聞き分ける

投資用新築ワンルームマンション 4つの聞き分けポイント

投資用不動産の勧誘電話の後編です。

前編は、こちら『投資用新築ワンルームマンションの勧誘電話。ルールや規制、撃退方法とは?』

 

あなたは、投資用不動産の勧誘を電話とは限らず、対面でも営業を受けたことはありますか?

投資用不動産と一口に言っても、新築と中古で大きくその主旨、目的、効果、利益は違います。

 

今回は、投資用新築ワンルームマンション営業のチェック項目と解説です。

それをもって、せめてどんなことには気を付けながら物件を選べば良いのかのヒントにしてください。

 

≪ 目 次 ≫

4つの聞き分けポイント

キャッシュフローは?

節税の実態

不動産価値の担保

空室リスクと収支計画書

抜け出せなくなると…

 

4つの聞き分けポイント

●✖

不動産投資で最低限、理解とチェックをしなければならないことは、以下の4つです。

基本中の基本です。

 

不動産経営が一般の方が最初から最後まで、ひとりで行なうのは危険だと言われる要素。

 

1.キャッシュフローは?

2.節税の実態

3.不動産価値の担保

4.空室リスクと収支計画書

 

ひとつずつ見ていきましょう。

 

キャッシュフローは?

キャッシュフロー

日曜日の夕方、事務所の電話に掛かってきた名古屋の市外局番。

 

出てみると…

不動産会社(以下、不)「私ども投資用不動産会社でして。」

「今回、ラッキーな掘り出し物件が出ましたよ!浅草で2,600万円の新築マンションのワンルームです。買い時ですよぉ。」

「…。私、(不動産の)プロだから買わないよ?」

 

「いやいやいやいやいや・・・、これはですね、プロとか関係ないですよ。」

「利回り3%あって、団信も使えますから!」

「儲かりますから、お得ですよ。」

 

前編でもお話しした通り、儲かることを断定的に言うのは消費者契約法に抵触します。

この時点で、まともな会社ではないと判断できます。

前編の復習です。

 

「利回り3%?借入したらさぁ…ローン組んで、管理費と修繕積立金を払って、キャッシュフロー回らないでしょ?浅草で2,600万円て、高いよ。」

 

【解説】

キャッシュフローとは、実際に得られた収入から、外部への支出を差し引いて手元に残る資金の流れのこと。

年間の純利益額が、どれくらいあるのかチェックです。

 

物件価格  2,600万円

住宅ローン 0.525%

借入期間   35年

年間返済額 81.3万円

年間賃料  78.0万円

これだけで年間で手元に残る利益は、3.3万円。

 

ここから、少なくとも管理費と修繕積立金を引いていくわけです。

管理費や修繕積立金が幾らなのかは、不明ですね。

では、3.3万円を12ヶ月で割ると、1ヶ月あたり2,750円以上掛かれば赤字が確定です。

 

・・・無理ですね。

何かあった時の不具合や故障、メンテナンス工事費用は、どうやって用意をするのか。

ましてや、修繕積立金は10年周期や15年周期で段階的に値上げすることは、すべての分譲マンションで新築時から決定しています。

それが『長期修繕計画書』です。

 

さすがに、この説明を電話でしたわけではなく、先方からの回答はどのようなものになるのかと待ってみました。

すると…

 

「え~っと・・・ちょっと待ってくださいね。」

もう、しどろもどろ。

 

新人だったみたいです。

上司と電話交代。

 

節税の実態

Stock price declining

Stock price declining

「すみません。下の者が分かっていなかったみたいで。」

「新築マンションですから固定資産税は3年間の軽減税率があってですね…」

「だから、キャッシュフロー回らないでしょ?」

 

「不動産投資っていうのは、そういう目的で買うんじゃないんですよ!」

「保有しておいて売却する手もあるんです。今回の物件は損も出ないし、節税にもなりますから。」

 

「節税って言ってる意味わかる?節税って赤字だって言ってるってことだよ?(笑)」

 

【解説】

節税が意味する基本から解説していきましょう。

税は、年収によって税率が上がっていきます。税率で区分けされた範囲を『テーブル』という表現をします。

年収を、不動産投資などによる赤字を積み重ね、テーブルの段階を1つでも2つでも下げることで税の還付を受けましょう、というのが節税です。

 

年収に赤字という悪影響が出ないと節税はできません。

だから、キャッシュフローが回らないと言っている、と私は言ったのです。

 

ちょっと計算してみましょう。

例えば、年収1,000万円の方の場合

税率33% 控除額1,536,000円

1,000万円×33%-1,536,000円=1,764,000円

 

しかし、確定申告で不動産による赤字で年収850万円になったとします。

税率23% 控除額636,000円

850万円×23%-636,000円=1,319,000円

 

1,764,000円-1,319,000円=税還付 445,000円

月平均にならせば、1ヶ月あたり37,083円の還付

 

ローンが完済すれば、私的年金として毎月賃料がほとんど入ってくる。

これが、不動産業者は言いたいわけです。

 

でもこれには、気を付けなければならないことがあります。

それは、収支計画書の章で解説します。

 

もっと気を付けなければならないのは、900万円以下の年収の場合です。

 

年収500万円の人が毎月3万円 年間36万円の赤字を計上しても、税率のテーブルは変わらず20%です。

500万円×20%-427,500円=572,500円

464万円×20%-427,500円=500,500円

572,500円-500,500円=税還付 72,000円

 

税のテーブルが変わらないというのは、こういうことです。

毎月の出費の2ヶ月ちょっとしか税還付は受けられません。

税率のテーブルを変えるために、幾つもワンルームマンションを買わされるケースもあります。

 

団体信用生命保険があるのだから、保険料と比べれば破格の出費で私的年金、もしくは、万が一の時には家族に資産を残せる、と甘い言葉を投げ掛けてきます。

 資産形成の基本にも立てていない理論に耳を傾けてはいけません。

 

不動産価値の担保

10601355 - value

10601355 – value

「売却だって将来、幾らになるかなんてわからないでしょ?」

「そんなことないです。浅草の一等地ですから値下がりしないんですよ!」

 

「何、言ってるの?車もそうだし不動産も同じで、新品というのは買った瞬間に価値が下がるんだよ。欧米とかと違って、日本では中古の価値っていうのは3割下がるんだよ。」

 

「あなた、それでもプロですか!?」

「そもそも投資と言うのは、買ったものの価値なんですよ。保てるかなんですよ。」

 

「さっきも言ったけど、平均3割の価値が落ちるもので…仮に値下がりが2割だとしても不動産投資は普通、築10年落ちがコスパも良いっていう統計があるんだよ。知ってる?」

「利回り、キャピタルゲインにしてもおかしいよ?」

「どっちも大丈夫です!!損が出ないので。」

 

【解説】

大きな買い物であればあるほど、新品価格というものは大きな金額になるものです。

この差額こそ、完済前に売却する時にローンの残債と売値の差額と思うぐらいで、ちょうど良いと思います。

 

頭金なし、諸費用要らずなどの手を出しやすい謳い文句はありますが、そのツケは売却の際に、預貯金から差額を支払わなければならないという形で返ってきます。

ここを知らずに買わされてしまう方々が多いのは、忍びない話しです。

 

完済後の賃料収入が目的なのだから、途中で売ることになんかならないと思い込んでしまっているからです。

 

キャピタルゲインとは、買った時より売った時の価格が上回った際の差益のことです。

これについては、誰にも未来の価格は決められないという当たり前の話しです。

 

一等地だから値が下がらない?

千代田区、中央区、港区でも一等地はすべて、地価が変わってないとでも?

成人している方なら誰でも分かる答えでしょう。

 

こういうことを平気で口にしているということです。

投資といって、上がるか下がるかに賭けた時点でギャンブルです

それは投資ではなく投機です。

 

機会、タイミングにお金を張る話し。

論外です。

 

空室リスクと収支計画書

空室

「じゃあさ、空室リスクについては?3ヶ月は空くことを想定しなきゃいけないよね?」

「それも大丈夫です。間なんて空きません。絶対に有り得ませんから!」

「それこそ、無理でしょ。部屋を見ないで決める人なんて、そうそういないんだから。」

「そんなことはないんですよ。これまでも他の物件では決めていますから!」

 

【解説】

賃貸募集の業務経験が無い人間は、必ずこの言い方をします。

先方の言い分が現実には不可能である理由があります。

 

まず、このお話しはサブリース契約が無い前提です。

サブリース契約とは、不動産会社などが借主となり賃貸借契約を結び、借主が一般の方に向けて入居募集を行うので、例え空室でも賃料は契約書通り入ってくるというものです。

 

このサブリース契約、不動産会社や管理会社(借主となる法人)によってはサービス適用から3ヶ月は賃料が所有者に入ってこない契約内容のものもありますから、気を付けて頂きたいです。

 

この契約が無ければ、当然に退去から次の入居までは賃料が入ってきません。

更新を機に退去していくことは新築時の入居者でも珍しくありません。

 

収支計画は、自分に都合の良い甘い考えで立ててはいけないもの。

入居募集開始から実際に賃貸借契約を締結して賃料発生に至るまで、2ヶ月は空くものとして計画をするぐらいが現実的です。

 

空室になった次の日に入居ができると思いますか?

いつ部屋を見るのか?

見ないで決まるのは、築何年後の物件まででしょうね?

入居していた期間が長いほど修繕箇所はあって当たり前。

修繕箇所が無くてもクリーニング作業は必須。

 

並べ立てれば、空室期間が1日も無い収支計画を完済までの35年間続くと思うことは、賢い計画でしょうか?

 

私には、到底お客様に提案できる内容ではないですよ。

どれだけの信用を失う話しでしょう。

想像するだけで、ゾッとします。

 

収支計画といえば、完済後の私的年金になるという目的の方にお伝えしたい経費項目があります。

 

それはリフォーム費用です。

修繕費用ではありません。

35年間、設備機器などを交換しない計画をされていませんか?

長くても15年に一度、フルリフォームは必要になると思ってください。

 

そのお金、どこから捻出する予定ですか?

キャッシュフローを見るというのは、経費のすべてを物件収益でまかなえるか?

 

毎月がマイナス収支なうえに、フルリフォームを完済までに最低でも2回する経費が掛かることは見越した収支計画書なのかというのは、とても大事だと思います。

 

最後に、35年後の賃料って幾らでしょうね?

築35年の入居募集って、簡単だと思いますか?

 

これまでのことを考えると、お話しになりませんね。

これ以上、電話に付き合ってもまた「あなた、プロですか?」呼ばわりをされるだけ。

 

「あなたじゃ話しにならないから、社長だして。」

さすがに、相手はビクッとしてましたね。

目に見えるように伝わってきました。

 

「分かりました。もう掛けませ~ん!」ガチャッ…

 

抜け出せなくなると…

抜け出せない

節税という言葉は、好きな方、弱い方はたくさんいます。

こんな事例があります。

 

仕事は医者。

10年間、投資用新築ワンルームマンションを購入し続けて、6物件を所有。

すべての物件が毎月マイナス収支で、修繕などの経費もかさみ、ついに生活におけるキャッシュフローが回らなくなってきたという相談。

 

手立ては2つ。

破産手続きか任意売却

任意売却ならば、売っても半分残ってしまう残債については金融機関と返済交渉をして返し続けることになります。

 

それでも、今の毎月の出費と比べれば。

「今なら、この程度で済みますよ?」

 

最後の決断は相談者にあります。

他に手立ても、活路も無い中で相談者が下した決断は…

 

「不動産価値が上がるかもしれないから、様子を見ようと思います。」

 

地価公示が上がる要素もない。

上がっても、土地の取り引きではないので価格に大きく影響することも無いんです。

 

究極の痛みにならないと決めないのかも知れないですね。

 

他にも、50代の公務員の一般男性。

京都の好立地だから儲かると言われ物件を買ったものの、その物件の維持に給与を注ぎ込んでしまい、困ってしまっていると。

 

冷静になってください。

どんなに一等地に建っていても、建物の価値は年々落ちていきます。

先にも言った通り、修繕積立金は段階的に上がっていきます。

けれど、毎月の返済額は一定なんです。

 

想像できましたか?

 

今は不景気ですからローンは、最低利率。

利息はいつか上がるでしょう。

 

こうして、不動産の価値と不動産の借金の開きは埋まらない現実が生まれます。

 

「繰り上げ返済があるじゃないか?」ですか?

最低金利のお金に対して、それを行なうのは、ちょっと…

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

投資用新築ワンルームマンションの営業トークと知っておきたい聞き分けポイントは。

 

1.キャッシュフローは?

2.節税の実態

3.不動産価値の担保

4.空室リスクと収支計画書

 

相続対策で投資用不動産による節税と、投資用新築ワンルームの節税は意味も目的は全く違います。

投資用不動産としての違いは、また別のお話しで触れることにしましょう。

 

今回、お伝えしたいことである『不動産経営は本やネットにあるテキストだけでは現実に決して追いつけない』、ここはお分かり頂けましたでしょうか。

 

実務経験のない方が、株やFXのように数字や傾向だけで運営するにはリスクが高過ぎる由縁です。

 

不動産経営には時に、人に仕事をお願いする必要も出てくることもあるでしょう。

その為にも、キャッシュフローが何よりも大事です。

 

先立つものが物件から得られていないのならば、不動産という本来 資産であるはずの存在が足枷(あしかせ)になり、普段の就労収入に手を出さなければ回らなくなるという事態になります。

資産本来の『お金を殖やす、稼ぐため』という目的に沿ってお金のチェックをしてください。

 

楽しくも胸を張れる不動産経営者になってほしいと思っています。

 

不動産オーナーのおかげで、街に人が集まり、残り、はじめて街は活気と発展に至れます。

不動産は、確実にどなたかの人生を支える場所の提供という素晴らしい活動から、糧となるお金を頂戴している事業です。


勧誘電話

投資用新築ワンルームマンションの勧誘電話。ルールや規制、撃退方法とは?

あなたは、投資用不動産の勧誘電話が掛かってきたことはありますか?

 

投資用不動産のすべてが損を招くわけではないことは言うまでもありません。

それでも、投資用新築ワンルームの営業の、あまりの杜撰(ずさん)な対応にはマイナスイメージを持たれても仕方ないと言わざるを得ない実態です。

 

今回は、私が実際に受けた勧誘電話のやり取りをもって、聞き分けポイントが身に付くようにしたいと思います。

 

前編は、勧誘電話におけるルールや規制、撃退方法や相談先について。

後編は、セールストークがなぜ損や借金地獄に巻き込まれることになるのか?

 

どちらも知っておくことで、不動産投資の入り口や運営のコツに繋がったら良いと思います。

 

≪ 目 次 ≫

2つの営業電話を規制する法律

勧誘電話の内容

法に抵触していないか?

 

2つの営業電話を規制する法律

規制

 

 

 

 

 

 

 

1.宅地建物取引業法

2.消費者契約法

 

言ってしまえば、この『基本中の基本を知らずに話せる人間だけが電話勧誘は出来る』という身も蓋もない結論を、まずはお伝えします。

 

【宅地建物取引業法】

これは、電話を掛けたこと自体で迷惑を掛けていないか?

この観点が規制の根底です。

 

電話勧誘で該当する箇所としては、こちらの3点です。

 

・勧誘に先立って宅地建物取引業者の商号又は名称、勧誘を行う者の氏名、勧誘をする目的である旨を告げずに、勧誘を行うことを禁止

 

・相手方が契約を締結しない旨の意思(勧誘を引き続き受けることを希望しない旨の意思を含む。)を表示したにもかかわらず、勧誘を継続することを禁止

 

・迷惑を覚えさせるような時間の電話又は訪問による勧誘を禁止

 

宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号)第47条の2第3項に基づき、同法施行規則第16条の12において、宅地建物取引業者等の勧誘行為について、相手方等を困惑させることが禁止。

 

上記のことを現実的な対処の順番で簡単に言えば

  • 会社名、宅地建物取引業の免許番号、電話相手の氏名を聞く(メモをする)
  • 夜や朝など、迷惑な時間帯と感じたら、その旨を伝える
  • 別の担当者からの電話でも、一度、断ったのなら、その旨を伝える

こうなります。

 

話しを聞いていて、おかしな言い回しについても知っておくと良いと思います。

それが、消費者契約法です。

これは、業界を問わず適法されるものなので、覚えておくと良いです。

 

【消費者契約法】

これは、意図的に勘違いを起こさせていないか?

正常なる判断の元で本人の意思をもった契約なのか?

この観点が規制の根底です。

 

消費者・事業者間の情報や交渉力の格差是正を目的として、平成13年4月1日より施行された比較的新しい法律。

事業者の不当行為(不当な勧誘、不当な契約条項)があった場合、消費者は契約の取り消しや契約条項の無効を主張できるとあります。

 

不当な勧誘・誤認・ 断定的判断の提供(4条1項2号)

消費者契約の目的となる、将来確実に財産上の利得を得られるかどうか、判断し難いものについて断定的であるかのような判断を提供した場合が法に抵触するということです。

 

※例えば、「絶対に・確実に・間違いなく儲かりますよ。」などと言われ、契約してしまった場合には、契約の取り消しができます。

 

取り消しには期限が設けられていることにも気を付けてください。

消費者が事業者との契約に違法性があり、契約を取り消すことができることを認識したときから1年間。

もしくは、契約締結から5年間です。

 

ここは抑えておきましょう。

 

もしも、迷惑行為があった場合の相談先は下記になります。

 

【相談先】

国民生活センター

公益社団法人全国宅地建物取引業保証協会

こちらに連絡をしてください。

 

ちなみに…

「こんなはずじゃなかった…」

これは、運用・運営といった時間の経緯の中で生じた不測の事態。

販売元、仲介不動産会社への訴えは難しいものであると認識しなければいけません。

 

投資は自己責任の元で行なうこととする考え方を否定しまいます。

そうなってしまうと収集がつかなくなります。

 

すべての投資商品において、少しでもマイナスになった時に、その責任を業者が負わなければならなくなってしまうことを想像し、理解してもらえたらと思います。

 

弊社は、投資不動産の仲介がメインの会社ではありませんので擁護するつもりは無いんですが、身の守り方のひとつの情報として書かせて頂きますね。

 

では、実際に私が受けた電話内容に沿って、上記2つの法令に抵触していないかを確認してみましょうか。

 

勧誘電話の内容

営業電話

日曜日の夕方に事務所の電話が鳴りました。

平日なら電話転送会社を通す流れですが、日曜だったので直接対応。

 

ディスプレイを見やると名古屋の市外局番。

 

誰だ?名古屋の仕事は、今は…無いな。仕事の依頼?

出てみるか…

 

不動産会社(以下、不)「私ども投資用不動産会社でして。」

 

電話営業か…と思いもしましたが、暇つぶしに付き合ってみることにしました。

求めてもいない事で営業掛けられることなんて、ほとんどありませんから。

 

どんなトークをするのだろう?

 

「今回、ラッキーな掘り出し物件が出ましたよ!浅草で2,600万円の新築マンションのワンルームです。買い時ですよぉ。」

「…。私、(不動産の)プロだから買わないよ?」

 

「いやいやいやいやいや・・・、これはですね、プロとか関係ないですよ。」

「利回り3%あって、団信も使えますから!」

「儲かりますから、お得ですよ。」

 

「利回り3%?借入したらさぁ…ローン組んで、管理費と修繕積立金を払って、キャッシュフロー回らないでしょ?浅草で2,600万円て、高いよ。」

 

「え~っと・・・ちょっと待ってくださいね。」

もう、しどろもどろ。

 

新人だったみたいです。

 

上司と電話交代。

「すみません。下の者が分かっていなかったみたいで。」

 

ここから理屈もなく強気なだけの言葉攻めをされることに。

「新築マンションですから固定資産税は3年間の軽減税率があってですね…」

「だから、キャッシュフロー回らないでしょ?」

 

「不動産投資っていうのは、そういう目的で買うんじゃないんですよ!」

「保有しておいて売却する手もあるんです。今回の物件は損も出ないし、節税にもなりますから。」

 

「節税って言ってる意味わかる?節税って赤字だって言ってるってことだよ?(笑)」

「売却だって将来、幾らになるかなんてわからないでしょ?」

「そんなことないです。浅草の一等地ですから値下がりしないんですよ!」

 

「何、言ってるの?車もそうだし不動産も同じで、新品というのは買った瞬間に価値が下がるんだよ。欧米とかと違って、日本では中古の価値っていうのは3割下がるんだよ。」

 

「あなた、それでもプロですか!?」

「そもそも投資と言うのは、買ったものの価値なんですよ。保てるかなんですよ。」

 

「さっきも言ったけど、平均3割の価値が落ちるもので…仮に値下がりが2割だとしても不動産投資は普通、築10年落ちがコスパも良いっていう統計があるんだよ。知ってる?」

 

そうするとまた

「あなた、本当にプロですか?」

 

喧嘩売るんですね、こういう電話営業は。

そこにも驚きましたね。

強気を証拠にしたいだけなんでしょうが。

 

理屈、理論が破綻しているので、こちらは何も動じませんけども。

 

「利回り、キャピタルゲインを狙うにしてもおかしいよ?」

「(年間収支もキャピタルゲイン)どちらも大丈夫です!!損が出ないので。」

 

「じゃあさ、空室リスクについては?3ヶ月は空くことを想定しなきゃいけないよね?」

「それも大丈夫です。間なんて空きません。絶対に有り得ませんから!」

 

「それこそ、無理でしょ。部屋を見ないで決める人なんて、そうそういないんだから。」

「そんなことはないんですよ。これまでも他の物件では決めていますから!」

 

賃貸募集の業務経験が無い人間は、必ずこの言い方をします。

先方の言い分が現実には不可能である理由は、後編で説明させて頂きますね。

 

「あなたじゃ話しにならないから、社長だして。」

さすがに、相手はビクッとしてましたね。

目に見えるように伝わってきました。

 

「分かりました。もう掛けませ~ん!」ガチャッ…

 

法に抵触していないか?

ルール違反

先にも書かせて頂きましたが、絶対に儲けられる、絶対に価値を維持できる。

この謳(うた)い文句は、消費者契約法に抵触するとあります。

 

不当な勧誘 誤認  断定的判断の提供(4条1項2号)

消費者契約の目的となる、将来確実に財産上の利得を得られるかどうか、判断し難いものについて断定的であるかのような判断を提供した場合。

 

言い回しで既にアウトです

言い分の理屈、理論以前の問題だということです。

 

先ほどは相談先として、国民生活センターと公益社団法人全国宅地建物取引業保証協会を挙げました。

弁護士に相談に行くことは、お勧めしません。

不動産の専門家でもなければ、不動産会社にストップを掛けたり営業停止などの痛手を負わせる手立てにお金が必要になるからです。

 

上記2か所は、無料で営業行為への罰則を与えることが出来ます

あなたが相談することで他の方が嫌な目に遭わなくなったり、借金地獄の人生にされる可能性を無くすことだって出来ます。

 

相談したことで、あなた個人を特定されて仕返しがくることもありません。

そもそも似た手口でしか勧誘電話をしていないので、あなたを特定のしようがありません。

 

まとめ

今回、営業電話に付き合ってみて思ったこと。

 

あんまりにも強気なんで「プロでも騙されたりするんだろうな。」と思いますよ。

一般の方は、まともに付き合ったら騙されますね。

 

いかがでしょうか?

勧誘電話に対する規制と、実際の営業トークは。

 

不動産経営を理解している人からすれば、「こんなことも答えられない電話営業マンいるよ、いるよ(笑)」となってしまう内容です。

 

まともに電話に付き合って、言い負かす必要は無いと思います。

営業トークのルールを理解して、まともな営業マンを通じ、キャッシュフローの回る良い物件を手にして頂けたら幸いです。

 

後編は、この口車に乗ると、どんな顛末が待っているのか?

先ほどの会話を要所ごとに区切り、不動産運営に活かせる解説し、他の事例も挙げながらお話し致します。


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魅せ方ひとつ!自分で利回りは作れるもの『賢い不動産投資のヒント』

『不動産投資』

この言葉には、『不就労所得』という甘美な響きから手放しで儲けられるものと思っている方は多くいらっしゃることでしょう。

 

手放しで儲けられる物件を探そうとした結果、失敗される方もいれば、今回のお話しに出てくる方のように、『手掛け方』を知っていることで利回りを自分で倍以上にしている方もいるんです。

 

今回は、不動産投資のちょっと違った視点を知ってもらうお話しです。

 

ご依頼内容

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クライアントとご縁を繋いでくださったのは、与野の司法書士さんからでした。

それまでにも3件ほどお仕事をご紹介してくださった間柄。

 

「相続した区分マンションを売りたい。」と。

 

物件の所在地を聞いて、クライアントの気持ちを納得しましたね。

 

埼玉県にある宮原駅。そこからバスで15分。

築40年。全8戸。

区分所有の分譲マンションではあるけれど、見るからにアパート

 

壁には、クラック

屋上の貯水タンクは割れている

 

管理費や修繕積立金の設定も無い

そのマンションの2戸を、空室の状態で相続したクライアント。

 

あなたにも、もうクライアントのお気持ちはお解りいただけたことでしょう。

不動産投資が分かっていなければ、所有していても不安が募ってしまいますよね。

 

一般市場から特定市場への働きかけ

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「売りたい」と言われても、一般市場に売り出したところで成約に導くのは、至難の業(わざ)。

…を通り越して、もはや時間を浪費するだけになり兼ねません。

 

そうなると、次に考えることは、再販売を目的とした不動産買い取り専門業者への売却です。

売却価格が下がろうと、クライアントにとって所有し続けるデメリットの方が大きいことが分かっていましたので。

 

…が、こちらも幾つもの業者に電話をしても

「ムリ!」

 

取り引きの有る業者に声を掛けても「買えるわけないじゃん。」

 

……

 

分かっていても凹むものは凹みます。

 

こうなりますと、望みはかなり薄くなりますが『特定市場』に移行するのが良策です。

同マンション内の所有者

隣接地の所有者

 

この物件を理解しているから価値を感じて頂ける方ですね。

存続や継続の理由が『体感』として分かっている人は、特別な価値観で理解してくださるんですよ。

 

マンションの場合、まずは他の区分(部屋)の所有者について調べます。

 

どうするのか?

 

登記簿謄本の取得です

他の6戸分の謄本をすべて取得しました。

謄本には所有者の住所とお名前が記載されています。

 

すると、1階の部屋を3年前に購入している方がいることが分かりました。

どうやら現金で購入している模様。

3年の間に売買も賃貸も市場が大きく変わる地域ではありません。

 

社名で登記されていましたので、所有者の背景が事前に分かったのも有り難かったです。

電話でお話しした時に、先方の賢さに合点が直ぐにいくことが出来たのですから。

 

広告会社を経営している方でした。

行動と効果の見通し、予算と利益の数字的根拠と決断力が高かったですね。

 

クライアントの事情説明にも、その場でご理解を示してくださいました。

購入のご意向も示していただいたので、すぐさま商談に移行。

 

まずは正直な希望金額で打診。

「この物件は、1階ではないので200万円で買いませんか?」

 

「100万円かな?」スパっ!

即答でした。

 

買い取り専門業者にも断られていたのでこれには内心

「運が良い!!」とさえ思いましたが…

 

わざと渋い声で「う~ん」と悩む声を。

 

大事なことは、私の所有物ではないこと

本当に購入を前提とした価格交渉であること

この2点を確認すべく、購入申込書の取り交わしをもって話しを進めさせて頂きました。

 

FAXにより購入申込書の交付をお願いすることで、直ぐに動ける手はずを整えました。

 

素早い決断。

そして、書面の取り交わしという行動による意思表示。

そこに感謝と敬意を込め、クライアントへの交渉は買主様の意向に添えるよう協力させて頂くことを約束して、その日のやり取りを終えることとしました。

 

買い手の見ている数字的メリット

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立地条件も、物件状況も決して良いとは思えないご依頼物件。

どうして買主様は即決で決めることが出来たのでしょうね?

 

お待たせしました。

今日のメインのお題でしたね。

 

本当に買ってくださるかの確信も持てずに

折角お話しできる機会を得た会ったことも無い方との電話を切ることほど

怖いものはありません。

 

どういった目線で3年前に、このマンションを買おうと思ったのか?

そもそも、どういった戦略をもって不動産投資を行なっているのか?

ここを確認しておくことが大事です。

 

例え、お仕事を頼まれたクライアントが売主の立場の人であろうと、次の所有者が明らかな損をするような取り引きに手を染めるワケにはいきません。

 

クライアントへの確実な相談結果のご報告と、自分自身への仕事の信条のどちらも満たすことが気持ち良い仕事と言えます。

 

まず、この買主様は買った物件をそのまま貸し出せる物件に手を出さない

そういう戦略を好む方でした。

このマンションのお部屋だけではなく、幾つもの区分マンションを既にお持ちだとか。

 

どの物件も地方物件を含め、一見、『入居募集も大変そう。入居しても長く住んでもらえ無さそう。空室リスクは高そう。』な物件ばかりを見付けては購入していました。

 

安く現金買いで手にして、ちょっと内装工事をして見た目と住み心地を整え、付加価値を付けることで真っ当な賃料に戻して賃貸に出す、というものです。

 

安い物件は売主が弱気になり易く、現金で買うとなれば今回のように半値にまで下げてもらえることも珍しくありません。

 

さて、数字で買主様の目算をご案内したいと思います。

 

現在1階のお部屋を賃料6万円で貸し出し中。

今回、1部屋 50万円で購入。

1部屋 20~30万円で内装

 

欲を張らなければ今回も6万円で賃貸。

内装工事費30万円としても5ヶ月で回収

さらに1年足らずで購入費も回収

 

利回りの計算式は、こうなります。

年間賃料72万円÷購入費(内装費込)80万円

 

利回り90%が2部屋も手に入るんです。

 

売却する時には、入居した状態で売却すれば大宮駅付近ならば利回り15%も見ておけば成約も早いでしょう。

 

内装が仕上がったばかり頃に写真を撮っておき、販売図面に載せれば物件を見なくても売却が円滑に進みやすくなります。

 

将来的な売却ですから、利回り15%でも賃料の下落は見ておくとして…

賃料 5万円でも

年間賃料60万円÷利回り0.15

売却は400万円になりますね。

 

購入資金80万円は、1年半で回収済み。

その後は、賃料がずっと丸々純利益として得られています。

 

こういったシミュレーションが瞬時に出来れば、チャンスを逃がすことなく利益に転換できますね。

 

不動産投資でローンを組むにしても、元手となる資金は頭金も含めて必要です。

同じお金を支払って、借金を作って毎月の利益額を少なくするか?

現金購入をして、素早く元手を回収し収益を生み続けるか?

 

好みに分かれるところですが、一つの視点として挙げてみました。

 

出口戦略は数字だけでは実現しない

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ここまでシミュレーションが出来ていると、どうしても浮足立つ人がいるものです。

大事なことは、数字を現実に落とし込むことです。

 

数字に間違いはないですし、空室リスクを見越してもいますので失敗はしないでしょう。

この買主様は、他の物件で『不動産屋とは?彼らに動いてもらうには?』

この経験も積まれていることでしょう。

 

そう、賃貸にしても売却や購入にしても『専門家に動いてもらいやすくする算段』が必要です。

 

そこには、経費として見込んで使わずいるお金の考えもまた、持っていなければいけません。

経費枠…

 

教科書のような不動産経営テキストには載せられない『実態に則し、活かす知恵』を、いつ手にするか、ですね。

 

物件の特性、条件、状況に応じて使い分ける必要があります。

だからこそ、今回の買主様のように『自分は、こういった物件にだけ手を出す。なぜなら、自分で考えて判断できる得意分野であるから。』と決めておくのが良いでしょう。

 

専門家の見極め方で何度もお話ししていますが、一般消費者にも同じことが言えるんです。

自分の特化したいことが明確、鮮明に相手に伝われば、良い知らせが舞い込むということです。

 

≪知る≫大切さ

決して不動産投資は『何もしないでお金が入ってくる』不就労収入ではない、と大前提を置いてください。

 

それを放棄した瞬間、誰も買わない損だけを生む物件情報を信用していた関係筋から紹介されることがあります。

 

「これまで、とても良い物件情報ばかり紹介してくれたから…」

そんな理由を抱えて相談に来る方が、後を絶たない現実はお伝え申し上げます。

 

不動産投資で大事な要点は、『あなたが、指示出しできたら想像は実現する』

そう思ってほしいですね。

 

あなたにも、入居者にも手厚い利益をもたらす不動産投資となることを願っております。


相続税を安くできない?不動産投資7つの罠:その3.ハウスメーカーの事業計画

アパートを建てる際にハウスメーカーが事業計画書を持ってきますが、
皆さん、見たことありますか?
メーカーによって形式も違うし、数字も違うので、どれを信じてよいのかを迷ってしまいがちです。
その前に本当にその事業計画自体が正しいのだろうか?

4億5000万円のアパートを建ててしまって本当に大丈夫?

先日、こんなクライアントから私に相談が来ました。
「銀行とハウスメーカーから相続対策で4億5千万円の借金をして、
RCのサービス付き高齢者住宅を建てる提案をもらった。
本当にこんな借金をして、建ててしまってよいものなのか?借金をするのは怖い。」とクライアントから・・・。
早速、事業計画書を見せてもらいました。
気になる点がいくつかあったので列挙します。

  • ①収支計算まではされているが、キャッシュフローは計算されていない
  • ②借金をして、たしかに相続税は0円になっているが、「債務控除効果」の功罪について説明がなされていない。
  • ③サービス付き高齢者住宅のメリットだけを謳っていること

平気で家賃収入が赤字になるアパート建築を勧めてくる

①の「キャッシュフローの計算がなされていなかった。」ですが、
ほとんどのハウスメーカーはしてません。
よくあるパターンとしては、収支は黒字で税金まで払っているけど、
キャッシュフローが赤字になっているというもの。
今回もそうなってました。
どういうことか?

確かに収益ベースでみると黒字で税金が発生しているけれど、キャッシュフローベースでみると、
借入金の元金返済を考慮されてなくて、赤字=つまり、現金の持ち出しとなり、
保有すればすれほど、お金がなくなる状態に陥ってしまうわけです。
こんなケースを多々見かけるので、是非、キャッシュフローまで追って下さい。

ある時点までは確かに節税効果あり、しかしその時期を過ぎると増加!

②の「債務控除効果」です。
債務控除効果とは、借金をすれば、その効果により相続税が減るというものです。
この案件での懸念は、借金をすれば、たしかに現時点では相続税は0円になるけれど、
先々はそうならずに相続税が発生する可能性があり、資産価値のないものを建ててしまった場合、
負の遺産になる可能性もあり得るということです。
ですから借金が全て正しいというわけではなく、正しい借金の仕方をしないといけないということです。
多額の借金を背負った私からすると、あまり借金はお勧めできませんか・・・。
債務控除効果とは、たとえば借金1億円して、建物を建てたとき、
相続税評価額は1億円のおおよそ半分くらいの評価額になるので、5千万円ぐらいになります。
ですから1億円で建てた物が、5千万円で評価されるわけですから、
差引5千万円相続税の評価額から減ったことになり、結果、相続税も下がるわけです。
しかし、借金の減少額と建物評価額の減少額の差額が年数が経てば経つほど接近し、
ついには逆転することもあるのです。
この案件では、評価額が逆転して、相続税が増加する時点があるのが分かりました。
つまり、被相続人が生きれば生きるほど、相続税が増えていくわけです。
ですから借金をすれば、必ずしも相続税が減るというわけではないのです。

本当にその政策が将来も続くかどうかは疑問

③サービス付き高齢者住宅は、たしかに今、たくさん、建築されています。
建築にあたり、補助金が出るケースもあります。
これからは、少子高齢化の時代で、一見、有効な手立てに見えますが、
介護保険の政府からの支給額は3年に1度、見直されます。
ただでさえ、税収が減っている国に頼るビジネスモデルは如何なものでしょうか?
一度、建ててしまうと、その後の変更にも多額の費用が掛かります。

結局、アパート建築をしないほうが節税になった

以上、3つの点を指摘して、クライアントの方はこの投資を見送りました。
一般的にもハウスメーカーの事業計画には、30年の家賃設定がいい加減、
修繕費がきちんと見積もられていない、空室リスク、賃料下落リスクを考慮していないなどの穴が散見されます。
もしハウスメーカーにお願いしてアパートを建てるときは、プロのコンサルタントを入れて事業計画から見てもらいましょう!