パズル

【二束三文と思っていた家が600万円!?状況を整えることが相続の仕事の本質】

今回もまた、難しいものが複雑に絡まった事例をご紹介いたします。

 

「賃貸不動産を相続したは良いけれど…」

毎月賃料が入ってくるから他人様から見たら良いように思えるかもしれない。

けれど…

当の本人は悩みや不安を抱えてしまっている、そういう方は実に多いものです。

 

専門家からしてみても同意しかない状況で、沢山あるんです。

 

「え!?どういうこと?」

 

簡単に想像の付くものではないので、そう思いますよね?

お金が入り続けていれば良いわけではないのです。

 

そんな事例を今回は、ご紹介したいと思います。

 

お客様状況

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長崎県に住む60代の男性。

長崎県出身の生命保険業の方からのご紹介でした。

 

紹介者からは、こう言われていました。

「娘さんが都内に住んでいて、年に2~3回は会いに東京に来るようです。その時に相談に乗って頂きたいんです。」

 

長崎県のご自宅に伺う話しではないし、急ぎの案件でも無いのかもしれない。

複雑な話しほど近々の予定が指定されることが多いので、少し気を楽にし過ぎていたかもしれません。

 

話しを聞いてみると、「これは…」と私も、悩むのも不安に思うのも頷けるものでした。

 

物件は、北千束駅から徒歩10分、60㎡の整形地に建つ貸家。

築年数は、かなりのもの。それでも、入居者あり。

賃料は月10万円。遅延、延滞は無し。

ここまでは、問題なし。

 

ところが、大きな問題点が2つ

建物が建つ土地の権利は借地権

さらに再建築が不可能な状況の土地でした。

 

前面道路と1.9mしか接していないため、建築許可が得られないのです。

※建築の為の接道条件は、2m以上です。

 

そんな貸家を売りたいという依頼でした。

「次の世代に残したくない…だから、手放したい。」

 

年に何度か東京まで娘さんに会いに足を運ばれるほど、ご家族を大切にされていらっしゃるお父さんです。

お気持ちは察するに余りあるものでした。

 

何が難しくさせているのか?

借地権

まず、この貸家における権利関係を見てみましょう。

 

構成は、このようになります。

底地人(土地の所有者)

借地人兼貸家オーナー(お客様)

借家人(入居者)

 

借地人が家を売りたいとなると、建物は勿論のこと、土地の借地権も一緒に売ることが通例です。

 

今回の場合、家屋の築年数は随分なものですから価格は付けられないものと見ます。

借地権は、借地権割り合いというものが接している道路ごとに設定されていますので、それを基に算出します。

 

インターネットで『路線価図』と検索しますと、国税庁が管理するサイトページが見つかりますので、ご自身の住所を探して記載内容を理解していくと覚えも早いでしょう。

(国税庁の路線価図のサイトは、こちら)

http://www.rosenka.nta.go.jp/

 

通常の所有権の価格を算出しましたら、借地権割り合いに合わせて、土地の価格を掛けます。

 

例えば、路線価で1㎡あたり100万円の道路に面する土地があったとします。

その道路に設定された借地権割り合いが60%なら、売るにしても買うにしても1㎡あたり60万円での取引が相場ということです。

 

逆に、底地を買いたい場合(土地の所有者から底地の権利を買って借地権を所有権にしたい場合)は、底地権にあたる40%(100%-借地権60%)、1㎡あたり40万円で買うのが相場ということになります。

 

と、まぁここまで借地権の価格算出方法を話してきたわけですが、今回は建物が入居者のいる貸家です。

 

入居者がいる場合は賃料を得る権利の売買です。

投資物件としての扱いが妥当です。

賃料÷利回り=価格で算出する査定方法『収益還元法』を用いる、至ってシンプルな計算式です(笑)

 

回りくどくも解説をしたのは、せっかくの借地権のお話しです。

売買取り引きの知識の一端として知っておいて損はないと思ったからです。

 

路線価と借地権割り合いは、知っておくと何かと便利ですよ。

 

さて、本題である問題の難易度の話しをしましょう。

借地権を買ってもらうというのは、買主が自宅や事務所としてなど買主ご自身が活用する場合には、時間を要するとしても一般市場での取り引きは可能です。

 

しかし、貸家で賃貸中となると、価格の折り合いが付きづらいものなんです。

 

先ほど、借地権の売買と投資物件の売買の価格算出方法をお話ししました。

都内ですと、借地権と築古の貸家では計算式の性質上、借地権の方が高い価格が算出されます。

さらに、名義変更手数料を底地人に支払ったり、借地権は更新料を底地人に支払ったりと出費があることで、投資効率が大変悪くなります。

 

一方、投資物件の扱いで『賃料からの割り戻し』で算出すると、大変安い金額設定になります。

安いとは言え、先ほど申し上げた底地人への出費があることは同条件です。

 

取引価格が安くても長期収支計画で見れば、コスト面は他の投資物件と比べると悪いものになります。

 

一般消費者の買主様を対象とすると、安くても『手を出しても良いことが少ない』物件に分類されます。

 

こうなりますと、取引対象が底地人か、もしくは借家人の二択です。

それでも、どちらかがが買ってくれたら相当に運の良い話しです。

期待しないこと、自分で慣れない交渉ごとに動いて失敗すれば、その後プロが間に入っても取り引きがまとまるものではありません。

 

チャンスは一度

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取り引きチャンス一度

そう捉えるのが賢明なのが不動産です。

 

大きな金額が動くものですから、感情が成約の成否に大きく作用する取引です。

縁ものと言われますから、そこから縁起物の扱いもされます。

 

一度、難癖の付いたものは縁が無かった、諦めるも吉とされます。

これは、時代や年齢層は無関係のようです。

知ってか知らずかは問わず、若い年齢層の方でも同じ反応を示します。

 

相当に、左脳的に金銭メリットで割り切れる性格と打算があれば話しは変わりますが。

 

そういったこともあり、セオリー通りであり希少な取り引き相手は底地人と借家人のお二方となります。

 

正直に状況を整理し、ご理解を頂いたうえでお客様にご意向の再確認。

「二束三文でも売れたらラッキーですよ?」

「ダメ元で動きます。」

そう、告げておきました。

 

何せ、入居者は70代。

ローンを組めるわけでも無いので見込めません。

 

つまり、実質的商談対象は底地人の一択だったのです。

底地人に当たってみるか…

 

ところが、最初は底地人の所在が分かりませんでした。

毎月の地代の振込先は昔から変わってはいなかったのですが、なんと、底地人は相続が起こっていて、かなりの時間が経っていたにも関わらず、相続手続きをしていなかった為に、現在の底地人が登記簿謄本では分からない状態だったのです。

 

この状態では、私には調査権限が職務的にありません。

お客様のほうで底地人探しの調査をお願いしました。

 

しばらくして、現在の底地人の居場所が電話番号も含めて分かった旨の連絡がありました。

早速、私から底地人に電話することとしました。

 

「一回、会ってくれませんか?」

お客様事情を話すと理解を示してくれました。

 

「あぁ、あの土地ね。知ってはいるよ。」

こちらの申し出に応じてくださったのです。

 

会ってみると

「どうしようもないよね・・・」

底地人として、お客様である借地人の視点とお気持ちを察してくれました。

接道が1.9mであることを認識していたのです。

 

私からの提案

男性 電話

「これ、売れるの?ホントに??」

 

名義変更への承諾もあるのですから、お客様の売りたい意向はお伝えしました。

無理のない反応です。

しかしながら、底地人である目の前の方に借地権を買う意向を確認したわけではありません。

 

底地人でも借家人でもない第三者への売却戦略への了承とご理解を求めたのです。

 

提案内容は、こうです。

底地権と借地権を同時に買って所有権として欲しがる人を探して来ても良いだろうか?

底地人のあなたも売る気はありませんか?

 

この提案に、先ほどの疑念の反応だったのです。

疑念はありつつも、売ることには了承を得られたことで、底地人と借地人の二人から売却了承の契約である媒介契約書を取り交わすことが出来ました。

 

入居者は70代。

例えどんなに元気であられても、明日、何が起こっても不思議ではない年齢。

悠長に事を構えているわけにはいきません。

 

リスクをチャンスと捉えてくれる相手を購入ターゲット層にすることで、可能性も効率も上げることができます。

 

隣地の方か不動産買い取り専門業者です。

隣地居住者は、入居者へのネガティブな印象さえ持っていなければ、理解を示しやすい唯一の一般消費者と言っても過言ではありません。

 

しかし、今回は意志の決定根拠が明確なことが大事です。

今回のような難しい案件を好む買い取り業者に絞り込んで動くことにしました。

 

買い取り後の物件の有益な運用方法をプレゼン。

 

直ぐに転売せずとも、しばらくは保有しても利益が出やすいパターン

通常通り、直ぐに転売するパターン

どちらでも、有益な金額設定で商談に来ている旨を伝えました。

 

結果、買い取り業者の反応は

「隣地と交渉して、10cm分の土地を買えば良いんですよね?」

 

私としてはリスクヘッジの道と軽口を混ぜて…

「もしも、その交渉が上手くいかなくても利益が出る前提ですよ。」

「(上手くまとまれば)化けるから大丈夫なんじゃないの?」

 

業者「…うん、そうですね」

 

都内、徒歩10分圏内の優良立地条件の難しい案件にチャレンジする会社

落ち着きどころとして利回り20%、商談スタートは16~18%で示したいところです。

 

700万円(約17%)でプレゼンはスタートしていました。

そこに、600万円での指し値。

 

「二束三文でも売れれば、相当に運が良い。」

お客様には当初にこのように伝えていた身としては、かなり嬉しかったですね。

 

買い取り業者との取引は、建物にしても、土地にしても瑕疵担保責任は免責(不問)です。

面倒で見通しが付きにくい隣地との10cm売買の交渉も買主任せ。

 

取り引き条件は消費者に有利です。

 

まとめた商談を、長崎で待つお客様と底地人に報告。

売価600万円の内訳は、借地権割り合いに沿って対応します。

 

底地人    借地人

240万円 :360万円

 40%  : 60%

 

お客様たちは、当然に驚きと喜びで迎えてくれました。

「おぉ!スゲー!!ラッキー、ラッキー!!」

「ありがとう、ありがとう!」

 

今回の商談のミソには、もう一つ、仕掛けがあるんです。

 

一般的に、商談を上手くまとめるには不安要素、不確定要素は排除しておくものでしょう。

ところが、不動産取り引きにおいては、不安要素を残しておく方が有利な商談の持ち掛け方となることもあるんです。

 

入居者が、いつまで健康であるか?

 

もしも、近年に何かあって退去になれば、現状で売るよりも更地にした方が買い手は付きやすい築年数なわけです。

 

大きな出費、解体費の問題です。

次の展開にお金が必要になるからこそ、買主有利の『収益還元法』の採用で価格設定を下げ、入居者の万が一が更地取り引きを引き起こし、価格を一気に跳ね上げ、収益を上げられる旨みです。

 

こういった差益の儲けの出し方をアービトラージと言います。

アービトラージ…これこそ、手塩に掛ける不動産コンサルティングの面白さです。

 

不動産とは、今回のように状況によるアービトラージの発生は勿論なのですが、その他にも価値の感じ方の違いで、まったく別物クラスで金額が変わることもあります。

 

そのお話しは、また別の機会にでも。

 

不動産コンサルティングとは、状況を整えつつも、残すものを何にするのか、どうするのか一つで魅力が変わることにあると思います。

 

一般消費者が動くから出来ること、我々プロだから動けること。

 

それぞれの利点は状況によって違うからこそ、「頼んだら、後は任せたい」という無関心・他人事では進められない、もしくは取れる手段が減ることで大きな損をお客様に与えてしまうことがあります。

 

依頼料にかける期待は、人それぞれだとは思います。

しかし、勝手にやっててほしいというスタンスだけは捨ててください

 

無駄に自分たちだけで動くことも得策ではありません。

私たちへの理解のうえで協力的になってくださいますと、今回の事例で底地人が見付かったように、大きな一歩を踏み込めることが沢山あります。

 

難しい案件でも、パズルのピースを一つずつ嵌める楽しさもまた感じて頂けましたら、きっと解決に向かうと私は信じています。


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魅せ方ひとつ!自分で利回りは作れるもの『賢い不動産投資のヒント』

『不動産投資』

この言葉には、『不就労所得』という甘美な響きから手放しで儲けられるものと思っている方は多くいらっしゃることでしょう。

 

手放しで儲けられる物件を探そうとした結果、失敗される方もいれば、今回のお話しに出てくる方のように、『手掛け方』を知っていることで利回りを自分で倍以上にしている方もいるんです。

 

今回は、不動産投資のちょっと違った視点を知ってもらうお話しです。

 

ご依頼内容

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クライアントとご縁を繋いでくださったのは、与野の司法書士さんからでした。

それまでにも3件ほどお仕事をご紹介してくださった間柄。

 

「相続した区分マンションを売りたい。」と。

 

物件の所在地を聞いて、クライアントの気持ちを納得しましたね。

 

埼玉県にある宮原駅。そこからバスで15分。

築40年。全8戸。

区分所有の分譲マンションではあるけれど、見るからにアパート

 

壁には、クラック

屋上の貯水タンクは割れている

 

管理費や修繕積立金の設定も無い

そのマンションの2戸を、空室の状態で相続したクライアント。

 

あなたにも、もうクライアントのお気持ちはお解りいただけたことでしょう。

不動産投資が分かっていなければ、所有していても不安が募ってしまいますよね。

 

一般市場から特定市場への働きかけ

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「売りたい」と言われても、一般市場に売り出したところで成約に導くのは、至難の業(わざ)。

…を通り越して、もはや時間を浪費するだけになり兼ねません。

 

そうなると、次に考えることは、再販売を目的とした不動産買い取り専門業者への売却です。

売却価格が下がろうと、クライアントにとって所有し続けるデメリットの方が大きいことが分かっていましたので。

 

…が、こちらも幾つもの業者に電話をしても

「ムリ!」

 

取り引きの有る業者に声を掛けても「買えるわけないじゃん。」

 

……

 

分かっていても凹むものは凹みます。

 

こうなりますと、望みはかなり薄くなりますが『特定市場』に移行するのが良策です。

同マンション内の所有者

隣接地の所有者

 

この物件を理解しているから価値を感じて頂ける方ですね。

存続や継続の理由が『体感』として分かっている人は、特別な価値観で理解してくださるんですよ。

 

マンションの場合、まずは他の区分(部屋)の所有者について調べます。

 

どうするのか?

 

登記簿謄本の取得です

他の6戸分の謄本をすべて取得しました。

謄本には所有者の住所とお名前が記載されています。

 

すると、1階の部屋を3年前に購入している方がいることが分かりました。

どうやら現金で購入している模様。

3年の間に売買も賃貸も市場が大きく変わる地域ではありません。

 

社名で登記されていましたので、所有者の背景が事前に分かったのも有り難かったです。

電話でお話しした時に、先方の賢さに合点が直ぐにいくことが出来たのですから。

 

広告会社を経営している方でした。

行動と効果の見通し、予算と利益の数字的根拠と決断力が高かったですね。

 

クライアントの事情説明にも、その場でご理解を示してくださいました。

購入のご意向も示していただいたので、すぐさま商談に移行。

 

まずは正直な希望金額で打診。

「この物件は、1階ではないので200万円で買いませんか?」

 

「100万円かな?」スパっ!

即答でした。

 

買い取り専門業者にも断られていたのでこれには内心

「運が良い!!」とさえ思いましたが…

 

わざと渋い声で「う~ん」と悩む声を。

 

大事なことは、私の所有物ではないこと

本当に購入を前提とした価格交渉であること

この2点を確認すべく、購入申込書の取り交わしをもって話しを進めさせて頂きました。

 

FAXにより購入申込書の交付をお願いすることで、直ぐに動ける手はずを整えました。

 

素早い決断。

そして、書面の取り交わしという行動による意思表示。

そこに感謝と敬意を込め、クライアントへの交渉は買主様の意向に添えるよう協力させて頂くことを約束して、その日のやり取りを終えることとしました。

 

買い手の見ている数字的メリット

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立地条件も、物件状況も決して良いとは思えないご依頼物件。

どうして買主様は即決で決めることが出来たのでしょうね?

 

お待たせしました。

今日のメインのお題でしたね。

 

本当に買ってくださるかの確信も持てずに

折角お話しできる機会を得た会ったことも無い方との電話を切ることほど

怖いものはありません。

 

どういった目線で3年前に、このマンションを買おうと思ったのか?

そもそも、どういった戦略をもって不動産投資を行なっているのか?

ここを確認しておくことが大事です。

 

例え、お仕事を頼まれたクライアントが売主の立場の人であろうと、次の所有者が明らかな損をするような取り引きに手を染めるワケにはいきません。

 

クライアントへの確実な相談結果のご報告と、自分自身への仕事の信条のどちらも満たすことが気持ち良い仕事と言えます。

 

まず、この買主様は買った物件をそのまま貸し出せる物件に手を出さない

そういう戦略を好む方でした。

このマンションのお部屋だけではなく、幾つもの区分マンションを既にお持ちだとか。

 

どの物件も地方物件を含め、一見、『入居募集も大変そう。入居しても長く住んでもらえ無さそう。空室リスクは高そう。』な物件ばかりを見付けては購入していました。

 

安く現金買いで手にして、ちょっと内装工事をして見た目と住み心地を整え、付加価値を付けることで真っ当な賃料に戻して賃貸に出す、というものです。

 

安い物件は売主が弱気になり易く、現金で買うとなれば今回のように半値にまで下げてもらえることも珍しくありません。

 

さて、数字で買主様の目算をご案内したいと思います。

 

現在1階のお部屋を賃料6万円で貸し出し中。

今回、1部屋 50万円で購入。

1部屋 20~30万円で内装

 

欲を張らなければ今回も6万円で賃貸。

内装工事費30万円としても5ヶ月で回収

さらに1年足らずで購入費も回収

 

利回りの計算式は、こうなります。

年間賃料72万円÷購入費(内装費込)80万円

 

利回り90%が2部屋も手に入るんです。

 

売却する時には、入居した状態で売却すれば大宮駅付近ならば利回り15%も見ておけば成約も早いでしょう。

 

内装が仕上がったばかり頃に写真を撮っておき、販売図面に載せれば物件を見なくても売却が円滑に進みやすくなります。

 

将来的な売却ですから、利回り15%でも賃料の下落は見ておくとして…

賃料 5万円でも

年間賃料60万円÷利回り0.15

売却は400万円になりますね。

 

購入資金80万円は、1年半で回収済み。

その後は、賃料がずっと丸々純利益として得られています。

 

こういったシミュレーションが瞬時に出来れば、チャンスを逃がすことなく利益に転換できますね。

 

不動産投資でローンを組むにしても、元手となる資金は頭金も含めて必要です。

同じお金を支払って、借金を作って毎月の利益額を少なくするか?

現金購入をして、素早く元手を回収し収益を生み続けるか?

 

好みに分かれるところですが、一つの視点として挙げてみました。

 

出口戦略は数字だけでは実現しない

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ここまでシミュレーションが出来ていると、どうしても浮足立つ人がいるものです。

大事なことは、数字を現実に落とし込むことです。

 

数字に間違いはないですし、空室リスクを見越してもいますので失敗はしないでしょう。

この買主様は、他の物件で『不動産屋とは?彼らに動いてもらうには?』

この経験も積まれていることでしょう。

 

そう、賃貸にしても売却や購入にしても『専門家に動いてもらいやすくする算段』が必要です。

 

そこには、経費として見込んで使わずいるお金の考えもまた、持っていなければいけません。

経費枠…

 

教科書のような不動産経営テキストには載せられない『実態に則し、活かす知恵』を、いつ手にするか、ですね。

 

物件の特性、条件、状況に応じて使い分ける必要があります。

だからこそ、今回の買主様のように『自分は、こういった物件にだけ手を出す。なぜなら、自分で考えて判断できる得意分野であるから。』と決めておくのが良いでしょう。

 

専門家の見極め方で何度もお話ししていますが、一般消費者にも同じことが言えるんです。

自分の特化したいことが明確、鮮明に相手に伝われば、良い知らせが舞い込むということです。

 

≪知る≫大切さ

決して不動産投資は『何もしないでお金が入ってくる』不就労収入ではない、と大前提を置いてください。

 

それを放棄した瞬間、誰も買わない損だけを生む物件情報を信用していた関係筋から紹介されることがあります。

 

「これまで、とても良い物件情報ばかり紹介してくれたから…」

そんな理由を抱えて相談に来る方が、後を絶たない現実はお伝え申し上げます。

 

不動産投資で大事な要点は、『あなたが、指示出しできたら想像は実現する』

そう思ってほしいですね。

 

あなたにも、入居者にも手厚い利益をもたらす不動産投資となることを願っております。


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【競売寸前!タイムリミット1ヶ月!?覚悟した遅延損害金200万円の消し方】

今回の取り上げる事例内容は、すでに差し押さえられ、1ヶ月後には競売に出される状態のご相談でした。

 

それは、10年振りとなる知人(不動産業)からの1本の電話から始まりました。

調べていくうちに、因果を感じる案件だと分かり「これは、私が解決しないとな…」と思わされるものでした。

 

クライアントは、電話を掛けてきた知人の友人の友人。

私の事は知らない方が、巡り巡って辿り着いたご相談でした。

 

競売に至るのですから滞納しているわけです。

残債だけではなく遅延損害金も加算された金額で、売価を差し引き、残った差額は借金として返していくことになるものです。

 

今回は、遅延損害金を負った借金が残ることもなく済んだお話しです。

 

≪ 目次 ≫

案件状況

サービサーという存在

思考と現実

因果を感じる物件履歴

 

案件状況

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ご相談者は当時、ラーメン店を経営されていました。

先にも言いましが、私にご相談くださった時には1ヶ月後には競売に掛けられてしまう段階

 

残債は1,200万円。遅延損害金は200万円。

この遅延損害金は、相談のタイミングを早めるだけで払わなくて済むものです。

つまり、「誰かに相談しよう、頼ろう」という判断や気持ちの区切りひとつです。

ここから生み出されるものだと覚えておいて頂きたいと思っています。

 

冷たく聞こえるかもしれませんが、賢明な判断のためにも≪無駄なお金≫のひとつと思ってください。

 

さて、今回の相談が巡り巡ってしまった業界的背景もまた、知っておいたほうが良いと思います。

 

差し押さえされた競売予定の物件を、任意売却にするというのは≪進んだ状態を戻す処置≫だと認識してください。

ただでさえ、滞納を積み重ねてきた方に猶予という温情を通り越し、金融機関側は貸したお金の一部を踏み倒される形となる競売に掛けられる覚悟をかき乱されるわけです。

 

競売よりも高値で取り引きされる任意売却になるとしても、任された不動産会社が残債以上で成約するケースは、本当に稀です。

その現実があるので、そう簡単には喜ばれないのです。

 

だからこそ、今回のような相談における書類の多さは、競売案件の比ではないのです。

さらに、裁判所とのやり取りもあって煩雑な業務です。

 

ゆえに、一般的な不動産会社では相談されても受け付けないか、やり方を知らずに断ることが多いのです。

 

今回は裁判所に付け加えて、やり取りをする機関が多かったのです。

これも相談のタイミングの遅さが招いたものです。

 

サービサーという存在

債権回収

ご相談者からの話しを聞き、返すべきお金の全体像が掴めました。

次の下準備として動くことは、私が買主を見付けるまでの時間の猶予の確認です。

 

正式に競売物件として手続きが完了するまでに、不動産売買取り引きのどの段階まで進んでいれば取り下げてもらえるものなのか?

この確認です。

 

決済(売買代金のすべてを受け取り、金融機関に完済)まで?

売買契約の締結まで?

購入申込書の受領まで?

 

それぞれに、売却活動の実働時間が違います。

必要な日数を差し引いた逆算的思考で計画を立てなければいけません。

 

金融機関に電話したところ、「すでにサービサー行きになっているよ。」と。

これは、相談のタイミングとしては最終段階の中でも、かなり進んでいる状態を指します。

 

裁判所に直接の聞き取りなどが出来ず、サービサーを通さなければならないのです。

直接確認できれば、回答のニュアンス違いも起きません。

ご相談者が裁判所に諸々の確認をするにしても印象を損なわいプロセスを示すことも出来ます。

サービサーは金融機関とは業務の性質が違うので職務思考も違い、ドライな部分が強まると思っていたければ分かりやすいと思います。

 

※サービサーとは。

債権回収会社のことを指します。

通常の返済は、融資を行った金融機関が遅延金の督促をします。

 

規定期間内の遅延の状態は、『分割払いの権利』が有るとみなされます。

けれど、規定期間を過ぎた場合、分割払いの権利が『無くなった』とみなされます。

 

権利が無くなった後は、サービサーが回収業務の代行を行います。

融資元の金融機関により、回収の代行なのか債権の移行なのかの違いはあります。

どちらにせよ、競売の手続きなど裁判所を通しての債権回収に着々と進めていきます。

 

サービサーとやり取りをする最初の目的は、「幾ら以上の取り引きであれば認めるか?」という≪評価出し≫を裁判所に開示してもらいたい旨を伝えてもらうこと、それと期間の猶予です。

 

サービサーを通すため、シンプルに評価出しと猶予の確認だけ。

本音は、他にも少しでも情報や意向など聞き出したいところです。

 

ご本人に裁判所まで足を運んで頂き、金額の確認をしてもらいました。

その間にも動けることは動いて、時間を有効に使いました。

 

今回は、不動産買い取り会社と取り引きすることが求められる案件。

不動産買取りの仕事を始めたいという時期から協力をしていた知人の不動産会社に頼み込むことにしました。

 

それまでに幾つもの案件を紹介し利益貢献をしてきていたので、今回の相談に無理を聞いてもらう形にしました。

 

先方には正直に、ご相談者の事情から今回の取り引きは赤字になる見込みが強いことを伝えていました。

それでも、応じてくれました。

 

1,500万円で手を打ってくれたのです。

この金額には、感謝しかありません。

 

商談もまとまり、サービサーへの確認も取れました。

 

結果、取り下げに必要な取り引きの進捗は『売買契約の締結まで』。

これを示せれば、取り下げて頂けるとのこと。

 

評価出しの結果は、「900万円以上ならば、売ることを認める。」と。

 

これは正直、安いなと喜んだものです。

 

900万円が安いか否かではなく、残債との幾ら差があるかが大事なのです。

評価が残債を超えようものなら、知人に無理を言った金額でさえも借金が残ることになります。

 

買い取り金額は1,500万円で商談を取り付けていたので、これは相当良い状態です。

 

けれど、残債や遅延金や売買取引における諸費用、新居への諸費用もあります。

良い状態と言っても、おつりが出る状態とは言えません。

 

借金が残ることは無い取り引きになる程度です。

 

後日談になりますが、買い取ってくれた知人からは「あの物件、100万円のプラスが出ましたよ!(笑)」と、あまりの予想外に笑い話しのような報告が来ました。

 

不動産の再販売におけるプラス100万円というのは、業界の通例で言えば利益が出ていない失敗商談の範疇に入るもの。

 

けれども、赤字覚悟だったゆえに思わず笑ってしまう『ラッキー案件』に思って頂けたようです。

 

これには、知人への借りが軽くなり胸のつかえが取れた感じでしたね。

とは言え、それは結果オーライの話し。

 

恩義に報いてくれたとしても、それから1棟ものの案件を4軒、きちんと利益が出る真っ当な案件でお仕事をお願いしました。

 

応えてくれたことには、倍以上で返したいものです。

 

思考と現実

思考

さて、お金の目処も立ったところで、取り引きに当たりリフォーム工事の加減を確認する為にも室内を見に行くことになりました。

 

・・・行ってみて驚きましね。

お世辞にも「普通ですね。」なんて言えたものではありませんでした。

 

まぁ、汚い…。

 

会社員の方なら耳にしたことがあると思います。

机の上が整理されていない人は、仕事に無駄がある。

机が汚い人は、仕事が出来ない人。

などなど。

普段使っている物や空間の状態は、頭の中を表すということですよね。

 

不定期ではありますが、私は大々的に本などを整理するようにしています

 

今後も必要な本か否かを見定め仕分けをしていくわけです。

このおかげで、思考がクリアになります。

 

思考がクリアになると、無駄なことをしたくなくなるものなんですよね。

「目にする空間がスッキリした綺麗な状態を保ちたい。」

「また物で溢れた状態に戻したくない。」

「大変な作業を再度したくない。」と。

 

無駄なことをしなくなると、逆に必要なものが分かってくるようになります。

加えて、不思議と必要なものが手元に増える、手に入るようになるんですよね。

 

物の状態で人が見えるということでしょう。

 

因果を感じる物件履歴

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案件を請けることが決まれば、物件を調べるにあたり登記簿謄本にも目を通します。

重要事項説明書の作成に欠かせない資料ですから。

 

この登記簿謄本には、これまでの所有者の移り変わりが記録されています。

 

登記簿謄本を見て、10年前の記録を見てビックリしました!

 

私が今の会社ではなく不動産買い取り事業をしていた頃、自社で買い取りを行ない売った物件だったのです。

売主の立場での取り引きだったので、他社の不動産会社が一般の買主を見付けて、売却に至った取り引きでした。

 

それが巡り巡って、この物件で困っている方の解決に自分が選ばれるなんて。

10年振りの電話で。

「これもご縁なのだろう。私が解決をしなさいというお告げかもしれないな。」

そう思えたことで、スッと事態を受け入れられるようになりました。

 

知人に無理を言って高い金額で取り引きしてもらってでも解決したいと。

 

根拠の指し示しなど専門的な技量を要する7種類もの提出書類のある業務。

裁判所とサービサーの二か所と、取り引き調整。

任意売却の方、特有の応対。

 

この特有のひとつ、税金の処理忘れ。

 

不動産売買では、固定資産税と都市計画税の精算があります。

これは、取り引きを行なった年の1月1日現在の所有者に納税義務があることから、日割り精算した税額を売主に払い、納税義務に協力をします。

 

多くの物の売り買いには見られないことから不動産取引きの特徴でしょう。

それゆえに、4回は説明するようにしています。

 

ご相談当初の進行の説明の時。

重要事項説明の時。

売買契約締結の時。

決済の時。

 

それでも、決済も終わった後日「何ですか、このお金?」と連絡が来るのです。

この傾向が強いのが任意売却の方です。

3人に1人は、いらっしゃいますね。

 

まとめ

遅延損害金を無くす方法とは、お願いする不動産会社の見極めなのです。

 

●取り引き後のご相談者の生活がどのようなものになるのかを理解し業務に反映できること。

●協力者のパイプがあること。日々、横の関係性を作っている人であること。

この2点です。

 

今回は、あえて裏側のお話しを多くさせて頂きました。

 

滞納者への手続きの進行を逆行させる内容であること。

書類の多さ。

業務の煩雑さ。

ご相談のタイミングによって、その煩雑さが増したこと。

引き出せる情報が限られてしまったこと。

分割払いは、民法としては権利という取り扱いになること。

 

ご相談者に取り引き後も借金が残るのは当たり前なのが、任意売却や競売です。

 

それだけに、いい加減な手引きで安い価格設定にして≪取り引きの早さ≫を優先して手数料をもらおうとされても文句が言えないものです。

 

大手だから高い金額設定をしてくれると思ったら、大間違いです。

売却期間に余裕がないのですから。

任意売却を預かり、その期間内に売れなければ多くの借金が残る競売になり、不幸が重くなります。

そして、会社の信用も下がります。

 

だからこそ、『確実に売ること』が求められてしまうのです。

大手や地元に根付いた不動産会社には、それぞれの立場があることを理解する必要があります。

 

ご友人の頼った不動産会社の人が友人関係を重視して、取り引き後のご相談者の人生まで考える同業者に声を掛けようとしてくれたことを、こういった理解の上で感謝したほうが良いと思っています。

 

私たち専門家は、案件ごとの自身の仕事の大変さは、協力を仰ぐとき以外は極力お客様に伝えないようにするものです。

 

大変なことは承知の上で引き受けたわけですから。

それよりも、業務スタンスを理解したうえでご紹介してくださった方への感謝の仕方は大切だと思います。

 

結果に対して喜ばれることは当たり前にありますし、紹介者への感謝も溢れているのは伝わってきます。

 

でも、大事なことは『ご自身が招いたことの重さ』を理解して学びに替えられるかです。

私は、ご紹介者の方々が事前にきちんと私のことを伝えているのでしょう。

 

有り難くも、いろいろなご相談者から「人生の相談に乗ってくれているんですね。」と仰って頂けます。

 

悩み事やトラブルとは、その方の癖が積もり積もっていることが多く、それが不動産に事象として現れたから出会えています。

 

その元を辿れば、生き方や物事の捉え方が良い方向に直ります。

重さを知れば、直したことを忘れず、直ったことが習慣化して生き方が変わり、生活が変わるものだと思っています。


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【文化の違いは国だけではない。世代、立場、認識の違いも丁寧に。相続事前対策にも通じる不動産売買要件】

前回のコラム「ご依頼のタイミングが人生の分岐点!大手不動産会社だから出来ない案件を解決。資産家案件での貸しを一般規模案件に活かすコンサルティング対応」の最後に触れました数々の障害についてお話します。

 

相続事前対策でも「意思確認、意思確認。」と言われます。

この証拠を具現化したものが、当然に書面です。

 

今回は、一つの案件でこんなにも意思確認に奔走することになるとは思ってもいませんでした。

 

≪目次≫

お客様状況

買主様が複数人、かつ複数国に在住

海外在住の場合の準備事項

困難な状況でも意向の不一致はある

運気も仕切り直し!?

まとめ

 

お客様状況

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前回のコラムのおさらいになりますが。

 

金融機関からのご紹介。

当時、コンビニエンスストアを2店舗経営しているオーナーさん。

コンビニエンスストア企業同士の買収により店舗内装の全面リニューアル工事費用の捻出に悩まれていらっしゃいました。

 

現金でまとまったお金の工面は難しい。

既に紹介元の金融機関から事業資金として不動産担保ローンで借り入れをしている。

追加融資は臨めない状況。

 

●問題解決に必要な費用項目

店舗内装工事費用

コンビニエンスストアを始める際の営業権の借り入れ(抵当権の設定済み)

紹介元からの事業資金の借り入れ(抵当権設定済み)

 

買主様が複数人、かつ複数国に在住

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物件の売却活動は、見事に売り出し価格のまま、直ぐに成約となりました。

 

買主様は、隣り近所にお住まいの方が甥っ子二人に声を掛けてくださり、その二人が共同名義で購入されました。

 

ただ、その甥っ子というのが住まいと国籍が、アメリカカナダそれぞれ在住する中国人のお二人だったのです。

英語が通じるお二人。

購入意思は固まっており、売買契約まではスムーズに進みました。

そこからが大変でした。

 

買主様を付けてくださった不動産会社の担当者に業務経験がほとんど無く、外国在住のお客様の対応経験もない。

地場業者と言われる中小不動産会社。

担当者だけでなく会社にも英語を話せる人がいない。

更に、英語対応できる司法書士へのツテもないと言う…

 

※不動産売買による登記手続きは司法書士に頼むことになり、必要書類のご案内などでお客様と直接やり取りすることもある為、英語ができる司法書士へのツテを確認。

 

いや、ホントに肩にドッシリと面倒事が圧し掛かった感じがしましたね。

 

結局、英語ができる司法書士の手配から不動産仲介の実務まで、私が担う流れとなってしまいました。

 

慣習としては、司法書士の手配は買主側不動産会社が手配することが基本です。

司法書士から不動産会社への紹介料のキックバックが無ければ…ですけどね。

 

所有権移転を不備なく安心して任せるには、買主側が手配するほうが望ましいからです。

お客様事情から金融機関によっては、金融機関が指定する司法書士となることもあります。

これも買主側関係者に属する為、買主様の安全性の確保と言えます。

 

買主様の安全性やキックバックによる費用の水増し防止の点でも、大手不動産会社に有りがちな≪司法書士は、弊社指定となります。≫という条件は無くした方が、公正性は守られるのですけれども、まだまだ根強く残っていますね。

 

海外在住の場合の準備事項

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日本には独特の文化、取り引き風習が幾つかあります。

その為、いろいろと理解とご協力が必要になります。

 

その第一歩が、本人確認の書類の用意です。

これもまた大変でした。

 

海外にないものして、判子と住民票です。

ですから実印の文化もなければ、印鑑証明書の発行も現状のままでは出来ないのです。

司法書士に英語でやり取りして頂き、ご理解頂くことからスタート。

 

そして次に、送金の問題です。

残代金支払い(決済)は、決済書類が整ったことを司法書士が決済手続きの場で確認して、送金手続きを開始するものです。

 

しかし、書類確認後、海外の金融機関に連絡して送金をお願いしても応じてもらえるものではありません

この問題点は、買主様が決済前日までにお持ちの海外口座から日本の金融機関口座に送金してくれました。

 

ここまでに、かなりのやり取りがありました。

司法書士から進捗報告は細かく入れて頂いていたので、その苦労には頭が下がるばかりです。

 

身分証明書の下準備と書類の発行は、なんとかギリギリ間に合うことが出来ました。

理解を得られても、やはり実際に書面が揃うまでは気が張るもの。

 

気が休まる暇がありませんでしたね。

 

契約書の内容の通訳は、買主に物件情報を流してくれた日本語が話せる隣り近所に住む買主様の叔父さん、叔母さんが協力してくれたおかげで負担は軽くなりました。

 

困難な状況でも意向の不一致はある

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売主様状況の取り引き実現の為の困難さはご理解頂けているかと思います。

ましてや、お店の運営も芳しいものではなく、かつ、違う事業に切り替えらえる状況でもありませんでした。

 

もともと金融機関からのご相談案件ですからね。

状況の困難さから、普段なら在り得ない思い込みをしてしまっていたことが発覚します。

 

売却実行に必要な500万円ものお金の工面(※詳しくは、こちらをご参照ください。)ができ、買主様も見付かった際のことです。

 

出資してくださる私の知人と一緒に、売買書類への署名・捺印を頂きにお客様のお父さんの元へ。

 

自宅を建てる際に実際のお金の支払いはお客様ではあるのですが、所有者の名義はお父さんになっているからです。

 

お客様との打ち合わせは、何度も行なってきており、所有者との意向も一致しているものとして進めていました。

状況がすべて整い、心配も負荷も掛からない段階で会いに行ったのですが…

 

「売る気も金を借りるつもりもない!」

この一言で、頑として話しを聞いてくれない反応。

 

これには驚きと共に、お客様も含め、どれほど周りの人が協力して今に至るのかを分かろうとはしていない様子でしたし、無理強いするものでもないと思いますので私たちは

「帰りましょう…」

と素直に応じることにしました。

知人もお仕事になるとは言える案件ではありませんから、何も言わずとも同じ対応になっていましたね。

 

さすがに焦るのは、お客様です。

「待ってください!説得しますから!!」と。

 

「おやじ、本当に良いのか!?」

この一言から始まり、なんだかんだとすったもんだがあり20、30分後。

状況の理解と気持ちの落ち着きがあり、無事、契約を進めることが出来ました。

 

コンビニ経営も芳しくない。

だから、紹介元の金融機関から事業資金を借り入れていましたし、そこから私にご相談がありました。

あのまま何も手を打たずにいたら、差押になってしまっていたかも知れません。

 

とは言っても、実際にお父さんに賃貸へ移住してもらう時にはまた、一苦労あったそうです。

 

運気も仕切り直し!?

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物件も無事売却でき、借り入れ金の全額完済、内装費の工面、手元にもお金が残すことができました。

 

その甲斐あり、お客様はリニューアルオープンを果たします。

運気が向上したのか、その後の売り上げは以前よりも上がったと意気揚々としたご連絡も頂きました。

 

今でも溌溂(はつらつ)としたご様子。

私も胸の荷を下ろすことができ、ホッとしました。

 

まとめ

いかがでしたでしょう?

意思確認には、国による文化、年齢による文化、持ち家から賃貸への移行。

様々な違いにより困難が発生します。

 

大変だから協力を仰げるとは、一概に言えないものであると伝わったら幸いです。

 

振り返ってみるほどに、幾つもの困難が重なったこの事例。

大手不動産会社なら断るか、買主様の見つけ直しをお願いされていたことでしょう。

 

下手をすれば売却までに時間が掛かり、値下げ。

手元にお金が残せなかったかも知れない結果も予想されます。

 

お父さんに賃貸へ移り住む理解を得るのも一苦労したお話しにもお父さんの心情はお察しできます。

そりゃあ、嫌な気持ちになるでしょう。

簡単に了承できないこともありましょう。

 

それほど、家を持つというのはアイデンティティーの一部になるものなのですから。

 

結びとしまして。

意思の確認もさることながら、状況逆転のチャンスを掴む大事さも心に留めておいてください。


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【ご依頼のタイミングが人生の分岐点!大手不動産会社だから出来ない案件を解決。資産家案件での貸しを一般規模案件に活かすコンサルティング対応】

世の中には、不動産を担保にお金を貸してくれるサービスや制度があります。

資金使途が自由なものもあれば、事業資金として貸し出してくれるものもあります。

 

ただ、お金を借りる時というのは大概、返す時の条件を確認していないものです。

借り入れ先が金融機関の場合なら、そんなに支障は出ないでしょう。

 

ただし、街金・闇金と言われるところでなくても気を付けてください。

貸金業ではない一般有名企業が出資してくれる場合でも、驚くような条件を言い渡されることがあるのです。

 

今回はそんな、コンビニエンスストアの企業統合による突発的な出資でお困りだった方のお話しです。

 

≪目次≫

お客様背景

資金計画の確認

売却活動は、すんなりと。だが、しかし…

貸しを、頭を下げて使う

まとめ

 

お客様背景

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きっかけは、金融機関からのご紹介。

事業資金として不動産担保ローンでお金を貸しているお客様のお困りごとのご相談。

 

不動産担保ローンですと住宅ローンと違い、他の方がお金を貸して1番抵当権を設定していて、例え2番抵当権での設定となってもお金を貸してくれます。

 

この1番抵当権設定者(債権者)が、後に頭を抱える原因となるのです。

 

お客様は、その当時でコンビニエンスストアを2店舗経営しているオーナーさん。

どのコンビニエンスストアとは言いませんが、コンビニエンスストア企業同士による企業買収による影響で、当然に全店舗、内装変更工事をしなくてはならなくなりました。

 

この内装費用の捻出が、どうにもならなくなっているというのです。

 

資金計画の確認

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ご相談当初は、経営状態が芳しくありませんでした。

 

現金が期待できないからこそのご相談。

自宅売却でしかまとまったお金の準備が出来ないことが確認できました。

 

時間が余り無いとは言え、必要資金に到達するには不動産買い取り業者により取引価格では足りません。

 

不動産査定をしたところ、一般市場への売り出しで2,000万円が正当な価格であることがわかり、資金計画が成り立ちました。

 

コンビニエンスストアを始める際には、営業権を企業へ納めることになります。

これが500万円。(一番抵当権で登記)

 

次に事業資金で借りた紹介元である金融機関。

1,000万円。(第二抵当権)

 

そして、今回の目的である店舗内装費。

 

これらを差し引いても、少しは気持ちに余裕が出るお金が手元に残ります。

お客様からご快諾を頂き、売却活動へ。

 

売却活動は、すんなりと。だが、しかし…

前倒し

売り出しを始めると、意外にも直ぐに他社の不動産会社が買主様を見付けてくださいました。

 

相場で売り出すと、その妥当性は地域を理解している方ならば理解は早いものです。

買主様は、隣り近所の方が甥っ子さんに声を掛けてくださって見付かったそうです。

 

売買契約の締結もスムーズに事は運びました。

 

ところが、契約締結後に1番抵当権の債務者に連絡したところ、問題が出てしまいました。

 

抵当権抹消手続き書類の作成依頼に必要な期間の最終確認。

すると…

 

500万円の一括事前支払いが条件、と。

 

通常、金融機関からお金を借りた場合、債権者に残債額を返済した同日に抵当権抹消手続きを法務局に申請します。

その為、抵当権抹消手続き書類は事前に用意(作成)してもらうものです。

それが、お金をまとめて返してから書類を作成し始めるという話し。

 

書類作成に時間を要することは、当然に分かっていますので作成期間には十二分に余裕を持ったご連絡でした。

それが、事前払いの条件であることには胆が冷えました。

 

理由を伺い、交渉をお願いしても変わることが無かったからです。

金融機関相手ならば、他の金融機関の事例等で道は拓けます。

しかし、1企業内での規定となると独自性の主張は崩しにくいのが、弱ってしまうところです。

 

実績、経験といったものは、時に通常の手順では特殊案件ごとの穴により後手に回ることがあります。

 

自己フォローでは無いのですが、正直言えば、後手に回るのは仕方のないこともあります。

ですから、もしも、あなたが頼んでいる不動産会社が対処に後手に回る事態になっても、それ自体をどうか責めずにいて頂けたらとも思います。

 

大事なことは、後手に回ってもカバー出来るのか!?

ここだと思います。

 

貸しを、頭を下げて使う

銀行融資

抵当権が抹消できなければ、買主様からお客様はお金を受け取ることが出来ません。

 

とは言え、無担保で500万円も貸し出してくれる経営状況でもなければ、物件引き渡し予定日までの時間もありません。

不動産会社が直接お客様にお金を工面して、物件を借りてもらう、貸せるようにする、物件を買わせる、売らせることは違法営業行為です。

 

「とにかくお金を自分で用意してきてくれ」

と言って、街金・闇金に行かせるなんて言語道断です。

 

考えに考え、たった一人だけ、可能性を掛けられる人物に思い当たりました。

 

私の知人に、不動産業と金融業の認可を持っている者がいたのです。

これまで、幾度となく案件を紹介し売り上げ貢献もした間柄

 

お客様事情を説明し、私が頭を下げ、何とか500万円もの金額を貸してもらえることになりました。

さすがに、事情が事情ゆえに応じてくれましたが、今回の件を機に今後も甘えたいとは私は思いません。

先方にとって、ビジネスとして応じる必要があるものではありませんからね。

 

普通の不動産会社、特に大きな会社になればなる程に、応じられるものではないでしょう。

下手をすれば、担当者なり責任者なりの進退に大きな影響を及ぼす事案だからです。

 

これがクリアになったことで次に進むことが出来ました。

 

…そう、この事例の困難は、これだけでは無かったのです。

2つ、3つと同時に困難が起こったのです。

 

それはまた、次のお話しで。

【文化の違いは国だけではない。世代、立場、認識の違いも丁寧に。相続事前対策にも通じる不動産売買要件】

 

まとめ

いかがでしたでしょう?

お金を借りる時の確認事項の大切さや相談するタイミングの重要性は伝わってでしょうか?

 

今回の事例のご相談。

 

もしも、直接のお問い合わせだったら…

金融機関からのご紹介だったとしても…

 

私に話しが回って来た時に

「1番抵当権の抹消に事前払いが条件で、金融機関からお金が借りられないから。」

と言われていたら、請けていなかったでしょう

 

お金の借りどころを協力するお仕事ではありません。

 

では、なぜ、コラムに書いたのか?

それは…

 

●抵当権抹消には手続き書類の用意に時間が掛かること。

 

●物件を売却するしか、まとまったお金を用意できない場合のことを確認する。

(お金を借りる際に、返済時の確認事項の提唱。)

 

●毎月の返済義務が無かろうと、物件の売却と同時での返済対応が不可能な借り入れは、早期完済を目指すこと。もしくは、せめて無担保ローンでも借り入れ可能そうな金額(100~200万円)まで繰り上げ返済しておくこと。

 

●お金が枯渇してくる前に事実確認や計画を立てておくこと。

 

これらをお伝えしたいと思ったからです。

 

対応したことがあるから、同じ状況でどうにもならなくなったら相談してください、というニュアンスは一切含んでいません。

 

今回のような障害に見舞われ、誰も手立てが打てないことにならないように、早め早めの対処のお願い致します。

 

多くの案件をご紹介くださっている取引先からのお願いでもありました。

だから、相続事前対策ではありませんでしたがお請け致しました。

 

お金の工面も、一度きりであろうという暗黙の了解を汲んでの貸し出しでしょう。

 

この点を、何卒、ご理解くださいますようお願い申し上げます。


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専業主婦でも出来た5000万円の相続減税!3つのポイントを相続対策チーム統括がどこよりもわかりやすく解説

相続対策というのは、とても専門的で難しそうで、何から手を付けて良いのか、どこに頼むのが良いのか判断基準が持ちにくいものですよね。

 

相続対策は初手が大事です。

それを見誤れば、数千万円の損も簡単に起きてしまうものです。

投資と違い、得られるはずのものを失うのではなく、現金にして支払わなくてはいけないものです。

 

株などの相続の時点でいくらの価値になっているのか不透明なものを元手にするのは危険行為です。

だからこそ、見通しの付く手段を取っていきたいものです。

けれど、知っておくだけで変えられる結果もあります。

 

まずは、見極めるポイントを知って身の周りを整えていきましょう。

 

今回は、専業主婦の方が五千万円もの相続税の軽減に至れた事例を挙げながら話しを進めたいと思います。

 

3つポイントをじっくり確認すれば数千万円の減税は可能!

 

以下の3つのポイントを外さなければ、専業主婦でも5,000万円程度の減税は可能です

 

 項目をクリックしますと、その箇所までジャンプ出来ます。

 

順番に見ていきましょう。

 

接客担当者の人脈と人選基準を知っておく

減税には不動産や生命保険やファイナンシャルプランナー(FP)など人生に関わる分野の接客担当者との人脈が実は、非常に大切なんです。

でもやみくもに人脈を作るのもNG。

見極め方も大事です。

 

どういうことかというと、以下の事例でご説明します。

 

あなたにも出来る!はじめの一歩で5000万円の差が出た事例

【お客様の背景】

資産をお持ちなのは当時92歳のお婆様。

病院で過ごされており、不動産手続きをしようにも判断能力の有無を、職権のある有資格者との面会で診断してもらう必要がある状態でした。

 

相続対策のご依頼者は、お孫さん(長女)。

ご依頼者のお母様は既に施設に入られていました。

それゆえ、お婆様からは「お姉ちゃん(ご依頼者)がやってね。」と以前から頼まれていたそうです。

 

とは言いましても相続について勉強しているだとか、仕事などで相続における見識があったではありません。

お二人のお子さまがいらっしゃる専業主婦。

相談しようにも職場があるわけでもなく、何から手を付けていいのかさえも分からなかったそうです。

 

①接客担当者の人脈と人選基準を知っておくことの解説

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今回のお客様は何も分からないので、ご自身が加入している生命保険の接客担当者に相談したことから始まります。

これは正しい行動だと思います。

こういう時に声を掛けることをお勧めしたいのは生命保険の接客担当者です。

 

少しお話しは逸れますが、生命保険選びで欠かせない最も大事なことの一つは、接客担当者がどんな人脈をお持ちであるか?です。

生命保険会社で用意している専門家もいることでしょう。

しかし、その専門家が必ずしもお客様のことを第一に考えて回答を出してくれる保証はありません。

 

接客担当者が様々な出会いの中で、会社で用意されている専門家よりも信用に足る仕事の質の高さを認められる人がいるというのは、本当に頼もしいと思います。

 

昔から『優秀な生命保険の担当者こそ、万屋(よろずや)である』という認識があるぐらいです。

生命保険のプランは同じ会社内であれば、あなたという軸があるのですからプラン内容が大きく変わることは、まず、無いでしょう。

 

生命保険業に限らずではありますが、だからこそ、専門分野以外での対応力の幅の広さは同じ料金を支払っていても、人生において恩恵を受ける機会の多さが変わってくると思います。

 

同じモノを買うにしても、誰から買うか?

AIなどのテクノロジーが進むからこそ、大事にしていきたいですね。

 

話しを本筋に戻しましょう。

当初、私に相談されたのは不動産の売却が変なことにならないように見てほしいという内容でした。

 

お話しを伺い、配慮したほうが宜しいと思われる不動産以外の分野におけるアドバイスもしていました。

そうしたところ、お客様から「税や権利関係の手続きについて相続案件に強い専門家選びも一任したい」と仰ってくださいました。

 

結果、相続対策のチーム編成から各専門家の連携まで行なうチーム統括までお任せ頂けました。

 

誰が、仕事の質を高めるために、どういった日々を過ごしているか。

人生に関係するお仕事をされている方の目利きを、どうか大事にしてください。

 

②契約は解除を希望した場合をよく確かめる

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あらゆる分野において契約というものはメリット、デメリットだけを確認して契約するか否かを判断される方が多くいらっしゃるものです。

 

専門家の専門性を確認する時に大事なのは、契約解除の際のことを詳細に答えられること。

今回で言えば不動産管理会社とのサブリース契約。

その解除金の計算式と解除までの必要期間。

 

不動産の相続対策で肝心なものは、契約の解除となった場合のスピード感と具体的な処理方法だからです。

 

それをメモに残しても平然としていられることです。

つまり、言葉に責任を持てているかが分かるということです。

 

相続対策の足枷(あしかせ)となるサブリース契約に触れながらお話しします。

不動産においては特に、人任せはご自身の状況に合わせた舵取りが出来なくなるものです。

その一つのお話しです。

安易な賃貸運営で用いられる『サブリース契約』。

 

近年、大きな不祥事として大手不動産会社が世間を賑わせています。

当時NHKが特集を組み、大手不動産会社がある街一体の数々の地主に対して不誠実な建築計画を持ち掛けた番組を放送しました。

その中のお一人でもいらっしゃいました。

 

お客様は4棟のアパート経営をしていました。

しかし、大手不動産会社による建築とアパート運営を任せることとなるサブリース契約がなされていることがわかりました。

 

運営を任せているのに利益が出ていないので、資産の組み換えが第一優先でした。

 

不動産における資産の組み換え:利益を生んでいない物件(キャッシュフローが回っていない、キャッシュフローが成り立っていないなどの表現を用いられることが多いです。)を買主に利益が生まれる形で売って、その資金でキャッシュフローが見込める物件を購入すること。

 

サブリース契約先の不動産会社というのは対応が悪いものです。

例え、オーナーに利益を生み出す運営になっていなくても、です。

オーナーには利益がなくても、管理会社には毎月賃料の15%分の利益が入ってくる仕組みだからです。

 

今回の売却戦略の為に管理会社に物件資料の取り寄せ要請をしても対応が遅いものでした。

時にはお願いした資料の提供にも応じようとしなかったこともありました。

 

サブリース契約の解除要綱に従ったお願いをしても応じようとせず、契約解除に半年も掛かりました。

 

解除要綱が複雑であったかと言えば簡単なものでした。

解除要綱に従い、解除金を所有者が支払えば応じると定めてありました。

 

それでも100万円単位の即金を求めるもの。

地主と言いましても企業ではありません。

あくまで、消費者です。

 

100万円単位の即金を求めることが何を示すのかの想像は、どの方にも難しくないと思います。

 

ただ厄介だったのは、契約書の条文(約束事)の書き方が弁護士に見解を求めても、ややこしい言い回しをしていた点も作為的構成を感じるものでした。

 

ゆえに、こちらの事情や都合に合わせたペースでの折衝が思うようには進みませんでした。

 

先程の100万円単位の即金を求める契約書条項の意図するところは、契約解除を断念してもらう可能性を残しているということです。

 

契約解除の対応の引き延ばしも、この意図に沿っていることは明らか。

 

この章の冒頭にも挙げました『言葉(契約)への責任』があるならば、この対応は有り得なかったということです。

 

危うく数千万円の相続税の課税をされてしまうところでした。

契約の担当者が組織を代表する者かサラリーマンかでは、対応は歴然と変わるものです。

判断権限の差はトラブルや不測の事態にこそ表われるからです。

 

サラリーマンにとっては、自身の社内での立場や居心地を悪くしてまで契約先の方にどれだけの迷惑を掛けてしまうかなどの事情を、上層部に訴えかけるわけはありません。

 

もしも、このご相談が既に相続が発生した後であれば、完全にお客様「一族」が路頭に迷うことになったことは火を見るよりも明らかであるにも関わらず、です。

理解してもらえていたら、管理会社が定めた規定の即契約解除の方法で半年も時間を掛ける対応をするはずがないということです。

 

円滑に次のステップに進めるように状況を整えておくためにも、開始(契約)の際に手を打っておきましょう。

 

③取引相手からの見られ方も知っておく4d168a2a2143962c866bd5e1d79fc350_s 

相続対策を行なうということは、大きなお金の出費が掛かっています。

ですから、つい、納税の為の資金繰りでご自身の都合や希望を取引の相手方に強く求めてしまうことがあります。

 

相談を持ち掛ける専門家に対しては、基本的にそれで宜しいかと思います。

ただし、不動産取引は買主様がいてこそ成り立つものです。

 

その方の利益、安全性もまた確保した計画でなくては取引が成立しません。

その目線で仕事に携わる大切さが、ご相談者のお金だけではない利益ももたらします。

 

今回のご相談は、反面教師と尊い対応の両方が起こった忘れられないお仕事でもありました。

 

資産を組み替えるための不動産売却にあたり、管理会社が出してきた条件がありました。

その一つが司法書士の指定です。

 

当初は、管理会社が指定した司法書士は物件所有者であるお婆様の判断能力の有無の面談業務を二言返事で承諾していました。

 

ところが、建築費の借入先である銀行からはお婆様の判断能力確認の面談に、銀行の担当者も立ち会うことが条件になった途端、司法書士は面談業務を断ってきました。

 

多くいるものです。

不動産会社と物件所有者の親族だけの同席ならば了解する司法書士。

 

関係者は、どの人も物件を売りたいので所有者の判断能力が基準値に達していなくても、判断能力有りと承認を出せば有り難がってくれるからです。

 

けれど今回は、判断能力が無いのに物件を売ってしまえば責任を問われる銀行が同席。

司法書士が下手に承認を出せば、銀行から指摘を受けてしまい、最悪の場合、司法書士の資格はく奪や営業停止の処分も有り得ます。

 

基本的な仕事のスタンスは、こういった事態に顕著に表れるものですね。

 

結果としては、脳を活性化させ意識をしっかりと保てる可能性のある処置を家族の皆さんが行なったことで、銀行担当者による面談でありながら承認を得るに至りました。

 

これには、ご依頼者もお婆様も歓喜!

 

もしも判断能力が無いとなっていた場合は、後見人制度を適用させることになっていました。

その影響は相続税が五千万円も加算されることになるところだったのですから。

 

売り出す前からこれだけ苦労した物件です。

買主様探しも苦労したことを覚えています。

 

売却物件は築30年以上経過の木造アパート。

融資の返済期間と建物の構造は直接的な関係があります。

 

物件の構造によって耐用年数が決まっていて、『耐用年数-経過年数』の残存期間が不動産融資の返済期間になります。

返済期間が長いほど月々の返済額は安くなるので、キャッシュフローが見込めます。

 

木造の耐用年数は22年。

つまり、現金で購入を検討してくださる方にしか見向きもされないということです。

 

相続対策は、所有者の方がご存命の間に手続きをすべて完了しておかなくては損をしてしまうものです。

そして、人の命の限りは分からないもの。

 

悠長に構えていては、ご迷惑しか掛けません。

 

買主様探しでは、本当に人脈に救われたとしか言い様がありません。

『大家さんを守る会』の会長と直接の知り合いだったことで救われました。

700人以上の地主さん、不動産オーナーさんへ不動産経営の理解度向上を促す活動をされている方です。

 

その会長が事情をご理解くださり、物件価格の妥当性(収益の見込み具合の適正度)もご理解くださいました。

そして驚くことに、現金での購入は難しいからと言い、自らの自宅を担保に入れて金融機関から融資を起こし購入してくれたのです。

 

ご依頼者である売主様のメリットだけを考え買主様に損をさせるような「高く売ります!」と言うのは口が裂けても私は言いません。

 

高く売ることだけを優先された物件の買主の顛末は、私の人生を大きく変えてしまったのですから・・・

 

簡単に「自宅を担保に」とは言いましたが、金融機関の融資承認には3ヶ月も時間を要しました。

更にサブリース契約先である管理会社の契約解除承認に半年も掛かってしまったので、融資承認が下りてからも買主様には3ケ月間、何度も決済日を延長してもらうことにもなりました。

こんなお願いは一般の買主様ならば、とっくに契約破棄を言われても可笑しくないものです。

 

その他の所有地の売却においても、惜しみないご協力をしてくださいました。

不動産の下取り業者(買取業者)が購入検討もしてくれない立地の物件に対しても、「ちょうどアパートを建てて所有したかったんだよ。」と購入してくれたことも忘れられません。

 

様々な出来事やご協力の元、無事に相続対策も終えることができたこともあり、ご自宅でのお食事に何度も招いてくださいました。

 

お陰様でお子様ともたくさん話しをしていたこともあり、今でも毎年の年賀状には兄弟それぞれから一筆のメッセージが添えられていて、それもまた愉しみになっています。

 

いかがでしょうか?

相続対策の第一歩、見極める3つのポイント。

  • 接客担当者の人脈と人選基準を知っておく
  • 契約は解除を希望した場合をよく確かめる
  • 取引相手からの見られ方も知っておく

 

総じて大事なことは、自分ごととして捉えて人任せにしないこと。

 

自分の意思を伝え、相手の考え方や重きを置いているものは何かを知っていく。

こういったコミュニケーションが取れる関係性が築ける専門家であるかどうかを見ていくことをお勧めいたします。


相続税を安くするならこの事前対策をしておけばOK!

相続税対策で大切なのは~その1.トータルコーディネート~

皆さん、相続税対策をしようと思った時に思い浮かべるのはどんな専門家ですか?
最初に浮かぶのは、税理士さんか弁護士さんでしょうか?
さて、彼らにその対策をお願いして、十分な成果が得られるでしょうか?
と、その前に相続税対策に必要な範囲を考えてみましょう!

相続税対策では、相続税以外も必ず確認

まずは、税金でしょうか?相続税対策と銘打っているので、当然、税の知識は必要ですよね。
ここで注意しなければいけないのが、相続税対策して相続税は下がったけど、大幅に固定資産税、消費税や所得税が上がってしまってはキャッシュフローが悪化してしまい、財産を目減りさせてしまい、本末転倒になってしまいます。

相続税対策をするときも、同時に相続税以外のその他の税金にも目配せをしてトータルの税額を減らせないと本当の意味の対策にはなりませんよね!?

ですが、意外にこの辺の事を見落とされています。

相続税対策には法律も知らないと損をする!

次に相続税対策に必要な範囲としては、法律でしょうか?
法定相続人は民法により決まってますし、有効となる遺言の書き方等も法律で決まっています。
また、不動産を所有している方は相続後に所有者変更登記をしなければなりませんので、登記の知識も必要です。

高齢化社会ですから、後見制度や任意後見制度を使うこともあるでしょうから、それらの法的・実務的知識も必要になります。

相続の半分は不動産

その次は、不動産の知識でしょうか!?
日本人の資産家の財産の半分は不動産と言われています。
当然に不動産を使った節税=相続税の低減は必要ですが、矛盾することが起きる可能性があります。
先日、こんな税理士さんに出会いました。
相続税が下げられるという理由で滋賀県の利回り12%のアパートを売りまくっていました。
その物件の詳細を見ると、主要駅から近いわけでもなく、正直、今後、資産価値が上がることが望めないものでした。

日本の現状は少子高齢化を向かえ、建てれば入る時代は終わってます。
もしアパートを購入するならば、その日本の状況でも生き残っていける条件のものを買わないと意味がありません。

確かに相続税は下がるでしょうが、資産価値のないアパートを買うことで後程、処分にも困ることがクライアントに取って良いことでしょうか?

つまり、この矛盾は、相続税は下がったけれど資産価値のない不動産を手に入れてしまったことです。

これは、笑えない現実で日本のあちこちでこの手に引っかかっている人が続出しています。

相続税対策に不可欠な生保・信託

その次の相続税対策の範囲は、金融です。
相続税の納税資金として生命保険を活用したりします。
また、法的な部分とも絡みますが、信託を使った仕組みを利用します。

法人と財務の処理

最後の範囲に法人や財務です。
資産家の方は得てして、法人を所有しているケースが多いです。
その時に、事業承継、株価、財務の知識が必要となります。
世に言う相続税対策は各専門家が勝手な事を言い、勝手な対策をし、結果、バラバラな対策で調和が取れず、クライアントに取って、あまり良い成果が出ないものばかりが出回っています。

相続税対策をするには、どんなことがあってもトータルコーディネートできる専門家にお願いしてください。
そうじゃないと必ず、失敗します。