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【返済に困ってきた…そんな相談は、いつからが良い?任意売却のご相談からみるプロの本音】

誰しもが住宅を購入する時に、返済に不安がある中では買いませんよね。

それでも、返済に行き詰ってしまい任意売却や競売の一途を辿るケースが毎年、一定数挙がっています。

 

競売や任意売却中の物件が存在しないことは無い

その事実もまた、目を逸らしていけないことだと思っています。

 

様々な経緯で、これらの売却手段に至っています。

ですが、身近だからこそ怖く、知っておいてほしいケースを今回は挙げさせて頂こうと思います。

 

≪ 目次 ≫

お客様経緯

困りごとの相談のコツ

任意売却の裏側

どんな機関とも窓口は大切に

ここからの選択には覚悟が不可欠

相談のタイミングは、どこか?

 

お客様経緯

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今回の事例は、ファイナンシャルプランナー(以下、FP)からのご紹介によるものでした。

ご紹介者であるFPのご友人。

住宅ローンの返済ができない状況にまでなっているとのこと。

 

「このままでは競売になってしまう。」

「任意売却で、何とかなりませんか?」

 

最終手段に至らないように相談に乗り、計画し、回避させることがFPの仕事。

ご相談時には手の打ちようがない状態だったのでしょう。

 

最終手段の中で、少しでも良い状況を残すベストな行動

それは、実務に携わる人間への早期バトンパスです。

 

プロの資質とは、ここに問われると私は考えています。

 

『回避策を練るのが仕事、最後まで諦めないことがプロ』

ここに固執して自身のフィールドで留めたら取り返しがつかないことになる。

それを知っていて、実際に行動に起こせる人がプロフェッショナルではないでしょうか。

 

プライドを、どこに持つか

それが伝わるご相談だからこそ、実務以外の面でもお客様には情報提供したくなるものです。

 

背景を聞けば、離婚が原因。

だから、プロのチカラを頼り早期解決に踏み切る必要がありました。

 

相談に至るまでのプロセスは、致し方ないと思いました。

浪費などではなかったからです。

 

IT業界に携わる職種に勤務していらっしゃいました。

勤め先の会社の状況により年収が下がってしまったことが発端。

 

給与は直ぐに下がっても、生活の固定費を下がった年収分だけ下げる。

これは困難を極めるものです。

 

そこで、生活費の為にクレジットカードをつまんでしまったことが始まり。

なんとも言えない事情だと思います。

 

『カードではなく、誰かに借りる選択は無かったのか?』

結論だけ見れば容易く言えるでしょう。

 

けれど、実際にお願いできるものかどうかは別問題です。

「お金が足りない。」

これを親族だろうと友人だろうと近しい方に吐露する辛さ…

耐え難いものがあると思うのです。

 

どんなに事情を分かってもらおうとも

人によっては自分に落胆する気持ちを抱いてしまうでしょう。

協力を得られない上に、付き合い方を変えられてしまうことだって多くあります。

もしかしたら、話しが広がってしまうのではないか…

 

考えればキリがないのではないでしょうか。

 

いろいろな思いや考えがあるまま、周りに相談ができなかったそうです。

そして、3つのクレジット会社からお金を借りている状況でした。

それらが返せなくなって、住宅ローンも返せなくなっていました。

 

困りごとの相談のコツ

窓口

借入状況を整理したところ

住宅ローンは、残債3,500万円。

カードは、3社で300万円。

 

まず、大きな金額であり私の分野である住宅ローンから

ここは、借入機関の窓口へ訪問し相談するのが最善への一歩

 

お金を貸してくれている金融機関を抜きに

不動産会社へ相談に行ったり、あれやこれやとこねくり回す。

これはハッキリと申し上げまして無駄です。

 

こちらの事情や意図を汲んでくれるのか否か。

それが見えてこそ現状打破の戦略が最短、最善、かつ有効的なものになります。

 

ちなみに、返済が滞って相談に行けば、すんなりと任意売却になるとは思わないでくださいね。

任意売却を承諾するということは、お金を貸した側は貸したお金が100万円単位で返ってこないことを意味するのですから。

 

今回の相談の結論は、相談窓口の担当者から一言。

「支払いストップしていいよ。任売(任意売却)にしなさい。」と。

 

揉めることも、事情を汲んでもらう為に必要以上の画策をしたと言うわけでもありません。

 

今回の承諾には、ちょっとした演出はしました。

それでも、相談や交渉のコツの初歩は、顔を合わせながら話し合うことです。

 

任意売却の裏側

相談のタイミング

任意売却は、通常の売却のように売り出し価格の設定が自由ではありません。

 

そして、大手不動産会社であろうと企業の大小を問わず

相場よりも安い売り出し金額を設定されてしまう傾向が大変に強い現実があります。

ここが、最も違うところでしょう。

残債金額よりも平気で何百万円も低い金額になることが珍しくありません。

 

実際の成約金額が残債よりも少なければ、その差額は借金として残り返済義務が発生します。

それでも、月々の返済金額が低くなれば生活は今よりも楽になり、社会的義務も果たせるという大義名分の説得をされます。

 

なぜ、ここまでの現実があるのか?

それは、任意売却の開始から売値の全額を受け取るまでの手続き、ここの煩雑(はんざつ)さにあります。

 

  • 価格設定の審査
  • 進捗報告の徹底
  • 購入申込金額への承認取得
  • 売値の全額受け取り時の立会い手配

 

任意売却の案件への神経の使い方や、要する実務時間の多さには同業者と話しが尽きず盛り上がるぐらいですよ。

 

「売値決めるにしても、審査が通るか分からないし、結果を待たなければ動きも取れないよなぁ。」

「数字の見方が分かる外部の人間に見られるってのは、緊張するものがあるね。」

「売り出してからも、進捗報告のマメさの必要からのスケジュールのリズム調整とかね。」

などなど。

 

自由度が制限されることは、販売する者にとっては業界問わず煩わしいと思うのは我がままなのですが、本音といったところでしょう。

 

ただ、当たり前のことなんですよ?

進捗報告の徹底に関しては特に、実務要項として宅地建物取引業法の定めに則っているだけです。

 

本当に怖いことは1つ。

任意売却は『いわくつき物件』として見られて避けられてしまうことがあります。

そのため、仕事が煩雑なことも手伝って早期に成約に至れるようにしてしまいます。

 

それが『いたずらに相場よりも安い金額設定と、緻密な根拠資料を作り上げて審査を通す傾向の強さ』です。

家を売っても届かなかった借入金額は借金として残るのですから、この点は本当に気を付けておきたいポイントです。

 

どんな機関とも窓口は大切に

電話交渉

業務の煩雑さと業界の本音や傾向はお解りいただけたかと思います。

けれど、業務の煩雑さはマイナスだけを生むわけではないんです。

 

世にいうところのピンチはチャンス、です。

 

そんな業務の煩雑さとマメに担当窓口と連絡を取り合うがゆえに、担当者と仲良くなることもあるのです。

 

今回も、事前に相談訪問の連絡をした際も、3~4年振りの電話にも関わらず覚えてくれていました。

「覚えてるよぉ。また来たのぉ?(笑)」なんて、やり取りがあったぐらいです。

私の性格や仕事の傾向にも理解があるというのは、やはり伝わるものがあるのでしょう。

 

だからこそ、どんな機関の窓口の方であろうと、仲良くなっておくと得だと思っています。

その還元は必ず、困っているお客様のために作用するものになるからです。

 

売却活動は、物件が最寄駅から徒歩2分の好立地。

駅も住み易さや認知度の高さもあり、売却開始2ヶ月で満額成約。

おかげさまで、住宅ローンの残債全額3500万円は完済。

 

この点の借金が残らなかったことには、胸を撫でおろすばかりでしたね。

 

ここからの選択には覚悟が不可欠

覚悟

相談開始の時から、住宅ローンは売却次第としてもカードによる借入の対処については、借金の性質が別のものとしてご相談とアドバイスをさせて頂いておりました。

 

私からは「FPに相談しているだろうけど、破産手続きをしても良いとは思う。」と伝えていました。

 

支払いができていないのですから、カード会社からは請求は来ます。

請求を無視していれば、その借入金を受け取る権利(債権)は債権回収会社に売られます。

 

取り立て方も変わってくることもあります。

法が厳しくなり、ドラマに出てくるような取り方ではなくなったにしても、プレッシャーは圧し掛かってきます。

給与を差し押さえられてしまうケースもあります。

 

それら現実を伝えた中で

「どうする?」と伺ってみました。

 

「破産しない方法でいきます。」

本人の意思での選択です。

 

色々とアドバイスはしたうえで

「対処の仕方は伝えた通りだけど、気を付けてね。」と…

破産しない場合に起こりうる現実を知ったうえで本人が選んだのであれば、それしか言えません。

 

その後にも何度か連絡がありました。

勤め先の会社にまで電話が掛かってくることが1社だけあったそうです。

 

伝えたことが、すべてお客様の頭に残るとも限りません。

「月に幾ら返すとか交渉もしてみたら?」

 

選択したとは言え、後戻りできる事例です。

「破産手続きをしても良いんじゃない?」

 

一見、引き返したように思われたとして、『誰かから言われた』という逃げ口を作ってあげること。

これは、相談者がもっとも気を遣ってしかるべきことだと考えています。

 

大事なことは言い訳をしないことではありません。

本人の負荷が軽いのは、どちらなのかを≪その時の状況≫で考えた答えであることです。

 

もし、以前出した答えを変えたとしても、何も言わずに受け入れる心持ちを。

話しを聞く側にこれがあれば、素直な答えを出せると思っています。

 

ここで弁護士なら「破産手続きをしなさい。」という言い方をされたと聞くことが多くあります。

破産手続きを選択してもらえれば、弁護士としてはお仕事になりますから手数料が入る流れとなりましょう。

相談だけでは、彼らにとってはお金にならない仕事の範囲なのかもしれません。

 

私は、私自身に起こる様々なことに対して常に、リスクとメリットの天秤に掛けて答えを出します。

ですから、お客様にも同じように『知ったうえでの選択』が出来るように相談に乗るようにしています。

 

破産手続きの道を示すにしても、言い方ひとつですよね。

 

破産手続きをせずに進めていく方法は、幾つかあります。

破産を選ぶにしても手続きにはお金が掛かります。

心理的負荷もかなり掛かります。

 

決意をして買った住まいの手放し、離婚。

そこにおける破産宣告の選択…

 

安易にできる選択ではないんです。

幾ら合理な手段だとしても、心が追い付かないことがあります。

 

相談のタイミングは、どこか?

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「こうなる前に相談したほうが良い。」

お金に関わる立場のお仕事の方ならば、当然に言うことですね。

 

「カードでつまむ前に相談してほしい。」

具体的に申し上げるならば、このタイミングです。

 

今回で言うならば、様々な可能性が生まれます。

キャッシングに手を出す前なら、任意売却にしなくても済んだ。

破産の恐怖を味わわなくても良かった。

離婚しなくて済んだ。

 

だからこそ、心理的タイミングならば『心配になった時点』での相談がベストです。

 

破産は、怖いものです。

私自身、想像が付かないほどの借金を負った経験があります。

だからこそ、気持ちが分かる者として一緒に解決策を考えています。

 

本当に行き詰ってからの相談では救えないものを生み出してしまいます。

でも、ほんのちょっと心配になった時の相談は、残せるものをたくさん作れます。

そのことを多くの方に知ってもらえたら、何よりも嬉しく思います。