最近、講演やセミナー、異業種交流会などでゆる体操によって自身が救われた話をする機会が
増え、是非やりたいから教えてほしいとか、私がプロデュースをするから、教えて欲しいなどと言うお話が多かったので、それならやりましょうということで、平成24年10月から月3~4回程度ゆる体操教室をやるようになりました。
ゆる体操で、身体のゆるめ方を脳が覚えると、その快適さゆえに、脳がさらに自分で更にゆるめていくことを求めてきますし、ゆるめることを学習していきます。継続的に身体がゆるめられるし、そうやって、脳も開発されるので、脳トレにもなるんです。私も無意識に、信号待ちや電車を待っている時などに気が付くと身体を揺すっている自分に気が付きます。面白かったのは、新幹線で名古屋に部下と一緒に行った時に30分くらい寝てしまったのですが、起きた時に「杉浦さん、ずっと手首を揺すってましたよ。」って言われたことがあったんです。ゆる体操で手首プラプラ体操っていうのがあるんですが、それを寝ながらやっていたらしいんですね。睡眠学習ですね。自分でも驚いてしまいます。だけど、あんまり人前で極端な動きをしたら、変な目で見られるので、最近は注意するようにしています。
年を取るというのは、筋肉が拘束してくることとも言えるんですが、みなさん
”高齢者疑似体験”ってしたことあります。がっちがちに間接周りに器具をはめて、白内障用めがねを掛けて歩くらしいのですが非常に危険ですよね。若い人がいきなり、そんな状態になったら、どうなると思います。あっちこっち、苦痛で救急車呼んでくれってなると思うんです。けど、加齢って徐々にやってくるのでその痛みに鈍感になっているから、気がつかないだけなんですよね。
日本で最も高齢化が進んでいるエリアである三重県紀南地区で行政と一体となって、ゆる体操を
取り入れて、いろんな実験を行ったんです。その中で、寝てやるゆる体操で「寝ゆる黄金の3点セット」というのがあるのですが、5人の被験者に5分間だけ実施したところ、最低歩行高が
1.3ミリから1.7ミリへ35%改善された結果が出たんです。なんだ、4ミリってたいしたことないじゃんと思うかもしれませんが、ご高齢の方々の躓きによる、股関節周りの骨折は非常に問題になっていますよね。畳の縁の数ミリでつまずいてしまうんです。だから、4ミリって大きいんです。しかも短時間で改善されてしまう。なぜか?腸骨筋と大腰筋というインナーマッスル達人筋が使えるようになるからなんですね。それから、ゆる体操が身長に対してもどういう効果があるか実験をしました。
年を取ると身長って縮むって言うじゃないですか。平均68歳17人にゆる体操を教えて、1ヶ月後に身長を測ってみたんです。ちなみに、ゆる体操をすることを強請するわけではなく、任意にしました。そうしたところ、平気値で3.6ミリほど身長が伸び、最高値は1.4ミリ
ほど伸びたとのことです。また、脳梗塞の後遺症で寝たきりになった70歳の男性がいるのですが、その娘さんがゆる体操をやっていて、なんとか父親にもやってもらうと思って、ゆる体操を勧めてももやらないので、どうしたもんか思案していたら、さすることを思いついたんです。ゆる体操ではさすりも重視するんです。さするだけで、身体は緩むんです。当然、その人の技量によるんですが、私がゆる体操の創始者であり、師範である高岡先生にリアストレッチというハムストリングスを鍛える体操をやっている時に腰を3分くらいさすってもらったあとに立ち上がったら、腰で支える支点がなくて、赤ちゃんのようにふらふらになったんです。そしたら、先生が「たぶん、君の一生のうちで一番腰が緩んでいるはずだから・・。」
と言われ、危ないので助っ人が仙骨のところに指一本かざしてくれて立てたんです。そんくらい、さすりで拘束はなくなるんです。今、極端な例を出しましたが・・・。私も良く手をさすり肌が荒れないので、ここ数年ハンドクリームを塗ったことがないですね。さっきの娘さんは、お父さんの手足をさすってあげたそうです。
すごく冷たい手足をしていたそうです。お父さんは気持ちが良いのでもっとさすってくれと
頼んだそうですが、頃合いを見て、後は自分でやってと突き放したそうです。気持ちよさを覚えたお父さんは自分で手足をさするようになり、2週間もすると手足にだいぶ暖かさがもどり、他のゆる体操にもチャレンジしだしたとのこと。寝ゆる黄金の3点セットを中心に行い、近所への買い物も車いすや杖を使って行けるようになり、徐々に普通に歩けるようになり、ついにはゆる体操教師の資格を取ったという話がございます。
私の教室にほぼ毎回出席しているM君という30代半ばの男性がいます。彼は、失恋し、そのタイミングで友達のいないエリアに異動となり、うつ状態となって、引っ越して半年くらい、ダンボールの荷物整理もできず、冷蔵庫にも何もない状態で、ご飯もほとんど食べられず、家ではぼーっとするだけの状態だったそうです。そんな時、あるご縁で私のゆる体操に参加するようになりました。彼は誰よりも、一生懸命だらしなくゆる体操に取り組みました。彼の上達具合は私も見ていて舌を巻くぐらいあのですが、結果、その1、2ヶ月後、彼は友達連中にも、すごく元気になって良かった。けど、なんで復活できたの?
と話題になっているそうです。今では、ゆる体操の教師を目指したいと言っています。その話を聞いて、ゆる体操を教えさせて頂いて、ほんと良かった。人助けにもなり、彼を救うことに貢献できたんだと涙が出るほど嬉しかったです。相続で悩んでいる人を救うのも自分の使命だと思ってますが、ゆる体操というもう一つ自分の使命が出来たんだと思います。