万円となってしまう。本来、土地1億と建物1億、合計2億のものが、約1億6千万円となってしまうのだ。更に、ハウスメーカーの中には、ペラッペラの建物を建築する会社もある。そうなると、更地に直さないと売却できないケースも存在する。
②経費のリスク
仮に、建物1億円を建てるのにすべて借り入れでまかなった場合、金利約5000万円。
30年間の修繕費は約9000万。家賃下落リスクは約3800万。その他、空室リスクや家賃滞納リスクなども存在する。これらを合計すると、約1億8千万円+αの経費リスクが存在するんです。
しかも、ハウスメーカーから提示される事業計画書にはこれらのことには触れられていないことの方が多い。修繕費の計上は、1/3程度、家賃は30年一定で満室稼働・・・。

更地にアパートを建てることに反対しているわけではないが、これらのリスクをしっかり把握した上で事業計画を立てないと足元をすくわれることになります。


3.弁護士を信じすぎるリスク

遺言というとまず、弁護士さんが浮かぶと思います。
私の知人も遺言書を書くにあたって、金融機関経由で弁護士さんを紹介して
頂いて、多額の金額を掛けて、遺言書を作成しました。

ところが・・・。いざ、遺産分割協議書作成の段階になって、困った事が発生しました。
この遺言書通りに相続税申告をすると、多額の相続税を支払わなければならない。

そんな状況でこの相続人たちはどうしたと思いますか?
この遺言書はないものとして、自分達の都合で遺産分割協議書を作成し、それに乗っ取って
税務申告をしました。その方が、相続税額が安くて済むし、結果、相続人の手取り額が増えるから
なんですね。
こういう事例って、少ないのかと思いきや、約3割ぐらいが、遺言をなきものにしているらしいです。
せっかく、多額の費用を使って、作成した遺言も、無用の長物になってしまうんですね。
何度も言いますが、だから、相続はトータルコーディネートで対策する必要があるんです。


2.税理士を盲信するリスク

みなさん、1年間の相続税務申告に対して税理士の割合ってどれくらいか
ご存じですか?
正解は1%未満のとのこと!
それだけ、少ないんですね!
相続税の申告を失敗する例として多いのは、普段、確定申告している税理士に相続税申告も
お願いしたところ、ミスってしまったという例。
時々、思うのは、なぜ、医者は内科とか外科、耳鼻科、眼医者、歯医者などに分かれているのに
税理士は専門毎に分かれていないのだろう?
法人専門にやっている税理士に相続税申告をお願いするのは、まるで、
歯が痛いのに内科に行くようなものではないのだろうか?

先日、相続税申告で有名な税理士のセミナーを受けに行ったところ、「相続税対策を
することは、その人の人生に対しての侮辱になるから、一切やる必要はない。」と断言されました。
みなさん、これを聞いてどう思いますか?
百歩譲って、その人が一代で築いた財産なら、良しとしましょう。けど、先祖代々から引き継いだ財産を前になんの準備もしなくて、良いのですか?
私みたいに、相続対策の失敗から30億円の借金を背負った身からすると、怒りすら覚えてしまいました。逆説的に読み解くと、この税理士の方は、申告するだけで、相続対策できないと言っているようにも聞こえてしまう。

税理士さんと言っても、ピンキリだと思います。信頼できる税理士さんに相続申告しないと大変なことになります。当然、私の相続対策も優秀な税理士さんとタイアップして、税額計算などは全てお任せしています。自分は広く、トータルコーディネートすることに専念して、それぞれの深い分野では、弁護士さん、税理士さん、保険屋さん、不動産鑑定士、土地家屋調査士、司法書士などのプロに任せているんです!


1.法定相続分というリスク

「相続って、お金持ちだけの問題よね。」と思っている方、いますよね!
実はそうでもないんですよ!というか、むしろ、関係大ありです!
法定相続分ってご存知ですか?
民法で、相続が発生した場合の分け方が決まっているんですね。
簡単に説明すると、旦那さんが亡くなった場合、奥さんが1/2、お子さん達全員で1/2
と決まっています。
たとえ、相続財産が100万円でも民法では、その分け方が決まっているんです。
私のクライアントでも、この「法定相続分」によって、自分の財産を手放さざるを得なく
なった方がいます。
練馬のマンションを旦那さんの遺言により、奥様が相続しました。血のつながらないお子さん
2人がいたのですが、※(1)遺留分減殺請求をされたんですね。
マンションの評価額は2400万円で相続税は掛かってこないのですが、
遺言により、財産の半分は確保されるため、1200万円のうち、1/2つまり600万円をお子さん達に
支払わなければならない状況でした。
しかも期限が後、1か月と迫っている時に、ご相談を受けました。
手持ちの現金があるかどうかをこの奥様に確認しましたが、ないとのこと。
泣く泣く、今住んでいる不動産を売却せざるを得ないのですが、1か月という期日では、
プロの買い取り屋さんに任せるしかありません。
私の見立てでは、普通にエンドユーザー向けに2500万円ぐらいで売れるであろうと思いましたが、プロの買取屋さんでは、当然、安くなります。2000万円で取引されましたが、
これでもかなり高く買ってくれたと思います。
このようにいつ何時、相続によって財産を手放さなければいけないという
リスクは誰にでもあるのです。

※(1)本来、被相続人(財産を残し亡くなった人)が、生前所有していた財産については、遺言によって自由に処分することができますが、もし仮に、被相続人が遺言によって『全ての財産を愛人に譲
る』と書き残した場合はどうでしょう。

残された家族が経済的に自立している場合には、それほど問題ないケースもありますが、被相続人
の財産に依存していた子供や配偶者にとっては、生活に困り路頭に迷ってしまうことが予想されま
す。

そこで、後に残された者の生活保障や、被相続人の財産維持・増加に貢献した者への潜在的持分を
顕在化させる等の必要上、相続人には必ず受取ることのできる最低限度の相続財産を得る権利が法
律によって与えられています。

この権利が〝遺留分減殺請求〟です。