聞き分ける

投資用新築ワンルームマンション 4つの聞き分けポイント

投資用不動産の勧誘電話の後編です。

前編は、こちら『投資用新築ワンルームマンションの勧誘電話。ルールや規制、撃退方法とは?』

 

あなたは、投資用不動産の勧誘を電話とは限らず、対面でも営業を受けたことはありますか?

投資用不動産と一口に言っても、新築と中古で大きくその主旨、目的、効果、利益は違います。

 

今回は、投資用新築ワンルームマンション営業のチェック項目と解説です。

それをもって、せめてどんなことには気を付けながら物件を選べば良いのかのヒントにしてください。

 

≪ 目 次 ≫

4つの聞き分けポイント

キャッシュフローは?

節税の実態

不動産価値の担保

空室リスクと収支計画書

抜け出せなくなると…

 

4つの聞き分けポイント

●✖

不動産投資で最低限、理解とチェックをしなければならないことは、以下の4つです。

基本中の基本です。

 

不動産経営が一般の方が最初から最後まで、ひとりで行なうのは危険だと言われる要素。

 

1.キャッシュフローは?

2.節税の実態

3.不動産価値の担保

4.空室リスクと収支計画書

 

ひとつずつ見ていきましょう。

 

キャッシュフローは?

キャッシュフロー

日曜日の夕方、事務所の電話に掛かってきた名古屋の市外局番。

 

出てみると…

不動産会社(以下、不)「私ども投資用不動産会社でして。」

「今回、ラッキーな掘り出し物件が出ましたよ!浅草で2,600万円の新築マンションのワンルームです。買い時ですよぉ。」

「…。私、(不動産の)プロだから買わないよ?」

 

「いやいやいやいやいや・・・、これはですね、プロとか関係ないですよ。」

「利回り3%あって、団信も使えますから!」

「儲かりますから、お得ですよ。」

 

前編でもお話しした通り、儲かることを断定的に言うのは消費者契約法に抵触します。

この時点で、まともな会社ではないと判断できます。

前編の復習です。

 

「利回り3%?借入したらさぁ…ローン組んで、管理費と修繕積立金を払って、キャッシュフロー回らないでしょ?浅草で2,600万円て、高いよ。」

 

【解説】

キャッシュフローとは、実際に得られた収入から、外部への支出を差し引いて手元に残る資金の流れのこと。

年間の純利益額が、どれくらいあるのかチェックです。

 

物件価格  2,600万円

住宅ローン 0.525%

借入期間   35年

年間返済額 81.3万円

年間賃料  78.0万円

これだけで年間で手元に残る利益は、3.3万円。

 

ここから、少なくとも管理費と修繕積立金を引いていくわけです。

管理費や修繕積立金が幾らなのかは、不明ですね。

では、3.3万円を12ヶ月で割ると、1ヶ月あたり2,750円以上掛かれば赤字が確定です。

 

・・・無理ですね。

何かあった時の不具合や故障、メンテナンス工事費用は、どうやって用意をするのか。

ましてや、修繕積立金は10年周期や15年周期で段階的に値上げすることは、すべての分譲マンションで新築時から決定しています。

それが『長期修繕計画書』です。

 

さすがに、この説明を電話でしたわけではなく、先方からの回答はどのようなものになるのかと待ってみました。

すると…

 

「え~っと・・・ちょっと待ってくださいね。」

もう、しどろもどろ。

 

新人だったみたいです。

上司と電話交代。

 

節税の実態

Stock price declining

Stock price declining

「すみません。下の者が分かっていなかったみたいで。」

「新築マンションですから固定資産税は3年間の軽減税率があってですね…」

「だから、キャッシュフロー回らないでしょ?」

 

「不動産投資っていうのは、そういう目的で買うんじゃないんですよ!」

「保有しておいて売却する手もあるんです。今回の物件は損も出ないし、節税にもなりますから。」

 

「節税って言ってる意味わかる?節税って赤字だって言ってるってことだよ?(笑)」

 

【解説】

節税が意味する基本から解説していきましょう。

税は、年収によって税率が上がっていきます。税率で区分けされた範囲を『テーブル』という表現をします。

年収を、不動産投資などによる赤字を積み重ね、テーブルの段階を1つでも2つでも下げることで税の還付を受けましょう、というのが節税です。

 

年収に赤字という悪影響が出ないと節税はできません。

だから、キャッシュフローが回らないと言っている、と私は言ったのです。

 

ちょっと計算してみましょう。

例えば、年収1,000万円の方の場合

税率33% 控除額1,536,000円

1,000万円×33%-1,536,000円=1,764,000円

 

しかし、確定申告で不動産による赤字で年収850万円になったとします。

税率23% 控除額636,000円

850万円×23%-636,000円=1,319,000円

 

1,764,000円-1,319,000円=税還付 445,000円

月平均にならせば、1ヶ月あたり37,083円の還付

 

ローンが完済すれば、私的年金として毎月賃料がほとんど入ってくる。

これが、不動産業者は言いたいわけです。

 

でもこれには、気を付けなければならないことがあります。

それは、収支計画書の章で解説します。

 

もっと気を付けなければならないのは、900万円以下の年収の場合です。

 

年収500万円の人が毎月3万円 年間36万円の赤字を計上しても、税率のテーブルは変わらず20%です。

500万円×20%-427,500円=572,500円

464万円×20%-427,500円=500,500円

572,500円-500,500円=税還付 72,000円

 

税のテーブルが変わらないというのは、こういうことです。

毎月の出費の2ヶ月ちょっとしか税還付は受けられません。

税率のテーブルを変えるために、幾つもワンルームマンションを買わされるケースもあります。

 

団体信用生命保険があるのだから、保険料と比べれば破格の出費で私的年金、もしくは、万が一の時には家族に資産を残せる、と甘い言葉を投げ掛けてきます。

 資産形成の基本にも立てていない理論に耳を傾けてはいけません。

 

不動産価値の担保

10601355 - value

10601355 – value

「売却だって将来、幾らになるかなんてわからないでしょ?」

「そんなことないです。浅草の一等地ですから値下がりしないんですよ!」

 

「何、言ってるの?車もそうだし不動産も同じで、新品というのは買った瞬間に価値が下がるんだよ。欧米とかと違って、日本では中古の価値っていうのは3割下がるんだよ。」

 

「あなた、それでもプロですか!?」

「そもそも投資と言うのは、買ったものの価値なんですよ。保てるかなんですよ。」

 

「さっきも言ったけど、平均3割の価値が落ちるもので…仮に値下がりが2割だとしても不動産投資は普通、築10年落ちがコスパも良いっていう統計があるんだよ。知ってる?」

「利回り、キャピタルゲインにしてもおかしいよ?」

「どっちも大丈夫です!!損が出ないので。」

 

【解説】

大きな買い物であればあるほど、新品価格というものは大きな金額になるものです。

この差額こそ、完済前に売却する時にローンの残債と売値の差額と思うぐらいで、ちょうど良いと思います。

 

頭金なし、諸費用要らずなどの手を出しやすい謳い文句はありますが、そのツケは売却の際に、預貯金から差額を支払わなければならないという形で返ってきます。

ここを知らずに買わされてしまう方々が多いのは、忍びない話しです。

 

完済後の賃料収入が目的なのだから、途中で売ることになんかならないと思い込んでしまっているからです。

 

キャピタルゲインとは、買った時より売った時の価格が上回った際の差益のことです。

これについては、誰にも未来の価格は決められないという当たり前の話しです。

 

一等地だから値が下がらない?

千代田区、中央区、港区でも一等地はすべて、地価が変わってないとでも?

成人している方なら誰でも分かる答えでしょう。

 

こういうことを平気で口にしているということです。

投資といって、上がるか下がるかに賭けた時点でギャンブルです

それは投資ではなく投機です。

 

機会、タイミングにお金を張る話し。

論外です。

 

空室リスクと収支計画書

空室

「じゃあさ、空室リスクについては?3ヶ月は空くことを想定しなきゃいけないよね?」

「それも大丈夫です。間なんて空きません。絶対に有り得ませんから!」

「それこそ、無理でしょ。部屋を見ないで決める人なんて、そうそういないんだから。」

「そんなことはないんですよ。これまでも他の物件では決めていますから!」

 

【解説】

賃貸募集の業務経験が無い人間は、必ずこの言い方をします。

先方の言い分が現実には不可能である理由があります。

 

まず、このお話しはサブリース契約が無い前提です。

サブリース契約とは、不動産会社などが借主となり賃貸借契約を結び、借主が一般の方に向けて入居募集を行うので、例え空室でも賃料は契約書通り入ってくるというものです。

 

このサブリース契約、不動産会社や管理会社(借主となる法人)によってはサービス適用から3ヶ月は賃料が所有者に入ってこない契約内容のものもありますから、気を付けて頂きたいです。

 

この契約が無ければ、当然に退去から次の入居までは賃料が入ってきません。

更新を機に退去していくことは新築時の入居者でも珍しくありません。

 

収支計画は、自分に都合の良い甘い考えで立ててはいけないもの。

入居募集開始から実際に賃貸借契約を締結して賃料発生に至るまで、2ヶ月は空くものとして計画をするぐらいが現実的です。

 

空室になった次の日に入居ができると思いますか?

いつ部屋を見るのか?

見ないで決まるのは、築何年後の物件まででしょうね?

入居していた期間が長いほど修繕箇所はあって当たり前。

修繕箇所が無くてもクリーニング作業は必須。

 

並べ立てれば、空室期間が1日も無い収支計画を完済までの35年間続くと思うことは、賢い計画でしょうか?

 

私には、到底お客様に提案できる内容ではないですよ。

どれだけの信用を失う話しでしょう。

想像するだけで、ゾッとします。

 

収支計画といえば、完済後の私的年金になるという目的の方にお伝えしたい経費項目があります。

 

それはリフォーム費用です。

修繕費用ではありません。

35年間、設備機器などを交換しない計画をされていませんか?

長くても15年に一度、フルリフォームは必要になると思ってください。

 

そのお金、どこから捻出する予定ですか?

キャッシュフローを見るというのは、経費のすべてを物件収益でまかなえるか?

 

毎月がマイナス収支なうえに、フルリフォームを完済までに最低でも2回する経費が掛かることは見越した収支計画書なのかというのは、とても大事だと思います。

 

最後に、35年後の賃料って幾らでしょうね?

築35年の入居募集って、簡単だと思いますか?

 

これまでのことを考えると、お話しになりませんね。

これ以上、電話に付き合ってもまた「あなた、プロですか?」呼ばわりをされるだけ。

 

「あなたじゃ話しにならないから、社長だして。」

さすがに、相手はビクッとしてましたね。

目に見えるように伝わってきました。

 

「分かりました。もう掛けませ~ん!」ガチャッ…

 

抜け出せなくなると…

抜け出せない

節税という言葉は、好きな方、弱い方はたくさんいます。

こんな事例があります。

 

仕事は医者。

10年間、投資用新築ワンルームマンションを購入し続けて、6物件を所有。

すべての物件が毎月マイナス収支で、修繕などの経費もかさみ、ついに生活におけるキャッシュフローが回らなくなってきたという相談。

 

手立ては2つ。

破産手続きか任意売却

任意売却ならば、売っても半分残ってしまう残債については金融機関と返済交渉をして返し続けることになります。

 

それでも、今の毎月の出費と比べれば。

「今なら、この程度で済みますよ?」

 

最後の決断は相談者にあります。

他に手立ても、活路も無い中で相談者が下した決断は…

 

「不動産価値が上がるかもしれないから、様子を見ようと思います。」

 

地価公示が上がる要素もない。

上がっても、土地の取り引きではないので価格に大きく影響することも無いんです。

 

究極の痛みにならないと決めないのかも知れないですね。

 

他にも、50代の公務員の一般男性。

京都の好立地だから儲かると言われ物件を買ったものの、その物件の維持に給与を注ぎ込んでしまい、困ってしまっていると。

 

冷静になってください。

どんなに一等地に建っていても、建物の価値は年々落ちていきます。

先にも言った通り、修繕積立金は段階的に上がっていきます。

けれど、毎月の返済額は一定なんです。

 

想像できましたか?

 

今は不景気ですからローンは、最低利率。

利息はいつか上がるでしょう。

 

こうして、不動産の価値と不動産の借金の開きは埋まらない現実が生まれます。

 

「繰り上げ返済があるじゃないか?」ですか?

最低金利のお金に対して、それを行なうのは、ちょっと…

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

投資用新築ワンルームマンションの営業トークと知っておきたい聞き分けポイントは。

 

1.キャッシュフローは?

2.節税の実態

3.不動産価値の担保

4.空室リスクと収支計画書

 

相続対策で投資用不動産による節税と、投資用新築ワンルームの節税は意味も目的は全く違います。

投資用不動産としての違いは、また別のお話しで触れることにしましょう。

 

今回、お伝えしたいことである『不動産経営は本やネットにあるテキストだけでは現実に決して追いつけない』、ここはお分かり頂けましたでしょうか。

 

実務経験のない方が、株やFXのように数字や傾向だけで運営するにはリスクが高過ぎる由縁です。

 

不動産経営には時に、人に仕事をお願いする必要も出てくることもあるでしょう。

その為にも、キャッシュフローが何よりも大事です。

 

先立つものが物件から得られていないのならば、不動産という本来 資産であるはずの存在が足枷(あしかせ)になり、普段の就労収入に手を出さなければ回らなくなるという事態になります。

資産本来の『お金を殖やす、稼ぐため』という目的に沿ってお金のチェックをしてください。

 

楽しくも胸を張れる不動産経営者になってほしいと思っています。

 

不動産オーナーのおかげで、街に人が集まり、残り、はじめて街は活気と発展に至れます。

不動産は、確実にどなたかの人生を支える場所の提供という素晴らしい活動から、糧となるお金を頂戴している事業です。


勧誘電話

投資用新築ワンルームマンションの勧誘電話。ルールや規制、撃退方法とは?

あなたは、投資用不動産の勧誘電話が掛かってきたことはありますか?

 

投資用不動産のすべてが損を招くわけではないことは言うまでもありません。

それでも、投資用新築ワンルームの営業の、あまりの杜撰(ずさん)な対応にはマイナスイメージを持たれても仕方ないと言わざるを得ない実態です。

 

今回は、私が実際に受けた勧誘電話のやり取りをもって、聞き分けポイントが身に付くようにしたいと思います。

 

前編は、勧誘電話におけるルールや規制、撃退方法や相談先について。

後編は、セールストークがなぜ損や借金地獄に巻き込まれることになるのか?

 

どちらも知っておくことで、不動産投資の入り口や運営のコツに繋がったら良いと思います。

 

≪ 目 次 ≫

2つの営業電話を規制する法律

勧誘電話の内容

法に抵触していないか?

 

2つの営業電話を規制する法律

規制

 

 

 

 

 

 

 

1.宅地建物取引業法

2.消費者契約法

 

言ってしまえば、この『基本中の基本を知らずに話せる人間だけが電話勧誘は出来る』という身も蓋もない結論を、まずはお伝えします。

 

【宅地建物取引業法】

これは、電話を掛けたこと自体で迷惑を掛けていないか?

この観点が規制の根底です。

 

電話勧誘で該当する箇所としては、こちらの3点です。

 

・勧誘に先立って宅地建物取引業者の商号又は名称、勧誘を行う者の氏名、勧誘をする目的である旨を告げずに、勧誘を行うことを禁止

 

・相手方が契約を締結しない旨の意思(勧誘を引き続き受けることを希望しない旨の意思を含む。)を表示したにもかかわらず、勧誘を継続することを禁止

 

・迷惑を覚えさせるような時間の電話又は訪問による勧誘を禁止

 

宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号)第47条の2第3項に基づき、同法施行規則第16条の12において、宅地建物取引業者等の勧誘行為について、相手方等を困惑させることが禁止。

 

上記のことを現実的な対処の順番で簡単に言えば

  • 会社名、宅地建物取引業の免許番号、電話相手の氏名を聞く(メモをする)
  • 夜や朝など、迷惑な時間帯と感じたら、その旨を伝える
  • 別の担当者からの電話でも、一度、断ったのなら、その旨を伝える

こうなります。

 

話しを聞いていて、おかしな言い回しについても知っておくと良いと思います。

それが、消費者契約法です。

これは、業界を問わず適法されるものなので、覚えておくと良いです。

 

【消費者契約法】

これは、意図的に勘違いを起こさせていないか?

正常なる判断の元で本人の意思をもった契約なのか?

この観点が規制の根底です。

 

消費者・事業者間の情報や交渉力の格差是正を目的として、平成13年4月1日より施行された比較的新しい法律。

事業者の不当行為(不当な勧誘、不当な契約条項)があった場合、消費者は契約の取り消しや契約条項の無効を主張できるとあります。

 

不当な勧誘・誤認・ 断定的判断の提供(4条1項2号)

消費者契約の目的となる、将来確実に財産上の利得を得られるかどうか、判断し難いものについて断定的であるかのような判断を提供した場合が法に抵触するということです。

 

※例えば、「絶対に・確実に・間違いなく儲かりますよ。」などと言われ、契約してしまった場合には、契約の取り消しができます。

 

取り消しには期限が設けられていることにも気を付けてください。

消費者が事業者との契約に違法性があり、契約を取り消すことができることを認識したときから1年間。

もしくは、契約締結から5年間です。

 

ここは抑えておきましょう。

 

もしも、迷惑行為があった場合の相談先は下記になります。

 

【相談先】

国民生活センター

公益社団法人全国宅地建物取引業保証協会

こちらに連絡をしてください。

 

ちなみに…

「こんなはずじゃなかった…」

これは、運用・運営といった時間の経緯の中で生じた不測の事態。

販売元、仲介不動産会社への訴えは難しいものであると認識しなければいけません。

 

投資は自己責任の元で行なうこととする考え方を否定しまいます。

そうなってしまうと収集がつかなくなります。

 

すべての投資商品において、少しでもマイナスになった時に、その責任を業者が負わなければならなくなってしまうことを想像し、理解してもらえたらと思います。

 

弊社は、投資不動産の仲介がメインの会社ではありませんので擁護するつもりは無いんですが、身の守り方のひとつの情報として書かせて頂きますね。

 

では、実際に私が受けた電話内容に沿って、上記2つの法令に抵触していないかを確認してみましょうか。

 

勧誘電話の内容

営業電話

日曜日の夕方に事務所の電話が鳴りました。

平日なら電話転送会社を通す流れですが、日曜だったので直接対応。

 

ディスプレイを見やると名古屋の市外局番。

 

誰だ?名古屋の仕事は、今は…無いな。仕事の依頼?

出てみるか…

 

不動産会社(以下、不)「私ども投資用不動産会社でして。」

 

電話営業か…と思いもしましたが、暇つぶしに付き合ってみることにしました。

求めてもいない事で営業掛けられることなんて、ほとんどありませんから。

 

どんなトークをするのだろう?

 

「今回、ラッキーな掘り出し物件が出ましたよ!浅草で2,600万円の新築マンションのワンルームです。買い時ですよぉ。」

「…。私、(不動産の)プロだから買わないよ?」

 

「いやいやいやいやいや・・・、これはですね、プロとか関係ないですよ。」

「利回り3%あって、団信も使えますから!」

「儲かりますから、お得ですよ。」

 

「利回り3%?借入したらさぁ…ローン組んで、管理費と修繕積立金を払って、キャッシュフロー回らないでしょ?浅草で2,600万円て、高いよ。」

 

「え~っと・・・ちょっと待ってくださいね。」

もう、しどろもどろ。

 

新人だったみたいです。

 

上司と電話交代。

「すみません。下の者が分かっていなかったみたいで。」

 

ここから理屈もなく強気なだけの言葉攻めをされることに。

「新築マンションですから固定資産税は3年間の軽減税率があってですね…」

「だから、キャッシュフロー回らないでしょ?」

 

「不動産投資っていうのは、そういう目的で買うんじゃないんですよ!」

「保有しておいて売却する手もあるんです。今回の物件は損も出ないし、節税にもなりますから。」

 

「節税って言ってる意味わかる?節税って赤字だって言ってるってことだよ?(笑)」

「売却だって将来、幾らになるかなんてわからないでしょ?」

「そんなことないです。浅草の一等地ですから値下がりしないんですよ!」

 

「何、言ってるの?車もそうだし不動産も同じで、新品というのは買った瞬間に価値が下がるんだよ。欧米とかと違って、日本では中古の価値っていうのは3割下がるんだよ。」

 

「あなた、それでもプロですか!?」

「そもそも投資と言うのは、買ったものの価値なんですよ。保てるかなんですよ。」

 

「さっきも言ったけど、平均3割の価値が落ちるもので…仮に値下がりが2割だとしても不動産投資は普通、築10年落ちがコスパも良いっていう統計があるんだよ。知ってる?」

 

そうするとまた

「あなた、本当にプロですか?」

 

喧嘩売るんですね、こういう電話営業は。

そこにも驚きましたね。

強気を証拠にしたいだけなんでしょうが。

 

理屈、理論が破綻しているので、こちらは何も動じませんけども。

 

「利回り、キャピタルゲインを狙うにしてもおかしいよ?」

「(年間収支もキャピタルゲイン)どちらも大丈夫です!!損が出ないので。」

 

「じゃあさ、空室リスクについては?3ヶ月は空くことを想定しなきゃいけないよね?」

「それも大丈夫です。間なんて空きません。絶対に有り得ませんから!」

 

「それこそ、無理でしょ。部屋を見ないで決める人なんて、そうそういないんだから。」

「そんなことはないんですよ。これまでも他の物件では決めていますから!」

 

賃貸募集の業務経験が無い人間は、必ずこの言い方をします。

先方の言い分が現実には不可能である理由は、後編で説明させて頂きますね。

 

「あなたじゃ話しにならないから、社長だして。」

さすがに、相手はビクッとしてましたね。

目に見えるように伝わってきました。

 

「分かりました。もう掛けませ~ん!」ガチャッ…

 

法に抵触していないか?

ルール違反

先にも書かせて頂きましたが、絶対に儲けられる、絶対に価値を維持できる。

この謳(うた)い文句は、消費者契約法に抵触するとあります。

 

不当な勧誘 誤認  断定的判断の提供(4条1項2号)

消費者契約の目的となる、将来確実に財産上の利得を得られるかどうか、判断し難いものについて断定的であるかのような判断を提供した場合。

 

言い回しで既にアウトです

言い分の理屈、理論以前の問題だということです。

 

先ほどは相談先として、国民生活センターと公益社団法人全国宅地建物取引業保証協会を挙げました。

弁護士に相談に行くことは、お勧めしません。

不動産の専門家でもなければ、不動産会社にストップを掛けたり営業停止などの痛手を負わせる手立てにお金が必要になるからです。

 

上記2か所は、無料で営業行為への罰則を与えることが出来ます

あなたが相談することで他の方が嫌な目に遭わなくなったり、借金地獄の人生にされる可能性を無くすことだって出来ます。

 

相談したことで、あなた個人を特定されて仕返しがくることもありません。

そもそも似た手口でしか勧誘電話をしていないので、あなたを特定のしようがありません。

 

まとめ

今回、営業電話に付き合ってみて思ったこと。

 

あんまりにも強気なんで「プロでも騙されたりするんだろうな。」と思いますよ。

一般の方は、まともに付き合ったら騙されますね。

 

いかがでしょうか?

勧誘電話に対する規制と、実際の営業トークは。

 

不動産経営を理解している人からすれば、「こんなことも答えられない電話営業マンいるよ、いるよ(笑)」となってしまう内容です。

 

まともに電話に付き合って、言い負かす必要は無いと思います。

営業トークのルールを理解して、まともな営業マンを通じ、キャッシュフローの回る良い物件を手にして頂けたら幸いです。

 

後編は、この口車に乗ると、どんな顛末が待っているのか?

先ほどの会話を要所ごとに区切り、不動産運営に活かせる解説し、他の事例も挙げながらお話し致します。


土地活用

相続対策で土地活用の甘い罠!3つの見極めポイント

今回は、担当者によってコストや相続税の合計が1億円以上も増えてしまうところだった事例のお話しです。

生前相続税対策というのは、観点や価値観で全く別物の計画になるのが怖いところであり、遣り甲斐にも通じるものですね。

 

土地活用(建設工事を行い事業用不動産に転換)は、掛かるお金が莫大です。

それゆえ、1つのズレが大きな金額となって跳ね返ってくる。

そのリスクこそ、最も認識しなければならないことでしょう。

 

その中でも、被相続人と相続人、携わる専門家の三者それぞれの価値観が、どういった影響を出すのか?

そこに触れる3つのポイントが、1つの事例で過去にありましたのでお話しします。

 

≪ 目次 ≫

事業や業界の裏側を知る

適正なお金の2つの視点

地域特有の税の観点

 

お客様背景

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お話しに挙げますお客様とのきっかけは、大家さんの為の定期的な勉強会。

そこで講演させていただいていますもので、内容に大変喜んでくださり声を掛けてくださいました。

 

東京にお住まいですが、広島がご実家のお客様。

聞けば、既に頭を抱える事態になっていると。

 

所有不動産だけで合計6億円 相続性の課税額が2億4千万円!

相談者は当事者ではなく、相続人(ご子息)。

 

当時、どんな提案を受けていたのか?

 

スタートは何事も現状の確認からですね。

悩みの種は、どこからなのか?どんなものなのか?

 

結論から言いますと、借金作って課税額を相殺させて納税を免れましょう、というもの。

提案者はと言いますと…大手ハウスメーカーでした。

 

「4.5億の建設費を掛けて、借金で課税は消せるから建てましょう!」と。

 

造る内容はと言えば、サービス付き高齢者住宅

この大手ハウスメーカーは、近年、アパート経営よりも高齢者ビジネスにシフトチェンジしている傾向が、そもそも目立ち始めています。

 

「うちは実績ありますから!」

 

いや、恐いものですから!

実績うんぬんで済まされるものではないからです。

 

その辺りを少し解説させてください。

 

事業や業界の裏側を知る

【高齢者対象のビジネスの盲点と闇】

まず、サービス付き高齢者住宅のお金の流れを下の図で知ってください。

(出典:厚生労働省)

介護保険と財政

高齢者住宅は、補助金を目当てとして建築動機を高めていくハウスメーカーや建設会社の営業トークを多く耳にします。

 

この補助金、社会保険が財源となって支えているものです。

補助金により運営状態が向上、安定しそうですね。

けれど、保険料率が刻々と変化していることは皆さんもご存知でしょう。

これが何を引き起こしているのか…

 

見直しにより収入が減り、介護業は3年毎に施設が潰れているという事実です。

 

介護施設の建築に何故、運営をしないハウスメーカーが実績をうたうのか?

それは、排水管1つを取っても特殊だからです。

動線に至る配慮にも、そうです。

 

裏を返せば、建物を建てても事業主が運営で下手を打てば、その打撃は土地の所有者であるお客様に及ぶもの。

一度建てたら、壊すにもお金が掛かります。

 

事業が失敗した地で、決して広くない介護施設業界で、他の会社が事業を行いたいと手を挙げてもらえるか?

 

大変に厳しいでしょう。

それも地方となれば、一層に。

 

もう一つ、提唱したいことがあります。

それは、この補助金が我々の血税だということです。

 

その社会保険を使った建築ビジネスだという認識です。

 

毎年の行政の予算は、使われた分に対して社会からの必要性を推測し決まるもの。

つまり、使うほどに予算は割かれてしまい、本来使ってほしいところに予算が回らなくなります。

その弊害もまた、意識に置いておいてはいかがでしょう。

 

将来、自分たちの首を絞めるという現実に繋がっているんです。

 

誰しもが、他人事じゃないです。

子どもに、お孫さんに影響、もしくは迷惑を掛ける発想と行動にもなり兼ねませんよ?

 

行政からのお金については常に、次世代、更に次の世代の目線になって考えることを忘れてはいけない情勢なんですよね、実際問題。

 

事業、業界というのは誰しもが上手くいくわけではありません。

なのに、ことさら建設や不動産業界の人間というのは『経営知らずが経営計画を立てている』という事実を冷静に受け止めましょう。

 

その事業で上手くいくコツは?

(実際に、『あなたが』どこまでインタビューしている?)

 

業界の上手くいかない時の原因は?

(途中経過を見たことは?終わり方は知ったうえで話してる?)

 

計画(経営)を知るとは、良いことと悪いことの両面を押さえて初めて、判断力は身に付くということです。

 

適正なお金の2つの視点

高齢者住宅

補助金の問題、それはそれとして・・・

そもそも論として、建設費が高すぎでした。

 

「これは、無い…」

 

建設費4.5億円は、計画内容からはやり過ぎでした。

キャッシュフローが回らない(利益が残らない)計画。

当然 提出されていた収支計画表は表面上は利益が残るように≪現実とは違う≫内容で作られていました。

 

なぜ、こんな計画でも検討しなくてはいけなかったのか?

そこの理解からしないと…そう思い、物件状況を調べたところ分かりました。

 

所有アパートの1階にはテナントの区画がありました。

そこを借りているのが、まさかのヤクザ絡み…

 

テナントとの退去話しについて、ハウスメーカーからの「話しをまとめてあげるよ」という言葉に、助けられたような思いから無下にすることが出来なかったようです。

 

土地活用や相続対策は、数字と制度と計画の話しです。

退去提案を上手にまとめ上げることと、利益が残らない計画でも提案することは別次元の問題なのですが、情で流されることが珍しくない世界でもあるのが現実です。

 

数字と情が混同されていることにも、運営計画が成り立たないことにも、一般の方には見極めが難しいものです。

事情ではなく、幾らかの時間から生まれた情であれば特に・・・

 

セカンドオピニオンとなる方が見付からない場合には、せめて相見積もりはすることをお薦めします。

 

同じ事業(今回でいえば介護施設)での見比べだけではなく、純粋に土地活用と相続対策を掛け合わせた場合、どのようになるのか?

『自由発想による提案』の見比べですね。

 

計画というのは、一般の方は必要な項目の漏れ、内容の正否は分かりません。

 

表の下段の収支がプラスかマイナスかで判断してしまいがち。

相場確認(金額の正否)は、先方に失礼と思ったり信用関係に影響するとして敬遠しがち。

 

この2点こそが計画の『成否』を分けるものだということを、決して心を緩めずに確認してください。

 

地域特有の税の観点

確定申告書

相続対策をするにあたり、建物の事業内容のご提案から見積もり、運営計画まで挙がっていたのですから、取り組み開始からそれなりに時間は経っていました。

それでも、計画内容の組み換え案を提案した甲斐もあり建築計画の実行はストップすることができました。

 

ただ、本格的に生前相続税対策に踏み込むには至りませんでした。

遠方地域特有のストップが、私の提案内容に掛かったのです。

 

お父さんがこれまで税務を頼んでいる税理士からの提言によってです。

 

まず、「税理士の基本的役割は何か?」

そう問われたら、あなたなら何と答えますか?

 

「節税」

「出来る限り課税されない工夫をすること」

そう答える方は多いことでしょうね。

 

でもそれは、期待している効果であって、税理士の本来の役割ではありません

税理士とは、税をきちんと納めさせる役割を担う者を指します。

 

地方に行くほどに、税を納めさせて初めて存在価値を認められるものと認識しています。

さらに、遠方の税理士にいたっては大半が

「節税なんて言葉は無い」

正義感に似た感覚で強く思っています。

 

地方税は、街の為、ひいては自分達の為になるものなのだから、きちんと納めてもらってこそ、存在価値としての役割を果たしていると自負している方がたくさんいらっしゃいます。

 

キャリアが長い税理士であれば、あるほどです。

これも一種のジェネレーションギャップであり、地域の特性と言えます。

 

人口の違いを考えれば、財源問題は深刻な悩みの種。

理解できないわけではありません。

 

結果、お客様であるご子息の皆さんが困ってしまう状態になってしまうんですが…

これが、セカンドオピニオンをお願いしても、ベストな相続対策が実現できない要因のひとつです。

 

さらには、物件の最終決裁者であるお父さんは、毎年の長者番付を愉しみにしている方だったのです。

何故なら、ご自身がそのリストに載るから。

 

長者番付は、一年間の頑張りが形となって目にする機会。

誰でも、その立場になれば愉しみになるのは、容易に想像が付きます。

 

お気持ちは分かるのですが、生前相続税対策ではパワーバランスが最も大事です。

お父さんだけが、決裁権を持っている状態では話しも対策も進みません。

 

決裁権が相続税の重さを理解している人かどうかによって、動けないということです。

納税を自尊心と結びついている方(お父さん)と、納税してもらうことを役割とする方(税理士)が決定権と計画者とあっては…ご想像いただけることかと思います。

 

私の言葉は、建設計画のストップまでしか届かず保留に。

無謀な計画は阻止できましたが、踏み込んだ本来の私の役割としての提案までには至りませんでした。

 

税金に対しての観点や価値観が計画そのものの主軸を変えてしまうことは珍しくないことを覚えておいて頂けたらと思います。

 

地域貢献を何より優先したいのであれば、課税額を押さえることと本来やりたいことが合い反してしまうことの認識もまた、しておくことをお伝えいたします。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

事業や業界の裏側・適正なお金の2つの視点・地方特有の税の観点の3つのお話し。

 

それぞれが正しいと思っての言動です

私に期待されている役割が節税に繋がる対策だからこその視点とも言えます。

今回登場したそれぞれの方からしたら、私もまた考え直しを言いたくなるものなのかも知れません。

 

大事なことは、当事者であるあなたが、どんな結果に導いてほしくて、どんな価値観によって知識を活用する人を探したいのか?

 

ここが最も大事な選定基準だということです。

オーダーを間違えれば、「言わなくても分かっているだろう」という思い込みから、自身の望みとは違う優先事項で対策は練られてしまう怖さもまた自覚してください。

 

望めば叶うのではなく、望みは口に出して共有してこそ実現するんですよね。

想いをきちんと伝えられる人、受け取れる人に声を掛けてみてください。

 

きっと、相続をきっかけに他の大事なことにも、ハッとするような変化や気付きを与えてくれる出逢いになることでしょう。


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【1,600万円の課税ミス!資産税に特化した税理士を探しましょう】

今回は、士業を安易に選ばない方が良いというお話しです。

相続対策後の確定申告こそ、重いものです。

税の特例は何を使うのかの手続きなのですから。

 

何事も、完了したと思った時の気の緩みほど怖いものはありません

そんなお話しです。

 

≪ 目次 ≫

お客様内容

計画を壊すのは、常に部外者

目の前の功績か?積年の恩恵か?

相続に長けた専門家は逃げない

チームで動いている理由を今一度

 

お客様内容

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お客様は、私が相続事前対策を無事に完了することが出来た方。

 

自宅に近い地元の税理士へ確定申告をお願いしたことで発生。

毎年50万円以上の損をし続けることが確定してしまったのです。

 

キャッシュフローが芳しくない駐車場利用地を売却。

その資金を元手に、都内の好条件のアパートに買い替え。

これにより、相続税の大幅な減額、毎年安定した収益の見込みとなりました。

 

この他にも、お父様の体調不良もあり、自宅の生前贈与をお母様へ。

 

払うものは払います。

支払額の見通しが付いたことで相続税を支払う目処も、方法も確立できました。

 

家族に、いつ、何が起きても慌てふためくことなくなりました。

これで心静かに追悼できるように整いました。

 

計画を壊すのは常に部外者

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年が明け、確定申告の時期。

対策構築の完了から時間も空いていました。

確定申告の手続きについて確認も含めメールでご相談が寄せられました。

 

『確定申告は、地元の税理士に頼もうと思っています。』

 

!?

これには、目を見開いて驚いてしまい、電話でお話しすることとしました。

 

大事なことなので、もう一度、お伝えします。

覚えておいてください。

相続の事前対策をしても損をするケースは、確定申告への気の緩みです。

 

「●●さん、前から私は言っていましたよね?絶対に、私が紹介する資産税に強い税理士さんが良いですよ、て。」

「相続対策の手続きも、紹介した税理士さんに頼んでましたよね?」

 

お客様「はい…」

 

「資産税とか相続案件は、それに特化した人間でないと、ミスが起こりやすいものなんです。」

「相続は、10人いたら10人違うと言われるぐらいに難しいもの。資産税も同じですよ!」

 

納得したような反応だったので電話を切りました。

けれど、結果としては地元の税理士さんに頼んでいました。

 

確定申告は済ませたと報告があったので、念のため申告内容を送ってもらいました。

それを相続対策手続きでお世話になった税理士へ情報共有しておきました。

 

確認してくださった直後でしょう。

『血相を変えて』とは正にこの事と分かる声で電話が掛かってきたのです。

 

「杉浦さん!これ、ヤバいよ!!」

 

目の前の功績か?積年の恩恵か?

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先に申し上げた通り、自宅は生前贈与。

駐車場利用地は、都内のアパートに買い替えました。

 

そう、大きなことではこの二点

これらを上手に組み合わせられていなかったのです。

 

その他にもチラホラと小さな不備もありました。

しかし、それもカワイイものと思えてしまうほど。

 

何が抜けていたのか?

 

①夫婦間での自宅の贈与は無税に出来た

 

≪夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除≫

20年以上の婚姻期間のある夫婦への特例。

自宅の贈与、または自宅を取得(購入)する際の金銭の贈与が2,000万円まで控除される制度。

その他にも適用要件があります。

こちらの国税庁のホームページでご確認ください。

 

相続事前対策チームの見立てでは贈与税は0円

ところが、申告内容では税額400万円が挙げられていました。

 

②買い替え特例を使ってしまった

 

≪事業用の資産を買い替えたときの特例≫

個人が、事業用不動産(譲渡資産)を譲渡(売却)し、一定期間内に特定の地域内にある資産(買替資産)を取得し、それを1年以内に事業用として稼働させた場合、一定要件を満たせば、譲渡益の一部への課税を将来に繰り延べることができる制度。

その他にも適用要件があります。

こちらの国税庁のホームページでご確認ください。

 

確かに特例を適用させたことで譲渡税を大きく軽減することができはしました

確定申告時だけを見ればトータルの課税額は2,000万円から400万円になりました。

 

けれど、『税の繰り延べ』とは、支払い免除(控除)ではありません

この勘違いをされている方は、一般家庭の方から資産をお持ちの方まで大変多くいらっしゃいます。

 

これが、厄介なんです。

 

税理士「特例を使ったことで2,000万円の支払いを(現在は)しなくて済みましたよ。」

 

そう言われたら、お客様は大喜びですよね。

税理士を感謝しますし、頼んで良かったと思われるでしょう。

 

ところが、落とし穴は来年以降、物件を持ち続ける限り損をし続ける。

そんな手続きをされていたのです。

 

買い替え特例を使わず、譲渡税を払う。

この流れにすることで毎年の所得を減らすことができたはずでした。

 

特例を使ってしまったことで、ざっくりの計算になりますが毎年50万円以上が課税されるのです。

物件を持ち続ける限り…

 

資産運用における損失を考えるうえで大事なことがあります。

2,000万円-400万円の1,600万円を単純に50万円で割る話し…

32年分の損の話しではありませんからね?

 

その毎年の50万円は、運用で30年後には数千万円の差になるという話しです!

1世代の数千万円の差。

お子さま、お孫さん…考えるほどに相続の損失とは膨れ上がるもの。

 

裏を返せば、きちんとした手立てによる年間数十万円の差は、1千万円単位で生活に余裕を生むことができる話しです。

 

事業用資産の買い替え特例は、他の制度との併用ができません。

だから、配偶者控除(繰り延べとは違い、税の支払い免除)が出来ず、400万円の贈与税が申告されていたのです。

 

税理士さんは、無駄なお金の支払いを防いでくれる専門家と認識して人選するでしょう。

申し訳ありません。

本当に仕事のできる税理士さんは、お金を殖やすことにも勤勉なものです

 

だから、『今回の申告で幾らの支払いを抑えた』ではなく、『長い目で見た時のトータルコスト』としての提案が正しいとなるのです。

 

相続に長けた専門家は逃げない

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ここまでの話しを伝えたところで、いろいろと確認したくなりました。

 

「税理士から、この説明は聞いていましたか?」

 

お客様「いや、聞いてないです…父は説明を受けていたようですが。」

 

92歳のお父様にだけ説明し、これから不動産運営を担う息子さんには説明をしない。

地元の税理士のやり方に憤りを感じました。

 

過ぎてしまったことを愚痴っても仕方ありません。

修正申告をしてもらうことが先決です。

 

依頼したという税理士に連絡を取ったところ

「(申告期限である)3月15日前は広島にいて対応は出来ないですね。」

「そっちでやっといてください。来年からも、そっちでやって良いよ。」

 

・・・そういうことではない!

 

私に税理士を叱責する権利はありません。

言いたいことは山ほどありましたが、言って解決にもプラスになることもありません。

不快な態度を取ったことで資料提供に支障が出たら、元も子もありません。

 

相続事前対策チームの税理士さんがお客様と連絡を取り、申告のし直しをしてくれました。

それもご厚意で。

事の深刻さが分かっているとはいえ、頭が下がる一方です。

 

しかし、事業用資産の買い替え特例は選択制での適用のため、修正は認められません。

 

事の大きさ、損失額を考えれば損害賠償ものです。

 

とはいえ、お客様をけしかけるわけにはいきません。

こちらから言うのは止めよう。

言われたら損害賠償できることは教えよう。

わざわざ揉めごとを起こす必要はないか…

 

穏便なお客様ゆえ、訴えに発展することなく、出来る限りのことをして欲しいというお願いだけでした。

 

チームで動いている理由を今一度

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ご依頼時にも計画進行時にも、何度も言います。

相続に長けていると言える専門家がチームにならないと結果が出せない、と。

 

それゆえに、今回のお話しのように

「この部分は、安く済ませられるあの業者に任せよう」

そう考えるのは、本当にリスクです。

そして、計画とは違う進め方で大きな損をする・・・

 

これは、本気でお客様の想いに取り組む人間にとってショックな出来事です。

それぞれの分野の専門家が見解を述べて、他分野の見解を取り入れた配慮から成立したものが計画です。

 

パッと見で分かるものもありましょうが

「なぜ、ここでこの非効率を?」

チーム外の人間からは、そう見えるものにも意味があります。

 

だからこそ、国への報告・処理が終わるまでは、どうか安易に考えては欲しくないのです。

 

相続案件のほころびは、物件を持っている限り損をし続けてしまうものです。

とくに不動産は10年は先を見る事、10年は保有しないと損を生むことが大半。

 

今回は、計画のほんの一部の損で済んでいますから、利益を生むキャッシュフローは成立しています。

 

お金の余裕や欠損は、物件の息を長くも短くもするものです。

目の前の小さなほころびも、後々に大きくなって返ってきてしまいます。

どうか、お客様もまたチームの一員としてご参加いただければ、幸いです。


銀行融資

銀行の『融資しますよ』に惑わされてはダメ!3億円以上の損を生む融資から地主さんを救った相続対策チームが教える4つの世間の甘い罠

思い込みというのは、当たり前になっていることが多いので自分では気づけないこと、多いですよね。

 

でも、ちょっとした違和感や心の引っ掛かりに気を留めて、確認しにいくという行動に移すと、視野が開けることってありますよね。

 

この思い込みという言葉はニュアンスとしては≪イメージ≫という言葉に変換することが可能ですよね。

 

印象・・・それは≪職業、職種≫で油断してしまうこともあります。

目の前の人の言動を判別する機能を低下させてしまうのです。

 

今回は『もしも、イメージから提案内容を鵜呑みにしていたら・・・』と、振り返ってみるとゾッとしてしまう事例をお話しさせて頂きます。

 

≪目次≫

1)銀行だから正しい提案をするとは限らない

2)資産の試算で見るべきは、漏れの無い経費項目とキャッシュフロー

3)損をしたくないなら会いに行く!ネットや本の情報だけを鵜呑みにしない

4)税を知る人ほど『節税』を安易に口にしないもの

 

分野に特化した専門家に確認しただけで3億円以上も損を防げた事例

手を付ける前にご連絡いただき、本当に良かったと思っています。

 

では、事例をお話ししながら解説していきますね。

 

銀行だから正しい提案をするとは限らない

融資

10年程前に大型ショッピングモールの建設と周辺エリアに住宅地を造成する街づくりがあった地方都市の地主さんからのご相談。

 

今現在でも地上波のTV番組でも取り上げられているので街づくりは成功したと言える街。

それゆえに、危うく甘い言葉に乗せられかけた内容でした。

 

弁護士、税理士といった士業、銀行などの金融機関、そういった世間で昔からお堅い職業の方が『正しい人』と思い込むのは、相続のように大きなお金が絡む場合には非常に危険な考え方です。

 

街の勢い、職業へのイメージ、この二つが絡まり問題が起こりかけました。

 

【お客様背景】

最寄り駅から徒歩30分の立地。

そこに広い土地を、複数ヶ所、所有の90代の地主さん。

ご依頼者は所有者の50代後半の息子さん。

三人姉弟の末っ子長男(姉二人)。

 

実際にお仕事として請ける2年前、相続対策についての疑問点の相談を受けました。

都市銀行からの相続対策に不信がある、と。

 

銀行からの提案内容。

「相続税が1億円も掛かるのでアパートを建て替えて相続税の課税額を引き下げる。」

「建て替えの為の借り入れは3~4億円の融資をする。」

 

結論から申し上げれば、この提案内容は思い付き、定番に倣(なら)うだけの過ちだらけの内容でした。

 

その最も大きな誤りとして、建物の規模の割には借入額が高過ぎることです。

銀行は融資をして利息で儲けを出す商売ですので、≪気持ち≫だけは分かりますよ。

 

ただ、必要以上に借金をさせて賃貸経営の利益をイタズラに低くしてしまうのは、相続対策への親切心ではなく営業成績に目がくらんだと言われても仕方ないですよね。

 

つまり、キャッシュフロー(実際に手元に残る収益)が全くもって見込めない収支の建築計画だったのです。

 

その当時もアパート経営で収益が出せているような賃貸運営にはなっていませんでした。

だからといって新築計画で収益を生み出さないアパートを建てる必要はありませんよね。

 

思い付きで定番に倣(なら)うだけの提案内容と申し上げたのは、建てれば満室になる時代ではないという事実があります。

そして、駅から徒歩30分の立地でのアパートの建て替え提案がそもそも安易すぎます。

不動産の立地条件、市場の実態に即していないということです。

 

都内で最寄駅から徒歩10分以内の物件に買い替え(資産の組み換え)を行なうのが宜しいと見受けます、と伝えお客様の疑問を解消し、間違った提案に乗らないようお伝えしました。

 

そのご相談から1年後、親御さんの年齢による体力の衰えが顕著になってきたとのことで、正式に相続対策を講じるご依頼を請けることとなりました。

 

世間では堅実でお金に賢いイメージであり、お客様家族としても長年、財産を見てもらっていた銀行からの提案が間違っていたことから、その他の専門家選びにも不安を持ってしまっていたようです。

 

目先の利益を求めたお客様の為にならない仕事の仕方を一度すれば、その業界そのものへの不信感が募るのは当たり前ですよね。

これは同業他社の方たちにとっても、物凄く迷惑な行為です。

不動産業界もクリーンなイメージを持たれていませんから、業界への不信感を煽るような仕事の仕方というのは悲しくなります。

 

資産の試算で見るべきは、漏れの無い経費項目とキャッシュフロー

キャッシュフロー

さて、こういった経緯があったことから税理士・司法書士・生命保険・家屋調査士といった相続対策に必要な専門家チームの見繕いから、相続チームの総監督まで私に頼みたい、というご依頼になりました。

 

正式な依頼でのご相談ではありましたが、直ぐにコンサルティング契約の調印にはしませんでした。

 

私たちチームが考える計画と進め方を説明し、ご納得のうえでコンサルティング契約の締結をお願いする流れを組みました。

 

相続税の計算、相続対策を講じた際に見込める税の減額効果の資料を成果物として提出しました。

どの業界でも言えると思うのですが、どんなに経験があったとしても『自分達が絶対』と思ってしまえば、お客様と対等ではなくなり本音やご意見を汲み取れなくなります。

 

だからこそ、提出した計画書に対し成果物として料金を一度頂戴し、私たちのチームに依頼するか否かを判断いただきました。

正式にコンサルティング契約の締結に至りましたので、正規のコンサルティング料から成果物作業料を差し引いた残金を頂く流れとさせて頂きました。

 

正直言えば、その計画書は買い取る形が取れますので計画は気に入っても、私たちに頼みたくないとなれば、他の方に計画書を渡しても良いと思いました。

それだけ、放っておけば間違った提案があらゆる方面の人間からされてしまう立場の方だったのです。

 

相続対策と一言で言っても、相続税しか視野に入れない計画は結果として数千万円単位の損を生むのが相続対策では普遍的に起こっている問題です。

 

これを読んでいる皆さまには、本当に気を付けて頂きたいと思います。

 

確認すべき事項の最低限としては、所得税・固定資産税・資産の組み換えによるキャッシュフロー、この3点は説明を仰ぎ理解しておくことが望ましいです。

 

特に不動産においては建物を新築するにしても、売却したお金を元手に中古物件に買い替えをするにしても気を付けてください。

 

賃料収入と金融機関への返済額と多少の管理費用しか収支計画表に盛り込まれていない、キャッシュフローまで計算してから物件提案をされない、そんなことが不動産会社や金融機関の営業マンの当たり前になっています。

 

さて、私たちが提出しました正式依頼前の成果物として提出した計画書では、どんなに手堅く見積もっても相続税1億円が2千万円にまで軽減できることが分かり、キャッシュフローも『年間』手残り金額が500万円も増加することが分かりました。

 

相続税の減額と年間の見込み収益の増加は別次元のものなので、相続税が増えることはありません。

 

複数の土地を所有されていましたから一部の土地を売却し、別の不動産に買い替えていくことになりました。

また、二次相続(ご依頼者が亡くなった際の息子さんの世代の相続対策)までシミュレーションしたので、親族内での養子縁組のご検討もご提案しました。

 

二次相続の想定は大変重要なことです。

相続が起こる度に慌てふためいて相続対策を講じていては、無駄にコンサルティング料をその都度払うことになってしまいます。

 

遺言書作成や生前贈与も提案させて頂き、ご納得いただけるものとなりました。

 

損をしたくないなら会いに行く!ネットや本の情報だけを鵜呑みにしない

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ネットや本だけで情報収集をする人ほど、大きな損をしていることは『もう一つの相続問題』と言えるかもしれません。

 

所有し、長く見てきたからこそ思い込んでしまったと思うことです。

 

売却をする土地の中には、高圧電線の鉄塔の真下の物件があり、その面積は600㎡もありました。

 

一般市場への売り出しで買い手を見つけるのは非常に時間を要してしまい、お父様の体調面を考えると最善の一手ではありません。

新築戸建てを建てては売る建売業者(パワービルダーと呼ばれる建設不動産会社)にも何社電話したか覚えていません。

 

建売業者から提出された購入申し込み価格はピンからキリまでありました。

4千万~8千万円弱。

 

そこへ交渉を粘り、最終的には9千万円まで価格を引き上げることが出来ました。

 

昨今の情報社会で知りたいことを知れることは恩恵ばかりではないものですね。

 

実態や工夫の仕方を丁寧に説明されていない、しかしながら似たような内容の情報が溢れることにより、刷り込まれた間違った情報でご依頼者の思い込みが困ったことを引き起こすことがあります。

 

所有している不動産に対して価値の無いものだと思い込んでしまい、悲観的な面持ちで打ち合わせに臨まれる方も多くいらっしゃいます。

 

今回で言うと・・・

駐車場の契約状態は満車で売りづらい。

状況が悪いから売却金額が安くなってしまう。

アパートは空室が多過ぎて収益が出ないから投資価値が無いので売れないだろう。

さらに、入居者は知り合いの2組だけ。

倉庫が設置してある土地は借り手がいない(活用できていない)から売れないだろう。

 

不動産は売れないならば、売れる状態にすれば良いのですよ。

 

330㎡ 小規模宅地 事業用の特例。

土地の評価額が大きく下がる活用方法にすることで買い手にメリットを出す。

建物も同様に評価額を大きく下がる活用方法にすることで税は軽減しメリットを出す。

 

地方の広い土地を売って、都心の狭い物件を買う。

小規模宅地等の特例を適応させることで自分たちへの課税額を軽減する。

 

セオリーともいうべき手法は沢山あるのです。

 

なぜ、セオリーなのにネットに書かれないことが多いのか?

安値しか付かなければ、不動産会社は安く買えます。

仲介の仕事で一般市場に売り出しても、簡単に買い手が見つかり仲介手数料が直ぐに手に入るではないですか。

 

とは言いましても、状況やお客様事情により安易にネットに書いて、お客様に損や失敗をさせるわけにもいかないのも情報が出回らない実態でもあります。

 

税を知る人ほど『節税』を安易に口にしないもの

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お客様の事前学習の思い込みがドンドン外れていく処置をしていく売却を成功させていきましたところ、時の運、物件との縁とも言える買い替えも目ぼしい物件と巡り合えました。

 

借入額も2億8千万円のフルローンではなく、頭金を投入し1億8千万円にすることで課税額、キャッシュフローの両面において最適なバランスを生み出すこともわかり、いざ購入手続きへ。

 

借りられるだけ借りて負債を大きくすることが不動産は正しいわけではありませんからね。

 

適正な借り入れ額を算出することは資産の目減りを防ぐことにもなります。

 

投資用不動産で最も危険な謳(うた)い文句が『節税しましょう』です。

これは、一般基礎知識として覚えておいてください。

 

一般的に出回っている知識や常識が正しい情報ではありません。

多くの人が言っているから正しいわけではないのが不動産であると認識してほしいです。

 

顔を合わせて確認したわけでもない情報を鵜呑みにすることは、損を引き起こす可能性を大きくします。

 

気になる情報があったら、確認しに行く。

確認するのは一人ではなく、何ヶ所かに行き情報と知識の整理を行なう。

それぐらいの行動があってこそ安全性は高められます。

 

ネット情報や本の情報だけを仕入れるような効率化ばかり求めた結果、不利益を手にしてしまうことがあるのが現代です。

 

資産目的の不動産は数字で実証できるものです。

『節税』という言葉が引き起こす失敗事例の多さ。

『節税』が分野問わず与えるデメリットを把握しておくことは必須課題と言えるでしょう。

 

税を知らない人間ほど、節税を安易に口にします。

情報は、すべての人に当てはまるものは無いと思うぐらいの警戒心は必要です。

 

イメージに囚われないことで、いろんな可能性、より良い処置を知り世界が開けることがあることは伝わりましたでしょうか?

 

確認作業を具体的に行動に移すことは本当に価値あることです。

ご自身が理解して見極め、この人に頼みたいという出逢いがあると良いと願っています。

 

この事例のお話しは、ここで終わりではありません。

 

今回挙げています事例は、相続対策でネックとなる要因が他に2つも起こりました。

小難し専門的な知識やテクニック以前の問題だからこそ厄介なものでした。

 

長くなってしまいますので、それらを別の記事にして掲載することにします。

是非、お読みください。

 

街の不動産会社、大手不動産会社が問題解決から目を背け、お客様に損が生じてしまおうが問題の根幹をそのままにして突き進めてしまう≪相続対策の実態における問題≫に触れるからです。

 

掲載次第、こちらにリンク機能を付して紹介させて頂きます。


相続税を安くできない?不動産投資7つの罠:その3.ハウスメーカーの事業計画

アパートを建てる際にハウスメーカーが事業計画書を持ってきますが、
皆さん、見たことありますか?
メーカーによって形式も違うし、数字も違うので、どれを信じてよいのかを迷ってしまいがちです。
その前に本当にその事業計画自体が正しいのだろうか?

4億5000万円のアパートを建ててしまって本当に大丈夫?

先日、こんなクライアントから私に相談が来ました。
「銀行とハウスメーカーから相続対策で4億5千万円の借金をして、
RCのサービス付き高齢者住宅を建てる提案をもらった。
本当にこんな借金をして、建ててしまってよいものなのか?借金をするのは怖い。」とクライアントから・・・。
早速、事業計画書を見せてもらいました。
気になる点がいくつかあったので列挙します。

  • ①収支計算まではされているが、キャッシュフローは計算されていない
  • ②借金をして、たしかに相続税は0円になっているが、「債務控除効果」の功罪について説明がなされていない。
  • ③サービス付き高齢者住宅のメリットだけを謳っていること

平気で家賃収入が赤字になるアパート建築を勧めてくる

①の「キャッシュフローの計算がなされていなかった。」ですが、
ほとんどのハウスメーカーはしてません。
よくあるパターンとしては、収支は黒字で税金まで払っているけど、
キャッシュフローが赤字になっているというもの。
今回もそうなってました。
どういうことか?

確かに収益ベースでみると黒字で税金が発生しているけれど、キャッシュフローベースでみると、
借入金の元金返済を考慮されてなくて、赤字=つまり、現金の持ち出しとなり、
保有すればすれほど、お金がなくなる状態に陥ってしまうわけです。
こんなケースを多々見かけるので、是非、キャッシュフローまで追って下さい。

ある時点までは確かに節税効果あり、しかしその時期を過ぎると増加!

②の「債務控除効果」です。
債務控除効果とは、借金をすれば、その効果により相続税が減るというものです。
この案件での懸念は、借金をすれば、たしかに現時点では相続税は0円になるけれど、
先々はそうならずに相続税が発生する可能性があり、資産価値のないものを建ててしまった場合、
負の遺産になる可能性もあり得るということです。
ですから借金が全て正しいというわけではなく、正しい借金の仕方をしないといけないということです。
多額の借金を背負った私からすると、あまり借金はお勧めできませんか・・・。
債務控除効果とは、たとえば借金1億円して、建物を建てたとき、
相続税評価額は1億円のおおよそ半分くらいの評価額になるので、5千万円ぐらいになります。
ですから1億円で建てた物が、5千万円で評価されるわけですから、
差引5千万円相続税の評価額から減ったことになり、結果、相続税も下がるわけです。
しかし、借金の減少額と建物評価額の減少額の差額が年数が経てば経つほど接近し、
ついには逆転することもあるのです。
この案件では、評価額が逆転して、相続税が増加する時点があるのが分かりました。
つまり、被相続人が生きれば生きるほど、相続税が増えていくわけです。
ですから借金をすれば、必ずしも相続税が減るというわけではないのです。

本当にその政策が将来も続くかどうかは疑問

③サービス付き高齢者住宅は、たしかに今、たくさん、建築されています。
建築にあたり、補助金が出るケースもあります。
これからは、少子高齢化の時代で、一見、有効な手立てに見えますが、
介護保険の政府からの支給額は3年に1度、見直されます。
ただでさえ、税収が減っている国に頼るビジネスモデルは如何なものでしょうか?
一度、建ててしまうと、その後の変更にも多額の費用が掛かります。

結局、アパート建築をしないほうが節税になった

以上、3つの点を指摘して、クライアントの方はこの投資を見送りました。
一般的にもハウスメーカーの事業計画には、30年の家賃設定がいい加減、
修繕費がきちんと見積もられていない、空室リスク、賃料下落リスクを考慮していないなどの穴が散見されます。
もしハウスメーカーにお願いしてアパートを建てるときは、プロのコンサルタントを入れて事業計画から見てもらいましょう!


相続税を安くできない?不動産投資7つの罠:その2.大手仲介会社の実情~囲い込みの恐怖~

弊社は宅地建物取引業の免許を持っているので、当然に不動産売買仲介業もやっています。
売り側も買い側の仲介もやります。
時に買い側の媒介契約を結んで物件を探す時に、「囲い込み」をやっている仲介会社に出くわします。
レインズ(不動産事業者しか見れないデータベース)で物件を検索して、売主側の仲介会社に電話をして物件がまだ、販売中かどうかの確認をするのですが、販売中であるにも関わらず

「あー、その物件は買付が入り、終了しました。」

という返事をもらうことがあります。

利益を独占したいために販売中でも売れたことにしてしまう

どういうことか?大手仲介会社は、売り側からも買い側からも仲介手数料を取るようにとの指示が会社の上から出ます。
たとえば、その大手仲介会社に売り出し物件があり、自社の販売網だけで売却することを考えるわけです。
決して外部の仲介会社と協力して販売しようとはしないわけです。
つまり、利益を独占しようとするわけです。
そうすると売り側と買い側、両方から手数料が入る、いわゆる、両手ビジネスが成立するわけです。
この考え方だと決してお客様に顔は向いてませんね。
会社の方に顔が向いているわけです。

手数料収入を得るために嘘の誠意を3ヶ月見せる

もっと、酷いことをやっている場合もあります。
大手仲介会社は、専任媒介契約を取れるとそれだけで
担当者の給与査定がアップするところがあります。
ですから、売主さんになるべく高い金額を伝えて専任媒介契約を結ばせようとします。
一度、結んでしまったら、鋭意販売努力をしているふりをして、3か月ぐらいが経過した後に、「これだけ広告を打っても売却できないので、値段を下げて売ってしまいましょう。」と買取を専門にしている不動産会社に売却します。
そうするとその時点で売り側・買い側から仲介料が入る両手ビジネスになります。
更に、その不動産を購入した買い取り専門の不動産会社の販売の専任媒介契約を結んで、そこでも両手ビジネスをして、3%×4回を実施し、計12%の仲介料をせしめるという阿漕なことをやっています。
私も何度もそういう場面に出くわしています。
先日も某大手仲介会社の囲い込みに会いました。
私が販売の確認電話を大手仲介会社にしたところ「既に終了しました。」
との返答を得たのに、買主様に直接電話してもらったところ、「販売中です。 」と返答をもらいました。
ワールドビジネスサテライトや日経ビジネスで「囲い込み」の特集が組まれて問題視されています。
こんなバカげた商売のやり方を是非、やめたもらいたいです。
一番損をするのは、消費者なのですから・・・。


相続税を安くできない?不動産投資7つの罠:その1.出口のない戦略

これをしてしまうと相続税を安くするどころから上がってしまう不動産に関する7つの罠というのがあります。

それがこちらです。

  1. 出口(最終的な売却や建て直し等の手段)のない戦略
  2. 大手仲介会社の実情~囲い込みの恐怖~
  3. ハウスメーカーの事業計画
  4. 節税って言うけれど・・・
  5. 不動産投資に不動産の知識だけでは、足りません!
  6. 好況時にする不動産投資は愚か!
  7. 少子高齢化時代に生き残るための不動産投資!

それはそれは恐ろしい罠で、私自身がハマってしまったことです。
それでは順番に解説をしていきます。

相続税を安く出来ない?不動産投資7つの罠:その1.出口のない戦略

不動産の勉強をするとどうしても購入したくなって、出口(最終的な売却や建て直し等の手段)を考えないで購入してしまう人をたくさん見かけます。
みなさん、そういう場合、最終的にその不動産投資はどうなると思いますか?
成功裏に不動産投資が終わるのでしょうか?
いいえ、だいたいの場合は失敗します。
どんな物事も段取り8割で決まります。

不動産投資の場合も出口戦略なくして、成功する確率は圧倒的に下がるのは、火を見るより明らかなわけです。
不動産を購入する時点で将来的にこの不動産をどうするかをある程度、想定しておくことが必要なわけです。
当然、景気の動向によって、そのやり方も変わってきますから、何パターンかを考えておく訳ですね。
まず、不動産を購入する時点で

  • ①マクロ経済的視点
  • ②ミクロ経済的視点
  • ③物件の個別要因

を将来的な角度から眺めてみて、どのタイミングで売却するのかをシミュレーションしておくと良いわけですね。

また、

  • 税金面から見てどうなのか?
  • キャッシュフローはどうなのか?

なども併せて考える必要がある訳です。
たまに大家さんや不動産投資家が集まる会などで、「何を購入した」かで話が盛り上がっていますが、いつも
「論点はそこではないんだよなー。」と思いながら、聞いています。

購入したことに満足してしまって、最終的にどうするか、どうしたいかを考えていないのです。
人生と一緒で、“生まれたら死ぬ“わけで物件のライフサイクルを考えながら投資を考えるわけです。
皆さんは、不動産を購入する際は、出口戦略を考えながら購入して頂けると幸いです。


相続税を安くしたいのならこの順番を守ってください

相続税対策で大切なのは~その2.優先順位~

相続税対策をしようとして、節税を一番の優先事項でやってしまっているケースがあります。
その結果、どうなるか?
争族になり、兄弟姉妹間で骨肉の争いになり、相続税すら払えない状況になってしまいます。
皆さん、学校の道徳の時間で「兄弟間の関係」ってなんて教えられますか?

“平等”ですよね!決して、“兄を優先!”なんて教えられませんよね?

昔は長子もしくは、優秀な男子一人が財産を相続するのが当たり前でした。
一族郎党が生き残るための知恵だったのですね!!
今は時代が違いますから、当然に兄弟姉妹間で財産分与をみんなが主張してきます。
よっぽど、被相続人が準備をしておかないと、争いごとになるのは、当たり前の時代です。
全国的に見て、相続税が掛かる人の割合は約8%と言われていますが、争族になる確率は14%と言われています。
特に相続財産が5000万円以下の相続において、争う確率が高くなっているというデータが残っています。

相続税対策での最優先事項は家族円満

現代において相続税対策をする上で最も高い優先順位のものは、「家族円満のためにどうのように相続財産を分割するか!?」を決めることです。
事前に家族間の関係を考慮しながら、遺言書を残しておくことも大切なアプローチになります。

相続税対策の2番目の優先事項は納税資金の準備

2番目に相続税対策にとって重要な優先順位はなんでしょうか?節税でしょうか?
まだ、節税ではないのですね!!
2番目は納税資金の準備です。
日本人の資産家に多いパターンは、不動産はもっているが、流動性の高い現金等が少ないというものです。
いざ、相続になり、換金性の低い不動産ばかりだと、遺産分割協議書でもめたり、土地測量図作成時の隣地境界線でトラブルがあったりすると10か月以内の相続税申告時までに納税ができずに、減税の特例が使えなくなったり、高い延滞税を支払わなくならなくなったりして、非常に損失が大きくなります。

これらを考慮すると事前に相続税の納税資金を準備しておくことが重要なわけがお分かり頂けると思います。

相続税対策の3番目が節税

3番目の相続対策の優先順位でようやく、節税が来るのです。
節税も相続税だけでなく、消費税、固定資産税、所得税、不動産取得税なども考慮してスキームを組むことが重要です。
また、節税だからといって、資産価値の低い不動産を借金をして購入するのは、後日、しっぺ返しが来るので、その辺もプロのアドバイスを聞きながら、慎重に進める必要があります。

大前提として、0番目の相続税対策があります。
現状分析です。

いったい、今、どれだけの財産があり、相続税評価額はいくらで、借金はいくらあり、相続人は何人いて、相続税はどれくらいかかるのか?

実は、ここをきっちり調査しないと、相続税対策はできません。
当たり前のことですが、ここを押さえずに闇雲に相続税対策をしている方も見受けます。
もう一度、相続税対策の優先順位復習ですが、

  • 0番目 現状分析
  • 1番目 「家族円満のためにどうのように相続財産を分割するか!?」
  • 2番目 納税資金の準備
  • 3番目 節税

是非、この順番を考えながら、相続税対策を練って下さい。


相続税を安くするならこの事前対策をしておけばOK!

相続税対策で大切なのは~その1.トータルコーディネート~

皆さん、相続税対策をしようと思った時に思い浮かべるのはどんな専門家ですか?
最初に浮かぶのは、税理士さんか弁護士さんでしょうか?
さて、彼らにその対策をお願いして、十分な成果が得られるでしょうか?
と、その前に相続税対策に必要な範囲を考えてみましょう!

相続税対策では、相続税以外も必ず確認

まずは、税金でしょうか?相続税対策と銘打っているので、当然、税の知識は必要ですよね。
ここで注意しなければいけないのが、相続税対策して相続税は下がったけど、大幅に固定資産税、消費税や所得税が上がってしまってはキャッシュフローが悪化してしまい、財産を目減りさせてしまい、本末転倒になってしまいます。

相続税対策をするときも、同時に相続税以外のその他の税金にも目配せをしてトータルの税額を減らせないと本当の意味の対策にはなりませんよね!?

ですが、意外にこの辺の事を見落とされています。

相続税対策には法律も知らないと損をする!

次に相続税対策に必要な範囲としては、法律でしょうか?
法定相続人は民法により決まってますし、有効となる遺言の書き方等も法律で決まっています。
また、不動産を所有している方は相続後に所有者変更登記をしなければなりませんので、登記の知識も必要です。

高齢化社会ですから、後見制度や任意後見制度を使うこともあるでしょうから、それらの法的・実務的知識も必要になります。

相続の半分は不動産

その次は、不動産の知識でしょうか!?
日本人の資産家の財産の半分は不動産と言われています。
当然に不動産を使った節税=相続税の低減は必要ですが、矛盾することが起きる可能性があります。
先日、こんな税理士さんに出会いました。
相続税が下げられるという理由で滋賀県の利回り12%のアパートを売りまくっていました。
その物件の詳細を見ると、主要駅から近いわけでもなく、正直、今後、資産価値が上がることが望めないものでした。

日本の現状は少子高齢化を向かえ、建てれば入る時代は終わってます。
もしアパートを購入するならば、その日本の状況でも生き残っていける条件のものを買わないと意味がありません。

確かに相続税は下がるでしょうが、資産価値のないアパートを買うことで後程、処分にも困ることがクライアントに取って良いことでしょうか?

つまり、この矛盾は、相続税は下がったけれど資産価値のない不動産を手に入れてしまったことです。

これは、笑えない現実で日本のあちこちでこの手に引っかかっている人が続出しています。

相続税対策に不可欠な生保・信託

その次の相続税対策の範囲は、金融です。
相続税の納税資金として生命保険を活用したりします。
また、法的な部分とも絡みますが、信託を使った仕組みを利用します。

法人と財務の処理

最後の範囲に法人や財務です。
資産家の方は得てして、法人を所有しているケースが多いです。
その時に、事業承継、株価、財務の知識が必要となります。
世に言う相続税対策は各専門家が勝手な事を言い、勝手な対策をし、結果、バラバラな対策で調和が取れず、クライアントに取って、あまり良い成果が出ないものばかりが出回っています。

相続税対策をするには、どんなことがあってもトータルコーディネートできる専門家にお願いしてください。
そうじゃないと必ず、失敗します。