6.債務控除の罠

私も銀行に言われたことがあるのですが、「借金をすると債務控除により、
建物の相続税評価額が下がるので、相続対策になる。」
これって本当なのでしょうか?
ある意味、正解ではありますが、元金返済が進むと逆転現象が発生します。
つまり、相続税評価が上がってしまうのです。

たとえば、1億円の建物を借金で建築した場合、この建物の相続税評価額はだいたい6000万となります。つまり、差額の4000万円が債務控除として相続効果をもたらします。
しかし、元金返済が進んでいくと、債務控除はゼロ、以降マイナス効果になります。
つまり、それ以降は相続税が増えてしまうんです。さらに、建物の老朽化が進み、メンテナンス費用がかさみ支出も増え、空室も増える可能性が・・・。
被相続人が長生きすればするほど、相続効果が薄れてしまうんです。
どうですか?
借金をすれば、相続対策になるっていうのは、半分あっていて、半分あってないんです。
ですから、そのリスクをきちんと理解しておかないと、後で大変なことになります。