人脈と状況はフル活用!売主の優位性の確保に努める

今回は遠方、博多での売却の話です。
不動産業は、取引状況の整え方が見えれば、物件が遠方であってもやれないことはない世界。
だからこそ、気を緩めることなんて出来ませんね。

気を緩めなければ、お客様が優位な取り引きとなる糸口にも気付ける事例を今回はお話しします。

 

取り引きをお客様のために

プレゼント

今回、事例に挙げたいと思った理由は、この2点を伝えたいからです。
頼む側としても、頼まれる側としても大事にしてほしいことです。

・誰と仕事を組むのか?
・状況は読むだけではなく活かすところまで

結果でお客様に返すために不可欠なことです。

逆に、隙を見せてしまえばどうなるか?
そんな事例です。

 

遠方物件でも大事なことは事前戦略

電話 着信

私と同い年で、25歳の頃からの付き合い。私の生命保険担当者でもある方からのご相談。
私の生活リズムなどは変わっていないので相談ごともなかったこともあり、彼から連絡を受けたのは10年振り。

聞けば、奥様の実家のご相談。
博多でご両親は80歳を超え。本人たちは関東に住んでいる状態。

お母さんが痴呆の症状が出てきて、お父さんは身体の調子が悪くなっている、と。
毎週土日には、博多まで行っては親御さんの介護をして、また関東に戻ってくる繰り返し。
さすがに、その生活にも疲れが出てしまいお母さんは介護施設に入ってもらい、お父さんは自分たちの家に呼び寄せて同居をしたいと考えているとのことでした。

私を思い出してくださり、ホームページで私が事業を続けていることをわざわざ確認してくれて連絡をしてくれたと聞いた時には、やはり嬉しかったですね。
こういった先方の一手間に、彼の仕事の質が高い理由を感じました。

博多の実家を売却しようと決めてのご連絡。
「博多だけど、やってくんない?」

博多!?

いくら距離が関係ない業界とは言っても、二つ返事していいとは限らないので驚きがなかったと言ったら嘘になりますね。

話を整理してみると、売却前に気になったのは家が両親の共有名義であること
この点は、司法書士を手配してお父さんの単独名義にする工程を組めば売却戦略は講じれると判断し、依頼を請けて進めることとなりました。
気掛かりな点は円滑に解決に至ることとなり、具体的に売却準備への取り掛かりとなりました。

 

動きの綿密さに頼み先は変える

 

私には色々な交流会の繋がりで、博多にある信用の置けそうな不動産業者とも仕事を組むことは出来ます。
けれど、意思の疎通や指示出しが細かくなった際にも気持ち良く動けたほうが今回は良さそう・・・そこで昔の私の部下が九州にいるので、彼に声を掛けてみることにしました。

彼には以前、200万円を貸したことがあるのですが未だに返してもらっていない仲(笑)
私は返済をせっつくことがないどころか、話題にも挙げていないのですが彼は忘れていないのか?私に懐いて?いるのか九州に遊びに行く度に、いろいろなところに連れ回してくれます。
仕事においてはお願いしたら、現地回りの調査から役所調査、空き家なら鍵の設置まで丁寧に行ってくれる動きの良さがあります。

本件の結果から言えば、今回も彼の調査報告の甲斐もあり不動産査定は相場に沿っていたらしく、売主にも満足のいく取り引きが出来ました。
この後に話しますが、遠方がためのこちらの不得手もカバーする交渉ができたのも査定考察の正否を肯定してくれる存在があったからでしょう。

 

見えない数字を踏まえた持ち掛け

駆け引き

さて、どんな物件で、どんな経緯とポイントがあったのか?

物件は築20年の戸建て。博多駅から電車で30~40分の距離。
少し離れていると言えば離れていると思える距離感。
敷地の境界でトラブルは無さそう。

調査依頼した彼や、交流会の九州支部の不動産会社の人に相場確認。
販売価格にズレは無いと分かり、2,280万円で売却スタート。

2ヶ月後、購入申し込みが2本同時に同じ金額2,150万円で入りました。

不動産における購入権の一番手の確保は、先着順と契約条件。
価格交渉が入っているわけですから一番手の購入申し込みの担当者に交渉。
「他からも申し込みが1本来てまして、価格も同じなんですよ。条件の良いほうで、と考えているんでよね。測量費なんですけど、どうしましょうかね?」

このままの条件だと売主は測量費の負担もしますので、約50万円マイナスされることになります。

購入申し込みが2本入っている事実は交渉に有効です。
測量費が買主負担となる取り引き交渉が通ることに。
これには、買主側担当者が物件近隣の方とも話して、敷地境界で揉めることは無さそうだと分かった背景もあり納得しようとなったようです。

物件価格2,150万円
払わなくて済んだ測量費50万円

結果、2,200万円で売れたことと同じ取り引き。
買主としても、実質80万円の値引きが成立した契約となりました。

 

交渉と責任

下手な交渉

測量をしないで決済を迎えられるおかげで引き渡しも短期で実現。
当然に売主は嬉しい限りです。

これには買主にもメリットがありました。

決済前に内装工事に早く着手したい、と言われました。
不動産会社が紹介した工務店と請負契約を締結していたらしく、期限の三ケ月が迫っているので、なんとか前もって解体作業だけでも直ぐにでも始められませんか?という内容。

これには応じれません。
「それは、この契約にもしものことが有った時に責任取れないでしょ?それはダメだよ。」
先方「知らないふりしてやったことあります。」

もっとダメでしょ、それ・・・

「解体開始した後、破談になった時に原状回復工事をする気はあるの?御社が保障できるの?」

責任の取り方が具体的に伝わったのか、断念して頂けました。

ただし、風呂釜などの設備機器の運び出しなどは良いよとしました。
着工までの作業をひとつ事前に進められたことが買主のメリットです。
もしも、破談になったとしても、新しい買主が浴室をそのまま使うことは現実的ではないですからね。
撤去していたとしも、新たな買主としても手間が省ける形になっています。
売主にもメリットがあると考え、承諾してもらえる話し方をしました。

販売開始から2ヶ月経過していたこともあり、庭の草木が生い茂ってしまっていました。
除草作業は売主の費用負担で行ない、解体作業が円滑になるよう整える協力はしました。

・・・この除草作業、交流会の九州支部を経由して依頼したのですが、作業後、請求書を発行してほしいと連絡を入れても一向に出してこなかったんですよ。
連絡は実に3回。未だに来ない・・・もう一年は経過しようとしているのに。
売主からも「払いたいんだけど、どうなってるの?」と私がせっつかれている始末です(笑)

売主としてのメリットは早い現金化だけではありません。
通常、契約締結時と決済の時の2度、売主も私も九州に行くことになります。

・・・正直、売主は何度も九州に行きたいわけではありません。
本音を言えば私だって。
契約が決まって手間も掛からない取引状況で商談をまとめたのですから何度も行きたくありません。

契約内容の打ち合わせ時「売主は体調も芳しくなくて、九州に行きたくないって言っていまして・・・」
売却理由を知っていましたから買主側不動産会社には承諾してもらえました。

「打ち合わせも一回で済ませたいって言ってまして・・・」
これもOK。

本来は、先方の不動産会社は契約書類の持ち回り形式(郵送でのやり取り)での契約締結は禁止されています。
けれど担当者との打ち合わせ電話で、それとなく売主と買主の合意があるなら稟議を会社に回せることは引き出し済み。
契約が成される堅さから持ち回り形式をお願いしておいたのです。

いよいよ契約締結が固まってきた段階で、署名捺印が息子さん代理人になることを切り出し、それもOK。
で、決済の時にも代理人の息子さんが足を運ぶ流れに承諾を得ました。

体調不良を言い訳に契約締結を持ち回り形式にして、決済の時には代理人。

『ここに来て代理人かよ!ヤラれた(笑)』
担当者は内心、そう思われていたんじゃないかと思いますよ。
分かる人からしたら大笑いな話なんですよ、これ。
こちらのペースですべてを運ばせて頂いたのですから。

無事に決済も完了。

ちょっと余談。
売主は接待好き、お酒好きの九州男児。

いつものごとく「飲みに行きましょう!」と言われ5次会まで二人で飲み歩きに付き合わされました・・・
夜中の2時。「最後にラーメン行きましょう!」

もう、腹に入らないよ・・・
と思いつつ連れられるままにお店へ。

!!
寝てんじゃん・・・(笑)ラーメン来るまでで!?
そんなこんなの、みんなが浮足立ってしまう円満な契約でした。

 

持ち回り形式に期待しない

期待

先ほど話題に挙がりました『契約締結の持ち回り』
大手不動産会社では近年受け入れない契約形式だと認識しておいてください。

ちょっと前までは多くあったのですが、ね。

社員が多くなれば、要所が抜け落ちた契約も多発することでしょう。
形式を割愛するにしても確認しておくこと、商談の確度の計り方、トラブルにならないポイントなどなど、抜け落ちてはならないことの重要性が伝わっておらずトラブルが引き起こされるのですから。
トラブル防止を念頭においたことで、買主、売主が顔を合わせての契約形式にこだわる会社が増えてきているということです。

大きな銀額の取り引きなのですから、簡略化した流れを期待しないことが何よりもトラブル防止に繋がりますよ。
不動産会社の担当者は、お客様のニーズに従うことが正しい形だと思ってしまっている節もありますから、その辺りも察してあげてください。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?
誰と組んで、状況を活かすかで取り引きには違いが出る事例。
時間も経費も体力も精神的にも負荷を軽減できる取り引きになります。

許容範囲内の価格交渉には応じて、他の軽減や得を図るとおもしろみを売主の立場であっても体験できます。
優位性を活かした交渉能力、人脈を今も昔もフル活用するお付き合いと感覚を、ぜひ、持って頂きたいと思います。

そうしましたら、きっと良い取り引きになると私は考えています。