6.「大才は、袖触れ合う縁をも活かす。」

なぜか、私はピンチな時に助けてくれる人が現れる事があります。
ある時、どうしようもない問題に直面しました。財務省に抵当権で取られている土地を売却するのに、前もって一旦、3億5千万円の現金を立て替えなければいけない状況になりました。普通、銀行などで抵当権を抹消する場合、売買と同時に実行してもらえますが、国が相手の場合、それができません。
前もって、3億5千万円なんて用意できませんよね。ましてや銀行も担保がなければ貸してくれません。
途方に暮れそうになっているところに3億5千万円を立て替えてくれる協力者が現れました。
それ以降、この人がことあるごとに、手をさしのべてくれて、不動産会社の経営でもスポンサーとなり、3億円の運転資金を貸してくれるようになりました。もし、この方と出会えなければ、借金を返すことはできなかったろうし、不動産会社の方も、ここまで、加速して延ばすことはできなかったと思います。
この方と知り合えたのは、うちの状況を良く知っているある1級建築士の方が私が借金問題で苦しんでいるので、なにかの助けになるかもしれないと先輩である貸しビル業の方をご紹介してくれたのが
きっかけでした。8月の暑い真っ昼間に、小平のジョナサンで待ち合わせました。その方は、50代の男性で背は低いのですが、サングラスを掛けて見た目はおっかない人でした。私は、自分ところの借金の資料を紙袋に大きなファイル3冊ほどを詰めて持参し、細かく説明しました。
その方はいちいち「うん、うん。」と頷いてました。後で、聞いた話ですが、その方は「おそらく
どこかのぼんぼんがちょっとの借金で愚痴を言うのだろう。そうしたら、叱りとばして
やろうと考えていたようです。ところが、準備された細かい資料を見せられて、考え方が
180度代わって、こいつを助けてやろうとなったようです。
「大才は、袖触れ合う縁をも活かす。」という言葉がございます。私も、まだまだ、ご縁が
生かし切れてないと思います。今までのご縁に感謝いつつ、常にご縁を意識していきたいと思います。