皆さんも多かれ少なかれ、税務調査を受けたことがあると思うんですが、嫌ですよね、あの雰囲気・・・。
こっちがなにも悪いことやってなくても、疑った目で見るあの嫌らしさ・・・。あんな事毎日やってたら、人間腐ってくると思うんですけどね。私も少なくとも6回は税務調査を受けていると思うんですが、そのうちの3回はピンチでした。一つ目のピンチは実家が経営していた工場跡地を処分するのに、確定測量図が古くて、隣地との境がはっきりしないので、土地家屋調査士と一級建築士と話し会って、境界を決めた時のことです。翌年、税務調査になりました。先方の主張は、境界がおかしい。農地側に食い込んでいるとのこと。隣地は自分のところの農地で20年の相続税納税猶予を受けていた土地でした。もし、農地を売却したことになると遡って相続税を延滞税も含めて支払わなければならなかったんです。
担当者は、まるで蛇のようなは虫類の目をしていて、背筋も凍るような感じでした。当初、担当者はなにがあっても許さないぞという態度で望んで来たんです。けど、決定的な証拠がなかったから、向こうは言質をとろうとするんですが、こちらもその手には乗りません。そうこうしているうちに、3回目の打ち合わせぐらいの時に、担当者が持っていた公図の地番が少し、違っていて、そこをこちらがつくと、トーンダウしてなんとか、難を逃れることができました。
2回目のピンチは、不動産の商売で中古マンションの買い取りをやっていたのですが、消費税の件で、難癖を付けてきました。当方は売値の消費税から買値の消費税を差し引いて、きちんと納税していたのですが、先方は内装をした分は付加価値を付けて居るんだから、その分の消費税も払えと言ってきたんです。こちらは、内装費の分の消費税を別途支払ったら
二重払いになるじゃないかと主張したんですが、折り合いがつきません。最終的に裁判にまで、なりそうになりましたが、うちの税理士が、裁判になっても、良いことがないから、向こう側の言っていることを多少呑んで結果として1/10ぐらいを支払うということで妥協しようということになりました。そんなので、通るの?と思ったんですが、すっと通ってしまったんです。いい加減なもんですよね。
3回目は実家の土地を売却した時の同族間取引をつっつかれました。たとえば5000万円の
土地を0円で第3者に売却しても、お咎めなしですが、同族間でそれを行うと贈与税が掛かって
しまうので、不動産の評価額には注意が必要です。
こちらは、少しでも節税するために不動産の評価を低くしたい。なので、税理士に相談して、ぎりぎりの評価を狙っていきました。一人の意見だけでは、不安だったのでセカンドオピニオンを資産税が得意な税理士に求めました。そこでも、その値段にOKが出たので、大丈夫だろうと税務申告しました。
翌年、税務調査が来ました。先方は、その評価額は認められないとあくまでも、主張を曲げません。
こちらもいろんな客観的な資料を持ち寄って、説得しました。おそらく5、6回くらいの打ち合わせを重ねて、先方もだいぶ折れてくれて、それなら、不動産鑑定士などの客観的な評価書を出してもらえたら、それで、通すというところまで、来ることができました。ただし、提出期限が非常に迫っていて、つてを頼ってさきほどの最大の協力者の方から紹介頂いた、不動産鑑定士に
期限までに鑑定書ができるかどうかを確認してもらい、ぎりぎりできるということでした。直接、税務署に評価書を持ってきてもらう段取りとなりました。しかし、ここで、一つ大変なミスを犯してしまいました。
坪単価と㎡単価で行き違いがあったんです。間違った金額のまま評価書を作って提出してしまったんです。
当然、その評価額は却下され、2000万円の追徴課税となってしまいました。
最大の協力者からの紹介なので、損害請求なども出来るはずもなく、ただ、当方はお金がないので、協力者にお金を貸してもらいました。それで、終了です。
税務調査においては、少しでもあやしいことは、やらない方が良いことを学びました。
申告書を出して、いろんな心配をしたり、この人たちと関わって嫌な気分になるより、
清らかな気持ちで申告したほうが、健康にも全然良いです。たしかに、闘わなければ行けない
場面では、徹底的にやるべきでしょうが、私がコンサルティングをやるようになってからは
クライアントに対しては、グレーゾーンの提案は一切しませんし、クライアントから危ない橋を渡りたいと言われても極力避けるように提案しています。