12.世の中に貢献できること

くさい物にはふたをしろという世の中なので、問題を根本的に解決しようとするよりも、より即物的に対処療法的にその場しのぎをしようとする風潮が蔓延していると思います。日本の原発や借金問題もそうだと、思います。問題解決を先送りにし、子供達に未来の子孫達に負担を強いていると思えます。
相続に関しても日本では同じ事が原因で問題が起きていると思います。争う族が増えているんですね。
最近は家風や家訓も含めて親から子へ、子から孫へ、きっちりと継承されていないのではないかと思います。私の大学の時の卒論は「武士道」だったんですね。司馬遼太郎の本をたくさん、読んで、江戸時代人に憧れたんですね。江戸時代の人々が、根底に持っていた精神性ってどんなものなのだろうと。仏教、儒教、神道の良いとこどりの哲学で言ってしまうとイエスと言ったら必ず実行する奉公滅私の精神なんだと思います。自分もこういう人間になりたいと思って卒論を書いたんですが、これを実行しようとすると非常に、苦しくなるんですね。頭ではわかっているんだけど、なかなかできなくて、自分を責めるようにもなるんです。そんなタイミングでもゆる体操に出あったんですね。ゆる体操も江戸時代以前からある身体の使い方を体系化したものなんです。武士道は頭で、ゆる体操は身体で表現したものだと思うんです。武士道を実現しようと思うなら、その基盤となる身体がゆるんでないと駄目なんだと思いました。江戸時代人というのは、身体がゆるゆるで現代人とは全然身体の使い方が違っていたようです。しかも、江戸時代は99%のリサイクル社会だったそうです。相撲や飛脚の錦絵を見てみるとデフォルメした身体の使い方をしているようですが、実際の身体意識としては、図柄上合っていて、ゆるゆるの身体の使い方をしていたとのことです。明治時代に最初のマラソン大会をやった時に、優勝したのは、当時、飛脚だった人らしいのですが、斜めの格好をして走っていたそうです。
また、江戸時代に残っている絵で、鰻屋職人のものがあるのですが、現代だと、鰻を押さえる方の肘を曲げるじゃないですか、ですが、江戸時代は、こうやって、左腕を伸ばしてるんですよね。専門用語で揺動土台って言うんですが、鰻が動いた時は、肋骨を一緒に動かして対処したそうです。
運動科学者の高岡先生はそう言ってます。仮定の話ですが、もし、江戸時代にオリンピックが
存在したら、おそらく10人に9人は日本人が金メダルを取っていただろうというくらい、
当時の日本人は高度な身体の使い方をしていたそうです。
日本が良くなるためには、その場しのぎの対処療法ではなくて、原因の原因を解決していく
根本的な考え方が根付いていかないといけないと思います。まず、その手始めに自分自身が
ゆるんで、自分の身体の痛みを知り、他人の痛みがわかり、地球の痛みをわかるようになる
ところから始めたいと思います。それから、武士道の奉公滅私、つまり「りおくん」の言うところの他人のために生きる自分のミッションを果たしていきたいと思います。
相続の問題は家族の問題です。その最小単位の社会的集団の問題を解決することで
少しでも日本を良くできればと思います。