【自分の言いなり接客担当者に任せたら2,800万円の違約金請求!?自己都合だけで不動産取り引きをするリスク】

不動産業界は一般の方には分かりづらい実情、実態が多いものです。

だからこそ、下手なことを言うと、面倒なお客様と思われ良い物件を紹介されないかも…

そう思う方もいるのではないかと思いませんか?

 

接客担当者に警戒心丸出しで事細かに注文を出す…

まるで会社の部下のように担当者を動かしてしまう人と比べれば、よっぽど≪人間が出来ている≫方だと思います。

 

けれど、人として上質であれば物事が上手くいくものでもありません。

 

不動産取引の難しさには、厳しい物件条件を出さずに接客担当者に対して大人しくしていれば、物件を手にするまでが円滑な流れになるとは限らないことにあるのではないかと考えています。

 

買主様の権限が届かないところでの難儀があります。

今回は、私のクライアントの取り引き相手となった売主様を反面教師として事例を挙げながら進めさせて頂きます。

 

自己都合が自分に有利に物事が運ぶとは限らないのが不動産取引です。

 

≪目次≫

自分の言いなり接客担当者に任せるリスクは、あなたが認識していないと1,000万円を超える違約金の一括請求に変わる!?

我がままを通す担当者より、リスク回避で我がままを律する担当者を選ぶ効果

契約書が、未来永劫まで有効だとは思わないこと

 

自分の言いなり接客担当者に任せるリスクは、あなたが認識していないと1,000万円を超える違約金の一括請求に変わる!?

指示待ち

私のクライアントである買主は、お父様の高齢に伴う体調への心配から相続対策をご依頼くださいました。

資産を組み換える(不動産の買い替える)必要があるのですが、お父様が入院され時間の猶予もありませんでした。

そのような状況の中でクライアントが最終的に手にした物件の話しなのですが、売主様の背景に少し触れてお話しを進めて参りたいと思います。

 

相手の事情が分かるからこそ受け入れられることもあれば、事情を知っているからこそ受け入れがたい内容ってありますよね。

 

不動産に限らず取引の要は≪見られ方≫です。

 

【売主様の背景】

売却物件:自宅兼アパート(オーナールーム付き賃貸物件)

ご所有者:70代半ばのご夫婦

売却理由:50代の息子さんの事業による借金返済のための資金作り

 

売買契約締結『後』に、今回の問題は起こりました。

売却の根幹から外れた無理難題。

 

売却しても物件には賃料を払う形で住み続けるご意向は予め合意していたので、何の差支えもありませんでした。

ところが、売却しても所有者意識が継続してしまう人だったのです。

 

条件1

掃除は売主様の奥様が今後も継続して行なうので、掃除料金を売主に毎月支払うこと。

 

条件2

共用部に生けている花は今後も定期的に生け変えていくから、その代金は毎月支払うこと。

 

その他にも細々した条件もありました…

 

契約締結後の申し出ですから違約に当たる旨もお伝えをしました。

それでも、売主様の回答は「それでも構わない、売りやめにするぞ。」、こう言ってきたのです。

 

物件の管理会社の変更に伴う引き継ぎも、決済(物件引き渡し手続き)の時にすべての作業、事務が完了するよう手配するのが基本中の基本として事前に行ないます。

 

私がクライアントに推薦しました信用できる会社をご紹介。

そして、引き継ぎの為に引き合わせ。

ところが、「担当者が気に入らないから管理をすることを認めない。」と言い出しました。

 

何も失礼な態度も対応も無かったのですが、念のため、上役(役員)に担当を変わって頂くことにしました。

 

完全に私のクライアントの時間的制限(期限)の足元を見た物言いです。

私は、不動産取引は物件の引き渡しまでが仕事だとは思いません。

引渡し後も心配することない状態でお引き渡しを行なうか、心配がなくなるまで引き渡し後も携わるものだと認識しています。

 

ゆえに、きちんとクライアントが安心して賃貸経営に臨めるよう手配はしいます。

それは、のちほど…

 

さて、傍から見ていて、これらの条件を契約内容が確定し書面も取り交わした状態で申し出ること自体、どう思いますか?

不動産に限らず取り引き(契約)において大事なことは、『見られ方』にあります。

 

物件そのものが大変優良、かつクライアントの事情としては時間に余裕はありません。

それゆえ、こういった時こそ腕の見せ所として私は奮起させて頂きました。

 

けれど、物件探しに特別の期限を設けていない方が大半です。

ですから、一般的な取り引きにおいては自らチャンスを逃がす行為です。

契約後に条件を変えたわけですから違約金請求で一悶着に発展し兼ねない話しです。

違約として取り上げるか否かは相手方の物事の見方、捉え方次第です。

 

契約後の条件変更は言ったが最後、口にしてしまったら取り返せないと思っているほうが無難です。

書面の取り交わしが無くても契約締結も、契約破棄も認められてしまうのが法の基本ルールですよ。

書面を取り交わさなければ無効だと勘違いしている人が、本当に多いので気を付けましょう。

 

我がままを通す担当者より、リスク回避で我がままを律する担当者を選ぶ効果

軌道修正

しかしながら、この問題。

問題の根底は売主様ではないことに着目して頂きたいのです。

 

長く物件を所有していたことと不動産取引に慣れていることは全くの別次元のお話しです。

 

売主様も一般人なのです。

問題の根底は、担当した不動産会社の社員教育、社内文化にあると私は考えています。

 

所有権を手放すことは何を意味するのか?

お金が必要なわけではないのであれば売却をすることも無いわけです。

ですから、売主様にご自身の立場を認識してもらうことも仲介の仕事の一部です。

 

仲介とは、優良な買主様・売主様にスムーズに契約から引き渡しまで導くのが務めだと考えます。

 

細々したものも含め、先の条件は一度に言われた訳ではありません。

1つクリアにしたら次の条件、そのように小出しにされました。

 

買主であるクライアントには不要な心配を掛けないよう、売主様からの条件が出揃ったところで、条件を受けるリスクも説明したうえでご了解を得て決済に至ることとなりました。

この時に、物件引き渡し後、徐々に状況を変えて条件を無効化していく打開策も当然に同時にご提案したうえでのご納得です。

 

「策」を講じることが本業の根幹サービスですから、お任せ頂きたい分野と言ったところでしょうか。

 

偉そうに申し上げましたが、売買契約でお仕事完了として打ち切らないクライアントとの付き合いを心掛けていれば、当たり前の策の講じ方だとは思いますが。

クライアントへ説明する値する状況に至るまでに、毎晩、売主側大手不動産会社の担当者と電話で交渉をしていました。

 

条件を徐々に出してくる売主様に対し、担当者としてリード(是正、軌道修正)してもらえるようお願いしました。

本音としては、仲介の≪仕事をしてくれ≫と言いたかったですけどね。

こちらの言葉を聞き入れなくなったら、そこで交渉は終わってしまうので我慢です。

 

売主様がいつまでも所有者気分を続けようとしていることはクライアントにも当然分かってしまっています。

けれどクライアントは、今を我慢することと相続対策を優先することの天秤の掛け方をしっかりとご理解できていらっしゃったので、私の打開策にも向き合いご検討くださったのだと思います。

 

契約書が、未来永劫まで有効だとは思わないこと

契約効力

さて、「打開策、打開策」と申し上げてきました。

 

皮肉な言い方になりますが、先方が『物件引き渡しが仕事の完了時』と認識している担当者で良かったです。

その性格は、毎晩やり取りした電話の中で確認済みです。

 

契約としての有効性の期限について不透明にしていることに気が付いていません。

法を知らないとは契約行為でお客様を守れないことに直結するのです。

 

だからこそ、仕事のやり甲斐や仕事を深めていく面白みがある業界なのだと思います。

サラリーマンがサラリーマンの意識のままでは見抜けないお客様の守り方を今回はさせて頂きました。

 

クライアントに無理難題の圧を掛けた代償です。

売主様は、クライアントのみならず今後付き合いを持たなければならない管理会社にまでも無駄に圧を掛けてしまっていましたね。

 

関わる人を見下すことは本当に止めたほうが良いでしょう。

管理会社が、新たな所有者(クライアント)からお金をもらうからといって、この物件でずっと仕事として携わりたいか?

ここもまた『見られ方』ですね。

 

私の信用する管理会社が1つであるワケがありません。

管理会社が変わるにも口実があります。

 

入居者が賃貸運営の阻害をしていたら???

 

「元所有者である」そんな言い分は所有権という『権利』としても無くなっています。

認められる訳がありません。

 

こちらから管理会社に短期間でお願いをしたのではありません。

管理会社からの短期請け負いの申し出が、既にあったからこそ、そのネガティブな状況をクライアントに有利な賃貸経営へとポジティブに反転させただけです。

 

私の関係者に対しては、誰の意向も損なっていない策を提案させて頂いているのです。

入れ替わる管理会社には状況が整った条件で業務に当たれますから、それはそれで喜ばれます。

 

管理会社が変わらないと打てない策というものもあるのです。

法を味方に付けることで、横槍を防ぐ。

当たり前のことですね。

 

権利には守り方と使い方があるからこそ、契約行為って大事なんです。

 

いかがでしょうか?

自分の言いなり接客担当者に任せるリスク。

①任せられるプロフェッショナルを味方に選ぶこと

②だからこそ、物件の引き渡し後においても安心できる暮らしが守られていく

それらが伝わりましたら幸いです。

 

経験がモノを言う先回りが、どんな業界にもあります。

ネットで調べたから、お金を払っているから、自身の言い分だけを通そうとすることの怖さがあります。

 

不動産業界はグレーなイメージが強いと思いますが、民法などの法律についても勉強して資格を取得しているのです。

 

きちんとしたプロフェッショナルは宅建の内容を忘れた、なんて決して口にしません。

日常茶飯事として判断を求められながら契約書類を作成し、手続きをサポートしているのです。

 

サラリーマンの方でも真摯に業務に携わり、深めている方も当然に多くいらっしゃいます。

けれども、大手不動産会社の社員だからといってサラリーマン意識のままの担当者に任せて良い金額帯ではないことを認識して、お仕事を任されてはいかがでしょうか?