素人と思っていない素人が一番キケン!交渉を熟知した不動産のプロが語る『明暗が出た2事例』

今回は、同じ人からのご紹介案件を2つお話しします。ですが、片や10億円もの資産を『ふい』にしてしまったお話しです。

 

ご紹介者は、スイスの金融機関に務めるプライベートバンカー。

不動産というものは、窓口になる方の人間性次第で幾らでもお客様は損をします。

それが、10億円。

正直、笑えない話しです。

 

何があったのか?

どうすれば、そんなことが起きなかったのか?

 

ぜひ、知っておいてください。

金額の大小ではなく、チャンスをモノにできる人と、みすみす逃してしまう人の差にも通じるものなんですよ?

 

【 目次 】

お客様経緯①

大きな物件のネック

契約から引き渡しまで1年半!?

お客様経緯②

素人が一番キケン

お客様環境を整える

まとめ

 

お客様経緯①

紹介

財閥系企業の専務の奥様。

物件条件が、まず地域限定。それも赤坂。

ご予算は3億円。

「中古マンションを探して…」

 

結果から申し上げますと

見付けたものは最大手不動産会社が囲い込み物件として一般市場に売り出していない物件をご購入いただきました。

 

※囲い込み物件:行政では物件をデータバンク『REINS(レインズ)』に登録することを義務としているにも関わらず、登録をしていない≪違反営業行為≫の取り扱いをされている物件。

ネット掲載だけはされていますが、不動産会社が問い合わせても物件紹介を拒否される。

結果、成約が遅くなり易い。

 

成約まで時間を要すれば不動産会社は

「売れないので価格を下げましょう。」

と、お客様に提案します。

 

売るのが簡単になる価格や、物件の下取り業者に相場の半値近くで売るよう提案されるのです。

当初に出された査定金額を下回る、下取り業界者を提案された場合、要注意。

 

囲い込み物件をお客様にご紹介できることを

「カッコいい」とも「頼りになる」とも思う方がいます。

 

けれど、そうは思ってほしくありません。

勘違いをなさらぬようお願いします。

 

そう思うことが、結果、ご自身が売主の立場になった時に損を招いていることを、お忘れなく

 

囲い込み物件があるなら、やっぱり大手や地元に強い不動産会社に行くと思わぬ物件を掴まされている方もまた、多くお見受けします。

 

大きな物件のネック

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では、今回はどのような経緯で、どんな物件だったのか?

 

財閥系大手不動産会社の物件を紹介してもらえました。

その会社に勤めている知人に相談したことがきっかけでした。

知人も困っていましたが、渋りながらも紹介してくれました。

 

「実は、これから売り出す表に出てない物件があるには、あるんですよ…」

「ただ、内装費がやたら掛かるんですけど、それでもいいですか?」

 

おいおい、業界の人間がたじろぐって、どんだけだよ…?

そう思いながらも紹介を受けたのです。

 

内装費で、これ?

…確かに高額。

 

物件価格だけで飛び付いて良い物件ではありません。

それをお客様が飲めるとの回答だったので購入申し込み手続きへ。

 

けれど囲い込み物件なので、私が仲介に関わることは当然に先方企業が許してくれません。

 

まぁ、これはどうしようもないよね…

ここで取った決断は、私が身を引くこと。

 

こういう業界の慣習は、ゴネても良い結果には繋がらないんですよね。

だから、お客様と物件を扱う不動産会社を直接繋ぎました。

 

そうした経緯があって、本来買えないルートの物件を紹介してもらい、お客様は購入に至れたというわけです。

 

契約から引き渡しまで1年半!?

前倒し

紹介元のプライベートバンカーからは、私に間に入ってフォローしてあげてほしいとお願いされました。

折角のご縁。

本来ならば、お客様のご予算からすれば約900万円の仲介手数料のお仕事。

でしたが今回は、1/5の料金でお請けしました。

 

それも、先方不動産会社にお客様紹介料として交渉し、お客様への請求とならぬよう

結局、契約書を作らなかっただけで、買主様に行なう仲介サポートそのものをしました。

 

ところで、内装費用が高額になるって、幾らなのか興味ありませんか?

当初の見込み以上になったことに驚きました。

 

お客様のこだわりも強く、1億円掛けたらしいです。

お金というのは、在るところにはあるのですね。

 

もともとの物件事情もあり、その解決が終わった後に、内装については打ち合わせ開始。

打ち合わせにも時間を掛けたこともあり、なんと売買契約から引き渡しが1年半後になりました!

 

内装打ち合わせにフォローは不要でした。

まさに、忘れた頃に先方の不動産会社から連絡があり、お客様紹介料が振り込まれました。

 

この流れが、まさかあんな結末を引き起こすことになるとは…

 

お客様経緯②

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お客様は四国在住の方。

「東京のビルが欲しい。」

そのオーダーによりプライベートバンカーから再度、お声掛け頂きました。

 

予算は、10億円ほど。

エリアとしては、六本木近辺を指定。

 

今回は囲い込み物件ではなく、物件データバンク『REINS』に登録のあった物件

取り扱っている不動産会社は大手企業。

 

電話で問い合わせると

「ありますよ。」

普通の対応。

 

物件の販売状況、資料を入手しプライベートバンカーに紹介。

お客様も気に入ったとの返答。

 

お客様は香港に行っており、しばらく帰れない。

他に取られたくもない。

 

その結果、内覧は私とプライベートバンカーの二人。

写真など資料を揃え、お客様へ。

スムーズに購入申し込みの手続きに移ることになりました。

 

素人が一番キケン

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ここまでは、本当に順調でした。

 

不動産取引きというものは、企業ごとの色(クセ)というものが大事になってきます。

クセが業界では有名な大手企業。

 

「○○相手だから、お客様には満額で購入申し込みをするように伝えてね。」

「これがパターンだから。」

と、プライベートバンカーにアドバイス。

 

ここが運命の別れ道に…

 

このプライベートバンカーの担当者は、前職が国内金融機関に務めていました。

そこで、多少なりとも不動産に触れてきた(つもりの)ようで。

 

高額物件は価格交渉されるのが大前提と思っていたようです。

お客様は1円だって安く買いたいのは、誰だって同じです。

言うのはタダと思っています。

お客様の「交渉してほしい」と言われるままに、値下げが条件の購入申込書がプライベートバンカーを通じて私の手元に届きました。

 

「ダメだって言ったじゃん。通らないと思うよ?」

 

それでも、「申込書をもらってしまっているから先方に出してくれ。」と。

 

結果は、折り合いを付けるどころか、全く通らず。

購入申込書を送る前に他に申込者がいないことは確認していましたが、それにも関わらず返答は「一番手がいる。」の一点張り。

 

価格交渉するのが当たり前。

言うのはタダ。

これらの思い込みは、本当に捨てたほうが身の為ですからね?

 

例えるなら・・・

あなたが査定書に添付された事例物件にも目を通し、妥当な金額で売り出していたとしましょう。

 

「物件が高額帯だから交渉が当たり前」なんて言われたら、どんなお気持ちになりますか?

それも無根拠に。

 

…そうです。

不愉快ですよね。

そんな人に売る必要はないのですから、「二度と連絡が来ないよう断ってほしい」と担当者に伝えたくなりませんか?

 

それが今回でした。

 

もう取り付く島もないことをプライベートバンカーに伝えました。

 

分かっていたのに…

 

これにはお客様も激怒。

プライベートバンカーは、引っ込みがつかなくなったのでしょう。

 

出てきた答えが

「杉浦さん、今回は外れてくれ。」

 

一瞬で分かりました。

あぁ、『私が交渉に失敗した』ことになったんだな、と。

 

後に、物件を扱っている不動産業者に直接連絡を取ったことは、又聞きながら知りました。

 

一つ覚えておいた方が良いことがあります。

これだけ数多の不動産会社がありますが、横の繋がりは強く世間は狭いものです。

 

隠れて筋の通らないことをしますと、業界外の方であろうと情報は回るものです。

 

それ以降、5年以上経ちますが連絡は途絶えたままです。

その物件が購入できたかどうか、結末は知りません。

 

この業界は、成約になったかどうかではなく、筋を通せるか否かの情報の方が大事なのです。

 

お客様環境を整える

直接相談

予算内の好物件であり、不動産は縁もの。

 

お客様にきちんと納得いただける説明をしていなかった。

お客様と私が直接お話しできる環境を作っておかなかった。

これらにより、正直、こんなにも美味しい物件を逃がすことになるなんて…

 

説得の場面でいきなり「私、不動産のプロです!」

なんて登場しても、買わせたいだけの無理強いトークにしか聞こえませんからね。

 

プロに繋がず、ひとりで調整しようと動く人の怖さ。

 

それは…

真実は分からないままにされること。

だから対処が何もできなくなることです。

 

実際に業務をしていない人間が間に入ることで、非効率的な流れになるのは当然です。

とはいえ、紹介者のプライドも考えなくてはいけないのが難しいところ。

だからこそ、助言の念押し。

 

おそらく、本当に不動産実務に当たっている方ならしていることだと思うのですが…

交渉したらマズいと分かっている物件に対しては

「交渉をすることで折り合いどころか、即断絶も覚悟してください。」

「そのうえであれば私は頑張ります。」

と告げるものです。

 

単純に「がんばります!」の一言が、どれほどのトラブルを起こすことか…

お客様との信頼関係を取り戻せなくするのかを嫌というほど知っているからです。

 

まとめ

いかがでしょうか?

不動産が、担当者の人間性次第で幾らでも得も損も生むお話し。

 

基本は、実務をしない素人を窓口にしない。

素人と思っていない素人が一番キケン。

 

これを認識しておいてください。

 

大事なことは、実際に業務に当たっている人と直接繋がることです。

又聞きほど操作されても文句も言えなければ、真実も知ることができません。

 

ゆえに、手の打ちようも無くなります。

紹介元の方が同席しても良いです。

メールならBccに紹介元のアドレスを付けてもらうでも良いではありませんか。

 

とにかく、隠されない状況、裏取りできる状況をあなたが要求することが大切ですよ。