土地活用

相続対策で土地活用の甘い罠!3つの見極めポイント

今回は、担当者によってコストや相続税の合計が1億円以上も増えてしまうところだった事例のお話しです。

生前相続税対策というのは、観点や価値観で全く別物の計画になるのが怖いところであり、遣り甲斐にも通じるものですね。

 

土地活用(建設工事を行い事業用不動産に転換)は、掛かるお金が莫大です。

それゆえ、1つのズレが大きな金額となって跳ね返ってくる。

そのリスクこそ、最も認識しなければならないことでしょう。

 

その中でも、被相続人と相続人、携わる専門家の三者それぞれの価値観が、どういった影響を出すのか?

そこに触れる3つのポイントが、1つの事例で過去にありましたのでお話しします。

 

≪ 目次 ≫

事業や業界の裏側を知る

適正なお金の2つの視点

地域特有の税の観点

 

お客様背景

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お話しに挙げますお客様とのきっかけは、大家さんの為の定期的な勉強会。

そこで講演させていただいていますもので、内容に大変喜んでくださり声を掛けてくださいました。

 

東京にお住まいですが、広島がご実家のお客様。

聞けば、既に頭を抱える事態になっていると。

 

所有不動産だけで合計6億円 相続性の課税額が2億4千万円!

相談者は当事者ではなく、相続人(ご子息)。

 

当時、どんな提案を受けていたのか?

 

スタートは何事も現状の確認からですね。

悩みの種は、どこからなのか?どんなものなのか?

 

結論から言いますと、借金作って課税額を相殺させて納税を免れましょう、というもの。

提案者はと言いますと…大手ハウスメーカーでした。

 

「4.5億の建設費を掛けて、借金で課税は消せるから建てましょう!」と。

 

造る内容はと言えば、サービス付き高齢者住宅

この大手ハウスメーカーは、近年、アパート経営よりも高齢者ビジネスにシフトチェンジしている傾向が、そもそも目立ち始めています。

 

「うちは実績ありますから!」

 

いや、恐いものですから!

実績うんぬんで済まされるものではないからです。

 

その辺りを少し解説させてください。

 

事業や業界の裏側を知る

【高齢者対象のビジネスの盲点と闇】

まず、サービス付き高齢者住宅のお金の流れを下の図で知ってください。

(出典:厚生労働省)

介護保険と財政

高齢者住宅は、補助金を目当てとして建築動機を高めていくハウスメーカーや建設会社の営業トークを多く耳にします。

 

この補助金、社会保険が財源となって支えているものです。

補助金により運営状態が向上、安定しそうですね。

けれど、保険料率が刻々と変化していることは皆さんもご存知でしょう。

これが何を引き起こしているのか…

 

見直しにより収入が減り、介護業は3年毎に施設が潰れているという事実です。

 

介護施設の建築に何故、運営をしないハウスメーカーが実績をうたうのか?

それは、排水管1つを取っても特殊だからです。

動線に至る配慮にも、そうです。

 

裏を返せば、建物を建てても事業主が運営で下手を打てば、その打撃は土地の所有者であるお客様に及ぶもの。

一度建てたら、壊すにもお金が掛かります。

 

事業が失敗した地で、決して広くない介護施設業界で、他の会社が事業を行いたいと手を挙げてもらえるか?

 

大変に厳しいでしょう。

それも地方となれば、一層に。

 

もう一つ、提唱したいことがあります。

それは、この補助金が我々の血税だということです。

 

その社会保険を使った建築ビジネスだという認識です。

 

毎年の行政の予算は、使われた分に対して社会からの必要性を推測し決まるもの。

つまり、使うほどに予算は割かれてしまい、本来使ってほしいところに予算が回らなくなります。

その弊害もまた、意識に置いておいてはいかがでしょう。

 

将来、自分たちの首を絞めるという現実に繋がっているんです。

 

誰しもが、他人事じゃないです。

子どもに、お孫さんに影響、もしくは迷惑を掛ける発想と行動にもなり兼ねませんよ?

 

行政からのお金については常に、次世代、更に次の世代の目線になって考えることを忘れてはいけない情勢なんですよね、実際問題。

 

事業、業界というのは誰しもが上手くいくわけではありません。

なのに、ことさら建設や不動産業界の人間というのは『経営知らずが経営計画を立てている』という事実を冷静に受け止めましょう。

 

その事業で上手くいくコツは?

(実際に、『あなたが』どこまでインタビューしている?)

 

業界の上手くいかない時の原因は?

(途中経過を見たことは?終わり方は知ったうえで話してる?)

 

計画(経営)を知るとは、良いことと悪いことの両面を押さえて初めて、判断力は身に付くということです。

 

適正なお金の2つの視点

高齢者住宅

補助金の問題、それはそれとして・・・

そもそも論として、建設費が高すぎでした。

 

「これは、無い…」

 

建設費4.5億円は、計画内容からはやり過ぎでした。

キャッシュフローが回らない(利益が残らない)計画。

当然 提出されていた収支計画表は表面上は利益が残るように≪現実とは違う≫内容で作られていました。

 

なぜ、こんな計画でも検討しなくてはいけなかったのか?

そこの理解からしないと…そう思い、物件状況を調べたところ分かりました。

 

所有アパートの1階にはテナントの区画がありました。

そこを借りているのが、まさかのヤクザ絡み…

 

テナントとの退去話しについて、ハウスメーカーからの「話しをまとめてあげるよ」という言葉に、助けられたような思いから無下にすることが出来なかったようです。

 

土地活用や相続対策は、数字と制度と計画の話しです。

退去提案を上手にまとめ上げることと、利益が残らない計画でも提案することは別次元の問題なのですが、情で流されることが珍しくない世界でもあるのが現実です。

 

数字と情が混同されていることにも、運営計画が成り立たないことにも、一般の方には見極めが難しいものです。

事情ではなく、幾らかの時間から生まれた情であれば特に・・・

 

セカンドオピニオンとなる方が見付からない場合には、せめて相見積もりはすることをお薦めします。

 

同じ事業(今回でいえば介護施設)での見比べだけではなく、純粋に土地活用と相続対策を掛け合わせた場合、どのようになるのか?

『自由発想による提案』の見比べですね。

 

計画というのは、一般の方は必要な項目の漏れ、内容の正否は分かりません。

 

表の下段の収支がプラスかマイナスかで判断してしまいがち。

相場確認(金額の正否)は、先方に失礼と思ったり信用関係に影響するとして敬遠しがち。

 

この2点こそが計画の『成否』を分けるものだということを、決して心を緩めずに確認してください。

 

地域特有の税の観点

確定申告書

相続対策をするにあたり、建物の事業内容のご提案から見積もり、運営計画まで挙がっていたのですから、取り組み開始からそれなりに時間は経っていました。

それでも、計画内容の組み換え案を提案した甲斐もあり建築計画の実行はストップすることができました。

 

ただ、本格的に生前相続税対策に踏み込むには至りませんでした。

遠方地域特有のストップが、私の提案内容に掛かったのです。

 

お父さんがこれまで税務を頼んでいる税理士からの提言によってです。

 

まず、「税理士の基本的役割は何か?」

そう問われたら、あなたなら何と答えますか?

 

「節税」

「出来る限り課税されない工夫をすること」

そう答える方は多いことでしょうね。

 

でもそれは、期待している効果であって、税理士の本来の役割ではありません

税理士とは、税をきちんと納めさせる役割を担う者を指します。

 

地方に行くほどに、税を納めさせて初めて存在価値を認められるものと認識しています。

さらに、遠方の税理士にいたっては大半が

「節税なんて言葉は無い」

正義感に似た感覚で強く思っています。

 

地方税は、街の為、ひいては自分達の為になるものなのだから、きちんと納めてもらってこそ、存在価値としての役割を果たしていると自負している方がたくさんいらっしゃいます。

 

キャリアが長い税理士であれば、あるほどです。

これも一種のジェネレーションギャップであり、地域の特性と言えます。

 

人口の違いを考えれば、財源問題は深刻な悩みの種。

理解できないわけではありません。

 

結果、お客様であるご子息の皆さんが困ってしまう状態になってしまうんですが…

これが、セカンドオピニオンをお願いしても、ベストな相続対策が実現できない要因のひとつです。

 

さらには、物件の最終決裁者であるお父さんは、毎年の長者番付を愉しみにしている方だったのです。

何故なら、ご自身がそのリストに載るから。

 

長者番付は、一年間の頑張りが形となって目にする機会。

誰でも、その立場になれば愉しみになるのは、容易に想像が付きます。

 

お気持ちは分かるのですが、生前相続税対策ではパワーバランスが最も大事です。

お父さんだけが、決裁権を持っている状態では話しも対策も進みません。

 

決裁権が相続税の重さを理解している人かどうかによって、動けないということです。

納税を自尊心と結びついている方(お父さん)と、納税してもらうことを役割とする方(税理士)が決定権と計画者とあっては…ご想像いただけることかと思います。

 

私の言葉は、建設計画のストップまでしか届かず保留に。

無謀な計画は阻止できましたが、踏み込んだ本来の私の役割としての提案までには至りませんでした。

 

税金に対しての観点や価値観が計画そのものの主軸を変えてしまうことは珍しくないことを覚えておいて頂けたらと思います。

 

地域貢献を何より優先したいのであれば、課税額を押さえることと本来やりたいことが合い反してしまうことの認識もまた、しておくことをお伝えいたします。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

事業や業界の裏側・適正なお金の2つの視点・地方特有の税の観点の3つのお話し。

 

それぞれが正しいと思っての言動です

私に期待されている役割が節税に繋がる対策だからこその視点とも言えます。

今回登場したそれぞれの方からしたら、私もまた考え直しを言いたくなるものなのかも知れません。

 

大事なことは、当事者であるあなたが、どんな結果に導いてほしくて、どんな価値観によって知識を活用する人を探したいのか?

 

ここが最も大事な選定基準だということです。

オーダーを間違えれば、「言わなくても分かっているだろう」という思い込みから、自身の望みとは違う優先事項で対策は練られてしまう怖さもまた自覚してください。

 

望めば叶うのではなく、望みは口に出して共有してこそ実現するんですよね。

想いをきちんと伝えられる人、受け取れる人に声を掛けてみてください。

 

きっと、相続をきっかけに他の大事なことにも、ハッとするような変化や気付きを与えてくれる出逢いになることでしょう。


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【1,600万円の課税ミス!資産税に特化した税理士を探しましょう】

今回は、士業を安易に選ばない方が良いというお話しです。

相続対策後の確定申告こそ、重いものです。

税の特例は何を使うのかの手続きなのですから。

 

何事も、完了したと思った時の気の緩みほど怖いものはありません

そんなお話しです。

 

≪ 目次 ≫

お客様内容

計画を壊すのは、常に部外者

目の前の功績か?積年の恩恵か?

相続に長けた専門家は逃げない

チームで動いている理由を今一度

 

お客様内容

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お客様は、私が相続事前対策を無事に完了することが出来た方。

 

自宅に近い地元の税理士へ確定申告をお願いしたことで発生。

毎年50万円以上の損をし続けることが確定してしまったのです。

 

キャッシュフローが芳しくない駐車場利用地を売却。

その資金を元手に、都内の好条件のアパートに買い替え。

これにより、相続税の大幅な減額、毎年安定した収益の見込みとなりました。

 

この他にも、お父様の体調不良もあり、自宅の生前贈与をお母様へ。

 

払うものは払います。

支払額の見通しが付いたことで相続税を支払う目処も、方法も確立できました。

 

家族に、いつ、何が起きても慌てふためくことなくなりました。

これで心静かに追悼できるように整いました。

 

計画を壊すのは常に部外者

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年が明け、確定申告の時期。

対策構築の完了から時間も空いていました。

確定申告の手続きについて確認も含めメールでご相談が寄せられました。

 

『確定申告は、地元の税理士に頼もうと思っています。』

 

!?

これには、目を見開いて驚いてしまい、電話でお話しすることとしました。

 

大事なことなので、もう一度、お伝えします。

覚えておいてください。

相続の事前対策をしても損をするケースは、確定申告への気の緩みです。

 

「●●さん、前から私は言っていましたよね?絶対に、私が紹介する資産税に強い税理士さんが良いですよ、て。」

「相続対策の手続きも、紹介した税理士さんに頼んでましたよね?」

 

お客様「はい…」

 

「資産税とか相続案件は、それに特化した人間でないと、ミスが起こりやすいものなんです。」

「相続は、10人いたら10人違うと言われるぐらいに難しいもの。資産税も同じですよ!」

 

納得したような反応だったので電話を切りました。

けれど、結果としては地元の税理士さんに頼んでいました。

 

確定申告は済ませたと報告があったので、念のため申告内容を送ってもらいました。

それを相続対策手続きでお世話になった税理士へ情報共有しておきました。

 

確認してくださった直後でしょう。

『血相を変えて』とは正にこの事と分かる声で電話が掛かってきたのです。

 

「杉浦さん!これ、ヤバいよ!!」

 

目の前の功績か?積年の恩恵か?

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先に申し上げた通り、自宅は生前贈与。

駐車場利用地は、都内のアパートに買い替えました。

 

そう、大きなことではこの二点

これらを上手に組み合わせられていなかったのです。

 

その他にもチラホラと小さな不備もありました。

しかし、それもカワイイものと思えてしまうほど。

 

何が抜けていたのか?

 

①夫婦間での自宅の贈与は無税に出来た

 

≪夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除≫

20年以上の婚姻期間のある夫婦への特例。

自宅の贈与、または自宅を取得(購入)する際の金銭の贈与が2,000万円まで控除される制度。

その他にも適用要件があります。

こちらの国税庁のホームページでご確認ください。

 

相続事前対策チームの見立てでは贈与税は0円

ところが、申告内容では税額400万円が挙げられていました。

 

②買い替え特例を使ってしまった

 

≪事業用の資産を買い替えたときの特例≫

個人が、事業用不動産(譲渡資産)を譲渡(売却)し、一定期間内に特定の地域内にある資産(買替資産)を取得し、それを1年以内に事業用として稼働させた場合、一定要件を満たせば、譲渡益の一部への課税を将来に繰り延べることができる制度。

その他にも適用要件があります。

こちらの国税庁のホームページでご確認ください。

 

確かに特例を適用させたことで譲渡税を大きく軽減することができはしました

確定申告時だけを見ればトータルの課税額は2,000万円から400万円になりました。

 

けれど、『税の繰り延べ』とは、支払い免除(控除)ではありません

この勘違いをされている方は、一般家庭の方から資産をお持ちの方まで大変多くいらっしゃいます。

 

これが、厄介なんです。

 

税理士「特例を使ったことで2,000万円の支払いを(現在は)しなくて済みましたよ。」

 

そう言われたら、お客様は大喜びですよね。

税理士を感謝しますし、頼んで良かったと思われるでしょう。

 

ところが、落とし穴は来年以降、物件を持ち続ける限り損をし続ける。

そんな手続きをされていたのです。

 

買い替え特例を使わず、譲渡税を払う。

この流れにすることで毎年の所得を減らすことができたはずでした。

 

特例を使ってしまったことで、ざっくりの計算になりますが毎年50万円以上が課税されるのです。

物件を持ち続ける限り…

 

資産運用における損失を考えるうえで大事なことがあります。

2,000万円-400万円の1,600万円を単純に50万円で割る話し…

32年分の損の話しではありませんからね?

 

その毎年の50万円は、運用で30年後には数千万円の差になるという話しです!

1世代の数千万円の差。

お子さま、お孫さん…考えるほどに相続の損失とは膨れ上がるもの。

 

裏を返せば、きちんとした手立てによる年間数十万円の差は、1千万円単位で生活に余裕を生むことができる話しです。

 

事業用資産の買い替え特例は、他の制度との併用ができません。

だから、配偶者控除(繰り延べとは違い、税の支払い免除)が出来ず、400万円の贈与税が申告されていたのです。

 

税理士さんは、無駄なお金の支払いを防いでくれる専門家と認識して人選するでしょう。

申し訳ありません。

本当に仕事のできる税理士さんは、お金を殖やすことにも勤勉なものです

 

だから、『今回の申告で幾らの支払いを抑えた』ではなく、『長い目で見た時のトータルコスト』としての提案が正しいとなるのです。

 

相続に長けた専門家は逃げない

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ここまでの話しを伝えたところで、いろいろと確認したくなりました。

 

「税理士から、この説明は聞いていましたか?」

 

お客様「いや、聞いてないです…父は説明を受けていたようですが。」

 

92歳のお父様にだけ説明し、これから不動産運営を担う息子さんには説明をしない。

地元の税理士のやり方に憤りを感じました。

 

過ぎてしまったことを愚痴っても仕方ありません。

修正申告をしてもらうことが先決です。

 

依頼したという税理士に連絡を取ったところ

「(申告期限である)3月15日前は広島にいて対応は出来ないですね。」

「そっちでやっといてください。来年からも、そっちでやって良いよ。」

 

・・・そういうことではない!

 

私に税理士を叱責する権利はありません。

言いたいことは山ほどありましたが、言って解決にもプラスになることもありません。

不快な態度を取ったことで資料提供に支障が出たら、元も子もありません。

 

相続事前対策チームの税理士さんがお客様と連絡を取り、申告のし直しをしてくれました。

それもご厚意で。

事の深刻さが分かっているとはいえ、頭が下がる一方です。

 

しかし、事業用資産の買い替え特例は選択制での適用のため、修正は認められません。

 

事の大きさ、損失額を考えれば損害賠償ものです。

 

とはいえ、お客様をけしかけるわけにはいきません。

こちらから言うのは止めよう。

言われたら損害賠償できることは教えよう。

わざわざ揉めごとを起こす必要はないか…

 

穏便なお客様ゆえ、訴えに発展することなく、出来る限りのことをして欲しいというお願いだけでした。

 

チームで動いている理由を今一度

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ご依頼時にも計画進行時にも、何度も言います。

相続に長けていると言える専門家がチームにならないと結果が出せない、と。

 

それゆえに、今回のお話しのように

「この部分は、安く済ませられるあの業者に任せよう」

そう考えるのは、本当にリスクです。

そして、計画とは違う進め方で大きな損をする・・・

 

これは、本気でお客様の想いに取り組む人間にとってショックな出来事です。

それぞれの分野の専門家が見解を述べて、他分野の見解を取り入れた配慮から成立したものが計画です。

 

パッと見で分かるものもありましょうが

「なぜ、ここでこの非効率を?」

チーム外の人間からは、そう見えるものにも意味があります。

 

だからこそ、国への報告・処理が終わるまでは、どうか安易に考えては欲しくないのです。

 

相続案件のほころびは、物件を持っている限り損をし続けてしまうものです。

とくに不動産は10年は先を見る事、10年は保有しないと損を生むことが大半。

 

今回は、計画のほんの一部の損で済んでいますから、利益を生むキャッシュフローは成立しています。

 

お金の余裕や欠損は、物件の息を長くも短くもするものです。

目の前の小さなほころびも、後々に大きくなって返ってきてしまいます。

どうか、お客様もまたチームの一員としてご参加いただければ、幸いです。


理論

【銀行の言い分を鵜呑みにしない!理論派不動産プロが暴いた銀行の不誠実】

今回は、銀行からの突然の連絡を真に受けてしまっていたら、何千万円の損をしていたか分からない事例のお話しです。

 

この事例は、よくある不動産によるお金の損だけではありません。

お客様の人生そのものが成り立たなくなる提案内容でもありました。

 

銀行との交渉経験が何度もある私への相談で、本当に良かったと思っています。

 

始まりは、高校の友人からの紹介でした。

10年以上も会っていませんでしたが再会した際

『話しを聞いてあげてほしい人がいるんだ。』

と相談を受けました。

 

銀行から知人に持ち掛けている話しが

正しいことなのかを診てほしい、と。

 

≪目次≫

1.物件状況

2.銀行からの不当な言い渡し

違約を検証

関連会社の言い値を検証

3.状況の整理

人生まで変わってしまう

心で事情を汲み取る

4.糾弾に値する銀行からの追加条件

 

 

物件状況

地続きの2つの土地。

北側の土地には母と弟の自宅を兼ねた作業場。

南側の土地に、27年前に3,500万円を借り入れして自宅兼アパートを建築。

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現地には南北の二面に道路があります。

しかし、水道やガス管などインフラ設備は北側道路にしか通っていません。

 

インフラ設備の引き込みというのは、配管に異常をきたした際に備えて建物を配管上に建てることは避けます。

結果、北側道路からの配管の引き込みラインがアパートへの導線(通路)にしたそうです。
引き込み

時は経つも27年間、銀行への返済は滞りなく進めていました。

ご相談当時のアパートローンの残債420万円。

あと数年で完済。

 

ところが突然、銀行が言ってきたことは…

 

銀行からの不当な言い渡し

立ち退き

階段が越境し、違法建築物になっている。」

「これは違約に当たるので、違約金が掛かる。」

 

そう言って

一括返済か?

工事をして違法建築を改善するか?

決断を要求してきたそうです。

 

検討するにあたっての予算の案内は

インフラ設備を南側道路から引き直し費用

550万円

 

そんな大金

おいそれと払えるものではありません。

 

その状況を先読みしていた銀行の更なる提案内容が、こちら。

「お金は、北側の土地を売れば用意できる。」

「関連会社が1坪90万円で買い取ってくれる。」

「それで建築基準法に則った改修工事をすること。」

 

 

どんな状況でも鵜呑みで話しを進めることだけは止めてください。

銀行であろうと、相手の言い分の正当性はきちんと検証することが大事です。

 

違約を検証

チェック

まず、最も心理的に追い込まれてしまう原因から診ていくことが大事です。

これは、手立てを考える猶予の確認にもなります。

打てる手と打てない手の分かれ道です。

 

今回では、違約の件ですね。

 

違約の言い分には、契約書の法的観点が必要です。

弁護士によるチェックです。

 

本件を得意とする顔見知りの弁護士に依頼。

 

弁護士選びで気を付けて欲しいことがあります。

それぞれの事務所、弁護士ごとに得意な分野が分かれていることです。

 

世間一般では、弁護士は問題事のすべてを対応できると思い込んでいるようです。

 

それは大きな間違いですね。

本当に自信がある弁護士ほど、どの分野に強いのかを明記しているものですよ。

 

ご紹介してくれるような知人がいない場合

出来るだけ分野を絞り込んで打ち出している人を尋ねて行きましょう。

 

本件の検証結果は、違約に当たらない

脅し文句であることが判明したわけです。

 

こうなると、他の話しも疑わしいものですね。

 

関連会社の言い値を検証

査定

1坪90万円の売却金額が適正か?

そこを確認してみました。

 

銀行から「関連会社が買う」と言われると

親切な対応をされているように聞こえるから怖いですね。

 

ここは、私の仕事です。

調べてみると1坪120万円で買う取引相手が見付かりました。

 

銀行の関連会社は、随分と買い叩いた金額設定を言い渡していたのです。

もう、こうなるとすべてが信じられませんね。

 

だからこそ、インフラ設備の引き直し工事費用

ここを信頼できる会社で見積もってもらいました。

 

工事費は、安かろう悪かろうが多いもの。

それでは、後々大変なことが起こり兼ねません。

 

そういった、こちらの意図も汲み取れる会社に見積もりはお願いしました。

 

相場は、200万円も見込んでおけば十分だと分かりました。

銀行が提示した550万円の見積もり

これもまた、脅し文句だったのです。

 

 

ここまで言い分が信用性を欠くものでした。

このまま同じ銀行に借り入れを残しておけば、次に何を言われるか分かりません。

 

問題の根本を断ち切ることが最善と考えました。

ご提案したことは、借り換えです。

今回の銀行との関係そのものを断ち切ることです。

 

状況の整理

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銀行からの脅し文句はさておき

状況を整理しましょう。

 

  • 外付けの階段が違法建築の原因
  • インフラ設備の状況が価値を二束三文にしてしまっている。

 

この現状では土地を売るにしても買主が融資承認を得られません。

その為にも、上記2点の改善は必須です。

 

でも、検討課題はそれだけではありませんでした。

 

インフラ設備を南側道路から引き直す。

単純に北側の土地を売る。

 

これだけでは問題が生まれてしまうのです。

 

  • 自宅の玄関の向きまで変えてしまうと工事費が大ごとになる。
  • 自宅に母と弟の居住スペースと作業場を組み込む工夫が必要。
  • そして、売却資金だけでは足りない

 

銀行の提案内容

インフラ設備工事費は2倍以上の見積もり。

1坪あたりを買い叩き金額で提示。

 

銀行や、その関連会社に工事業者の手配などを頼っていたら、工事費用の追加融資を受けていたことでしょう。

 

 

人生まで変わってしまう

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『お金だけではなく、人生まで変わってしまう。』

冒頭にお話したことは、ここなのです。

作業場と自宅を取り壊さない限り、土地は売れないのです。

 

新しい作業場を借りるにしても、賃料とリフォーム費用が必要です。

新しい住まいにも、賃料や購入費用が必要です。

 

作業場は音の問題もあるでしょう。

長年のご近所とのお付き合いや理解で仕事が続けられていることもありましょう。

だからこそ、作業場が近くに見付かるとも限らないのです。

 

今は職住一体です。

90代のお母様に何かあれば、直ぐに気付けます。

1分もしないで直ぐに駈け寄れます。

 

それが出来ない不安。

ここまで見込んでいた生活設計、気持ち、努力。

そのすべてが意味を成さなくなるのです。

 

お金は借りられれば、いいのか?

返済できれば、いいのか?

 

違います。

 

大事なことは、今の暮らしだけではありません!

将来の暮らしも見通した資金計画と実現なのです。

 

 

心で事情を汲み取る

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この事情を心から汲んでもらえる、信頼する一級建築士に頼みました。

結果としては、売却資金内で収める案が見付かりました。

 

その案に至るまでに、どれほど話し合いを重ね

どれほど頭をひねったことか…

 

概要だけをお伝えします。

  • 北側道路からの導線を確保して玄関の向きを変えない。
  • 増築せずに居住スペースと作業場を造る。
  • 階段の向きは南側道路に向ける。

(敷地内に収める)

  • 売却予定地は下図の黄色いエリアとする。

売却エリア

 

工事費が高くなる要素の徹底排除と快適さのバランスの追求です。

 

融資の機会を作ることが仕事の人間(銀行)と

資金計画の尊重が仕事の人間の違いです。

 

幸い、売却相手は見付かっていましたので、資金計画は見通しがつきました。

 

物件状況の改善計画が明確に出来たことで、買主様の融資承認も、お客様の新たな金融機関での借り換え承認も得ることができました。

 

と、ここで終われば良かったのですが…

 

糾弾に値する銀行からの追加条件

金融庁

銀行から最後まで嫌がらせがありました。

 

順調な返済をしている完済見込み不動産経営者は、当然に優良顧客です。

お客様にとって本当に価値のある次の融資提案のチャンスが待っているのですから。

今回のお客様は、まさに優良顧客です。

 

借り換えは融資担当者にとって

これほど恥ずかしいものはありません。

ましてや、優良顧客。

 

借り換え先が見付かり、銀行に借り換え手続きの為に連絡。

すると、驚くべき条件を2つも付けてきました。

 

一つ目。

決済の前日までに残債の一括返済

出来なければ、抵当権抹消書類の協力をしない、というのです。

これは非常識にも程がある内容です。

 

ご説明します。

借入先の変更も通常の不動産購入でも同じ話しです。

 

不動産における借り入れをする場合

  • 融資の実行(借入者の口座への送金)
  • 購入(所有権移転登記)
  • 抵当権設定登記

 

この3つの手続きは、同日が大原則です。

お金の持ち逃げ防止、お金の使い道と融資申請理由を一致させるためです。

 

また、以前の借り入れが残らないことが借り換えの条件です。

抵当権抹消手続き(完済したことの登記)も必要です。

 

今回の場合は、4つの手続きが同日でなければ金融機関としては安全な融資とは言えません。

 

私としては、例え金融機関が融資を認めても

何かあった時に私が責任を取れない進行を承認するつもりはありません。

 

条件を出してきた銀行でさえ応じない内容を条件にしてきているわけです。

 

自社が認めない進行を提案することの非常識さは、容易に想像できるものかと思います。

 

そして、2つ目。

返済を受ける側である銀行が司法書士の指定までしてきたのです。

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「うちの指定する司法書士じゃなきゃ認めない。」

 

ここまでのことをしてきた銀行が手配した司法書士を誰が信用しますか?

銀行は、司法書士に仕事を紹介した場合や火災保険、生命保険の契約を取り付けた場合に、紹介料を受領します。

 

司法書士の料金においては、注意が必要です。

こちらが手配した見積もりよりも10万円を軽く超える金額が上乗せされることも珍しくありません

 

 

金融機関ともあろう立場が、すべての金融機関の共通融資ルールを無視した条件を突き付ける非常識さ

 

でも、銀行との交渉に慣れていない並大抵の不動産会社ならば屈してしまうでしょう。

だから条件提示をしてくるのです。

 

銀行には利点が2つはあります。

借り換えは断念させられる。

追加融資額も出来る。

 

業績も保身も叶います。

 

お客様にはデメリットのみ。

今後も銀行からの申し出に不安を抱えることに。

 

借り換え断念の余波は大きいものです。

工事費です。

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工事費は、建築士と工務店のこれまでの付き合い。

建築士の交渉能力が鍵を握っています。

 

ここが違うだけで1000万円以上の差が出ることもある世界です。

 

もしも、銀行主導で他社へ相談していたら多額の差が出ていたかも知れません。

 

私は銀行への交渉経験が幾度となくあります。

交渉を重ね、条件の撤回を認めさせました。

 

条件を撤回させても、さすがにここまで受け入れ難い条件。

お客様の人生が狂ってしまうことを軽く考えられたことを、簡単に流してはいけないと思いました。

 

他の人にも同じことをするのではないか?

怒りと心配がありました。

 

私はお客様に

「金融庁へ申し立てに行きましょう。」

そう切り出しました。

 

しかし、お客様は

「事を荒立てなくてもいいよ。」と。

 

金融庁など関係各所への申し出により、条件撤回と再発防止は出来ます。

けれど、お客様の意図を汲むと

人ひとりの人生もまた狂わせることにもなる配慮が、そこにはありました。

 

「私自身は、杉浦さんが条件を撤回してくれたから、実質的な損はないじゃない。」

 

お客様のお気持ちが最も大事なことです。

私は、頭では分かっていても、かなり悩みました。

苦悩した末、糾弾することを辞めました。

 

銀行担当者は、知らないところでお客様にキャリアを救われていたのです。

当然その本人は知る由もありませんが。

 

 

ご相談から借り換えが終わるまで、ここでは語れない数々のご相談がありました。

自分たちの顛末を考えるとは、どういうことか?

 

ご相談ごとに、そんなやり取りをさせて頂きました。

その結果、このお客様からも嬉しい言葉を頂きました。

「杉浦さんの仕事は相続対策ではなく、人生相談ですね。ありがとうございます。」

 

 

この言葉が、私の心もまた救って頂きました。

 

いかがでしたでしょうか?

銀行からの申し出を鵜呑みにしてしまう怖さ。

 

銀行や担当者からしてみれば、関係会社には確認した当たり前の移住計画でしょう。

 

でもそれは、あなたの家族みんなの人生を狂わせる可能性もあるのです。

本当によく考えてから動いてください。

 

今回は担当者が自分で仕掛けて、最後には借り換えられてお客様を失ってしまう。

そんな当然の報いがありました。

 

ドラマのようなことが現実に起こる

それが不動産です。

 

追い込みや恐怖心など負の感情をあおるような提案には、まず冷静になる為にも疑ってみるのも手立ての一つです。

 

大事なことは、落ち着ける状態を作ることです。

 

一般の方には分かりづらい業界だからこそ、付け入る隙を狙って業績を上げようとする人間もまた生まれやすいのです。

 

少しでも理解できる基盤づくりに役立てられたら幸いです。


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8,000万円の差が出た!元不動産営業マンの聞きかじりの不動産投資知識が最もキケン!相続対策専門家が大事にしている『状況判断と優先順位』

相続対策、相続手続きで問題が起こるのは、税理士などの士業、不動産会社や生命保険会社の担当者といった外的要因となる専門家だけが原因ではありません。

 

ドラマではありませんが、身内や相続人が意図せずに問題を引き起こしてしまうことが実際にはあります。

そう考えると相続は怖いですよね?

 

特に『ちょっと知っている状態』というのは善意が損に繋がることもあるので、気を付けてくださいね。

 

このコラムで、知識だけに頼ってはいけないポイントを知って、適切な判断が行なえるようにしましょう。

 

今回は、コラム銀行の『融資しますよ』に惑わされてはダメ!地主さんを2億円以上の損から救った相続対策チームが教える専門家と言える4つの見極めポイント】の事例の続きでもあります。事例に沿ってお話しをさせて頂きます。

 

状況を見極める3つのポイントを押さえれば手元に数千万円も多くお金が入る!

 

・アドバイスは経歴と経験を聞き分けることが大事

・知識と状況を組み合わせた優先順位を大事にする

・身内の問題は当事者たちが責任をもって行動するから最善が実現する

 

 

・アドバイスは経歴と経験を聞き分けることが大事

聞き分け

今回のお話しは、所有者であるご依頼人のお父さんが運営していた『利益が思うように生めていなかったアパート』を売却して、都内の立地条件の優良な投資用不動産に買い替えを行なう際に起こったお話しです。

 

お客様背景を確認しておきましょう。

最寄り駅から徒歩30分の立地に広い土地を、複数ヶ所、所有の90代の地主さん。

ご依頼者は所有者の50代後半の息子さん。

親御さんの年齢による体力の衰えが顕著になってきたので、相続対策を講じることになりました。

 

今回のポイントは、ご依頼者の奥様が以前、賃貸専門の不動産会社に勤務していたことから端を発します。

 

奥様は営業担当者ではありませんでした。

ですから、実際に物件を調べ利益が見込めるか否かのキャッシュフローを見極め、お客様の状況に合わせた物件提案を行なう経験はありませんでした。

 

ただ、投資用不動産における社員同士の会話は耳にできる環境下に居ましたから、表面的な投資不動産の知識は得ていたようです。

 

不動産会社に勤めていたことはご依頼者であるご主人は当然に知っていた為、買い替え先となる物件判断の決定権は奥様が担うこととなりました。

 

しかしながら、私とは一度も面識を持たずご主人を通して物件情報を奥様に見てもらう流れとなっていました。

 

これが後に、≪あだ≫になるとは思いもしませんでした。

 

ここから先をお話しするに当たり、少し不動産営業マンの業務の一般的な流れについて触れておきたいと思います。

 

皆さんが投資用不動産を購入しようとして、お店に伺い希望物件の条件を提示したうえで物件紹介を不動産会社にお願いをしたとします。

 

その後、紹介される物件は全てキャッシュフロー(リスク管理も見越した上で手元に利益が残る賃貸運営であること)が成り立っている物件だけだと思っていますか?

 

悲しいまでの実態としての断言として書きます。

答えは、NOです。

 

そもそも、所有者に売却活動の依頼をお願いされた不動産会社の物件担当者でさえもキャッシュフローが成り立っているか検討せずに不動産価格を査定書として提出しています。

そして、所有者から売出価格の承諾を得て売却活動をしているのが大半です。

 

さらに、投資用不動産の購入を検討しているお客様を担当する営業マンはキャッシュフローの計算が分かっていない人間も沢山、接客に当たっています。

 

ですから仕事の流れが下記になることが大半です。

 

物件情報のデータバンクに物件条件を入力し検索。

販売図面をメールなりFAXなりで取得。

かなり大まかな≪どんぶり勘定≫で赤字にならないかを計算。

幾つかの物件の販売図面をまとめてお客様に紹介。

興味を示した物件の現地へご案内。

具体的に購入を検討したら物件状況や運営についての詳細を確認。

(それでも、賃貸運営を知らないため、かなり雑な計算が多い。)

物件購入申し込みを行ない、売買契約を締結。

 

これが、実態としての業務の流れです。

もしも疑うのであれば、まとめて物件提案はされた際に「紹介前に確認した物件提案資料を今すぐメールで送って欲しい。」と伝えてみてください。

 

資料の提出に時間が掛かり過ぎるか、驚くほど少ない資料が添付されてくるでしょう。

 

接客担当者の仕事の質を見極める為にも、初回のまとまった物件提案の際にお願いをしてみると宜しいかと思います。

 

さて、今回の事例のお話しに戻りましょう。

 

私は、賃貸経営のキャッシュフローの改善も相続対策の一環として頼まれた身です。

キャッシュフローが成り立つことを確認したうえで、今後、入居者が退去した後の入居募集も困らない条件を満たした物件を100件以上紹介しました。

 

それでも、現地を見に行くことすら一向に興味を示してもらえませんでした。

 

物件判断をしている奥様との直接のやり取りではなかったので意向の擦り合わせが出来ず、只々どれを選んでも問題の無い物件をご紹介するしかないと思っていました。

 

さすがに紹介物件数が100件を超えた頃に、ご意見を聞かせて頂けるようにご主人にお願いしてみてました。

 

すると・・・

「自分(奥様)の好みに合う外観や内装の仕上げの物件を紹介してほしい。」

「20歳の娘さんを住まわせたいとも考えているので、娘さんが住みたいと思える間取り、設備仕様の物件が良い。」

 

立地条件やキャッシュフローが良いのが≪当たり前≫。

その上で好みに合う物件が出てくるまで探したいというものでした。

 

これは一見、通常の投資用不動産の購入においては正解なのです。

物件に対し愛着(理解と魅力)があること。

副産物的利用価値も見込めること。

 

奥様が勤めていた不動産会社で見聞きして知っている知識や≪買うなら、こういう物件≫といった情報、それ自体に間違いは無いのです。

 

ただ、状況という検討要素は本やネットでの知識や、勤務先の会社員同士の話しには盛り込まれていないことは≪タチ≫が悪いのです。

知っているからこそ起きてしまう善意からのトラブルの一つです。

 

相続対策は、専門家だけで進めるには限界があります。

ですから、当事者意識、参加意識は必要不可欠であり、有り難い事この上ない姿勢です。

 

ただ、100件以上も紹介していたのですから、ご依頼からかなりの時間が費えたことは想像に耐えないかと思います。

 

再度、ご依頼者の状況を確認してみましょうか。

お父様が90代であり、年齢的衰退が見てとれるようになったことを心配して具体的な相続対策に動き出しました。

 

つまり、今回の買い替えにおいて重要視しなければならない優先順位を理解していなかったのです。

 

これが経歴と経験の差です。

 

相続対策における最優先事項は3つ。

所有者(今回は、お父さん)がご存命であるうちに。

判断能力があると認められる健康状態のうちに。

対策手続きをすべて完了しなければならないこと。

 

また、奥様は不動産会社と直接やり取りをすることで営業トークを聞かされるのではないかという当然の不安もお持ちのようでした。

 

不動産業界は世間的なイメージは確実にグレーです。

担当者を信じきって油断してしまうよりも、信用はしても油断せずに参加していく堅実な姿勢は賞賛に値すると言っても宜しいかと思います。

 

投資用不動産は何よりも数字が重要視されますので、ご提案した物件は物凄い早さで次々と購入申し込みが入ってしまいました。

空室リスクなども見越した価格設定の物件ですから現地を見に行かなくても申し込みが入るのです。

 

・知識と状況を組み合わせた優先順位を大事にする

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相続対策で最もしてはいけないことは、≪時間の許す限り好きにやりたい≫という考え方です。

 

親御さんの体力面や健康面で不安がある時には、当初の目的(相続税の減額とお金回りの改善)をいかに早く手続きするかが最重要項目です。

 

そこを見誤らないようにしてください。

 

物件探しも手続きも、ゆっくり行なっている場合ではないということです。

人の命の期限は、誰にも計れるものではないのですから。

 

趣味嗜好に走った物件選びをしたいなら相続対策ではなく、相続手続きが終わり税の減額が実現しキャッシュフローの改善が現実化してからにしてください。

 

こう申し上げては乱暴にはなりますが、相続手続きが終わって余ったお金やこれから入ってくるお金で好きに買えば良いと考えています。

 

趣味嗜好で迷っている間に相続が起きてしまったら、減額できたはずの相続税は幾らになるのか?

その天秤を常に持ち合せてください。

 

相続税の改正により、『相続対策は当事者が元気なうちに!』と世間で言われるようになったことで、もしもの際の話し合いが切り出し易くなってきたと思います。

 

相続対策と言われると健康面や年齢的不安など見えづらい期限が差し迫った状況を想像しますが、いくらでも時間的余裕は作れます。

 

被相続人(財産の名義人である当事者)と相続人の双方が問題意識を持てたら、誰もが元気なうちに話し合えることで、趣味嗜好を反映させた『好きな手立て』をすることが出来るわけです。

 

優先順位が決められてしまうよりも、自分たちで優先順位を作っていけると良いですよね。

 

元気だからこそ時間に余裕がある時に、親御さんの今現在の想いも、今までどんな想いを受け継いで(相続して)きたのか、相続した後のことはどんなことを望んでいるのか。

ご本人から直接聞ける間柄を築いて頂けたら幸いです。

 

以前コラムで挙げました【大手不動産会社に断られても、この2つを押さえていれば大丈夫!相続対策専門の不動産会社が教える≪専門家を動かすコツ≫】では、不動産売買と所有権移転手続きをしたその日の夜に親御さんが亡くなりました。

 

ご依頼者から希望された当初の計画では2日も手遅れになるところでした。

こういった経験があるからこそ、しっかりと伝えなければいけないことがあります。

 

生きていても判断能力が無い、と有資格者から言われてしまえば不動産の購入はおろか、売却さえ認可が必要となり手続きが困難になり長期化、更に市場や現実に則したまともな金額での売却は現実味をおびなくなります。

 

『状況の配慮のない知識による物件選択』ではなく、確実に買い替えを行ない安定した賃貸経営とキャッシュフローを生み出す資産を手にすること、これが相続対策の使命ともいうべき目的です。

 

そもそも『都内、最寄り駅徒歩10分以内、キャッシュフローが成り立つこと』これが満たされた物件であれば、将来、好みの物件に買い替えたい時に売却に手こずることなく売れます。

つまり、出口戦略と呼ばれるものも兼ね備えていることも見落としてはいけません。

 

これを言うのはおこがましい話しではありますが、お客様の状況、賃貸運営の経費計算、空室リスクまで考え、キャッシュフローが年間で数百万円~1千万円台で向上する物件を100件見繕うことの大変さを当たり前と思ってほしくはありません。

 

取り敢えず良さそうな物件をFAXやメールで紹介して、興味を示したものを吟味する一般不動産会社と同列で考えられてしまっていたので話しが通じない状態になっていました。

 

・身内の問題は当事者たちが責任をもって行動するから最善が実現する

参加

相続対策と今現在の状況を理解して頂く為に奥様に説明をしました。

しかしながら、何を話したかよりも誰が話したかで言葉の浸透率、説得力は変わります。

 

奥様にご納得いただけるようお話し合いをして頂くことは、不動産の所有者であるお父様が肉親であるご主人にお願いしました。

 

プロと言えども所詮は他人です。

他人では作用できない心の部分は多くあるものですよね。

相続対策は、何についても専門家が舵取りを行ない、一見、無駄がなく作業が進めば良いというものではないと思っています。

これからも家族、親族間でのお付き合いがあるからこそ、お手間を取らせてしまうことはあってもご協力をお願いしています。

 

相続の根幹は、当事者の心や人間関係が最も大事なところで働いてくるものだと思っています。

 

今回の事例での時間の消費がもたらした≪あだ≫は融資承認という壁を作ってしまいました。

昨年、世間を賑わせた『スルガ銀行問題』が金融機関全体の借入融資承認の基準を高めたことです。

 

時間は、状況です。

身内の身体、お気持ちといった状況は勿論。

世間の情勢という状況変化も引き起こします。

 

こういった状況変化に応じて知識を活用し、優先順位を都度、決めていくのが最善案に繋がります。

 

事例での具体的な状況変化がもたらしたものをお話ししましょう。

 

今回のご依頼者に対し、ある地銀が借り入れ期間を関東圏の金融機関よりも9年も長い融資期間で貸してくれるという支店長決済が下りました。

 

ご主人の協力のおかげで奥様のご納得も得られ、改めて物件をご提案し購入申し込みまで進むことができました。

 

しかし、その矢先にスルガ銀行問題が起こり、融資承認を出した地銀の本部から融資対象エリアをとても狭めてしまい、融資対象外になってしまったのです。

 

そのため、他の金融機関で一般的な融資期間での融資をお願いするしかなくなってしまいました。

 

これにより、買い替え予定の物件の年間900万円ものキャッシュフローの見込みが、他の金融機関での借り入れとなったことで500万円にまで落ち込んでしまいました

 

融資条件が変わってもキャッシュフローが見込めること自体、有り難い話しではあるのですが、悔しいものは悔しかったですね。

 

いかがでしょうか?

状況の見極めの3つのポイントと、それがもたらすもの。

 

・アドバイスは経歴と経験を聞き分けることが大事

・知識と状況を組み合わせた優先順位を大事にする

・身内の問題は当事者たちが責任をもって行動するから最善が実現する

 

大事なことは見知った知識や情報を状況と照らし合わせることです。

 

本やネット、職場やお知り合いからの情報は、その事案の状況や対象者の方々が重んじた価値観は何かをしっかりと押さえたうえで身に付けるように心掛けてくださいね。


銀行融資

銀行の『融資しますよ』に惑わされてはダメ!3億円以上の損を生む融資から地主さんを救った相続対策チームが教える4つの世間の甘い罠

思い込みというのは、当たり前になっていることが多いので自分では気づけないこと、多いですよね。

 

でも、ちょっとした違和感や心の引っ掛かりに気を留めて、確認しにいくという行動に移すと、視野が開けることってありますよね。

 

この思い込みという言葉はニュアンスとしては≪イメージ≫という言葉に変換することが可能ですよね。

 

印象・・・それは≪職業、職種≫で油断してしまうこともあります。

目の前の人の言動を判別する機能を低下させてしまうのです。

 

今回は『もしも、イメージから提案内容を鵜呑みにしていたら・・・』と、振り返ってみるとゾッとしてしまう事例をお話しさせて頂きます。

 

≪目次≫

1)銀行だから正しい提案をするとは限らない

2)資産の試算で見るべきは、漏れの無い経費項目とキャッシュフロー

3)損をしたくないなら会いに行く!ネットや本の情報だけを鵜呑みにしない

4)税を知る人ほど『節税』を安易に口にしないもの

 

分野に特化した専門家に確認しただけで3億円以上も損を防げた事例

手を付ける前にご連絡いただき、本当に良かったと思っています。

 

では、事例をお話ししながら解説していきますね。

 

銀行だから正しい提案をするとは限らない

融資

10年程前に大型ショッピングモールの建設と周辺エリアに住宅地を造成する街づくりがあった地方都市の地主さんからのご相談。

 

今現在でも地上波のTV番組でも取り上げられているので街づくりは成功したと言える街。

それゆえに、危うく甘い言葉に乗せられかけた内容でした。

 

弁護士、税理士といった士業、銀行などの金融機関、そういった世間で昔からお堅い職業の方が『正しい人』と思い込むのは、相続のように大きなお金が絡む場合には非常に危険な考え方です。

 

街の勢い、職業へのイメージ、この二つが絡まり問題が起こりかけました。

 

【お客様背景】

最寄り駅から徒歩30分の立地。

そこに広い土地を、複数ヶ所、所有の90代の地主さん。

ご依頼者は所有者の50代後半の息子さん。

三人姉弟の末っ子長男(姉二人)。

 

実際にお仕事として請ける2年前、相続対策についての疑問点の相談を受けました。

都市銀行からの相続対策に不信がある、と。

 

銀行からの提案内容。

「相続税が1億円も掛かるのでアパートを建て替えて相続税の課税額を引き下げる。」

「建て替えの為の借り入れは3~4億円の融資をする。」

 

結論から申し上げれば、この提案内容は思い付き、定番に倣(なら)うだけの過ちだらけの内容でした。

 

その最も大きな誤りとして、建物の規模の割には借入額が高過ぎることです。

銀行は融資をして利息で儲けを出す商売ですので、≪気持ち≫だけは分かりますよ。

 

ただ、必要以上に借金をさせて賃貸経営の利益をイタズラに低くしてしまうのは、相続対策への親切心ではなく営業成績に目がくらんだと言われても仕方ないですよね。

 

つまり、キャッシュフロー(実際に手元に残る収益)が全くもって見込めない収支の建築計画だったのです。

 

その当時もアパート経営で収益が出せているような賃貸運営にはなっていませんでした。

だからといって新築計画で収益を生み出さないアパートを建てる必要はありませんよね。

 

思い付きで定番に倣(なら)うだけの提案内容と申し上げたのは、建てれば満室になる時代ではないという事実があります。

そして、駅から徒歩30分の立地でのアパートの建て替え提案がそもそも安易すぎます。

不動産の立地条件、市場の実態に即していないということです。

 

都内で最寄駅から徒歩10分以内の物件に買い替え(資産の組み換え)を行なうのが宜しいと見受けます、と伝えお客様の疑問を解消し、間違った提案に乗らないようお伝えしました。

 

そのご相談から1年後、親御さんの年齢による体力の衰えが顕著になってきたとのことで、正式に相続対策を講じるご依頼を請けることとなりました。

 

世間では堅実でお金に賢いイメージであり、お客様家族としても長年、財産を見てもらっていた銀行からの提案が間違っていたことから、その他の専門家選びにも不安を持ってしまっていたようです。

 

目先の利益を求めたお客様の為にならない仕事の仕方を一度すれば、その業界そのものへの不信感が募るのは当たり前ですよね。

これは同業他社の方たちにとっても、物凄く迷惑な行為です。

不動産業界もクリーンなイメージを持たれていませんから、業界への不信感を煽るような仕事の仕方というのは悲しくなります。

 

資産の試算で見るべきは、漏れの無い経費項目とキャッシュフロー

キャッシュフロー

さて、こういった経緯があったことから税理士・司法書士・生命保険・家屋調査士といった相続対策に必要な専門家チームの見繕いから、相続チームの総監督まで私に頼みたい、というご依頼になりました。

 

正式な依頼でのご相談ではありましたが、直ぐにコンサルティング契約の調印にはしませんでした。

 

私たちチームが考える計画と進め方を説明し、ご納得のうえでコンサルティング契約の締結をお願いする流れを組みました。

 

相続税の計算、相続対策を講じた際に見込める税の減額効果の資料を成果物として提出しました。

どの業界でも言えると思うのですが、どんなに経験があったとしても『自分達が絶対』と思ってしまえば、お客様と対等ではなくなり本音やご意見を汲み取れなくなります。

 

だからこそ、提出した計画書に対し成果物として料金を一度頂戴し、私たちのチームに依頼するか否かを判断いただきました。

正式にコンサルティング契約の締結に至りましたので、正規のコンサルティング料から成果物作業料を差し引いた残金を頂く流れとさせて頂きました。

 

正直言えば、その計画書は買い取る形が取れますので計画は気に入っても、私たちに頼みたくないとなれば、他の方に計画書を渡しても良いと思いました。

それだけ、放っておけば間違った提案があらゆる方面の人間からされてしまう立場の方だったのです。

 

相続対策と一言で言っても、相続税しか視野に入れない計画は結果として数千万円単位の損を生むのが相続対策では普遍的に起こっている問題です。

 

これを読んでいる皆さまには、本当に気を付けて頂きたいと思います。

 

確認すべき事項の最低限としては、所得税・固定資産税・資産の組み換えによるキャッシュフロー、この3点は説明を仰ぎ理解しておくことが望ましいです。

 

特に不動産においては建物を新築するにしても、売却したお金を元手に中古物件に買い替えをするにしても気を付けてください。

 

賃料収入と金融機関への返済額と多少の管理費用しか収支計画表に盛り込まれていない、キャッシュフローまで計算してから物件提案をされない、そんなことが不動産会社や金融機関の営業マンの当たり前になっています。

 

さて、私たちが提出しました正式依頼前の成果物として提出した計画書では、どんなに手堅く見積もっても相続税1億円が2千万円にまで軽減できることが分かり、キャッシュフローも『年間』手残り金額が500万円も増加することが分かりました。

 

相続税の減額と年間の見込み収益の増加は別次元のものなので、相続税が増えることはありません。

 

複数の土地を所有されていましたから一部の土地を売却し、別の不動産に買い替えていくことになりました。

また、二次相続(ご依頼者が亡くなった際の息子さんの世代の相続対策)までシミュレーションしたので、親族内での養子縁組のご検討もご提案しました。

 

二次相続の想定は大変重要なことです。

相続が起こる度に慌てふためいて相続対策を講じていては、無駄にコンサルティング料をその都度払うことになってしまいます。

 

遺言書作成や生前贈与も提案させて頂き、ご納得いただけるものとなりました。

 

損をしたくないなら会いに行く!ネットや本の情報だけを鵜呑みにしない

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ネットや本だけで情報収集をする人ほど、大きな損をしていることは『もう一つの相続問題』と言えるかもしれません。

 

所有し、長く見てきたからこそ思い込んでしまったと思うことです。

 

売却をする土地の中には、高圧電線の鉄塔の真下の物件があり、その面積は600㎡もありました。

 

一般市場への売り出しで買い手を見つけるのは非常に時間を要してしまい、お父様の体調面を考えると最善の一手ではありません。

新築戸建てを建てては売る建売業者(パワービルダーと呼ばれる建設不動産会社)にも何社電話したか覚えていません。

 

建売業者から提出された購入申し込み価格はピンからキリまでありました。

4千万~8千万円弱。

 

そこへ交渉を粘り、最終的には9千万円まで価格を引き上げることが出来ました。

 

昨今の情報社会で知りたいことを知れることは恩恵ばかりではないものですね。

 

実態や工夫の仕方を丁寧に説明されていない、しかしながら似たような内容の情報が溢れることにより、刷り込まれた間違った情報でご依頼者の思い込みが困ったことを引き起こすことがあります。

 

所有している不動産に対して価値の無いものだと思い込んでしまい、悲観的な面持ちで打ち合わせに臨まれる方も多くいらっしゃいます。

 

今回で言うと・・・

駐車場の契約状態は満車で売りづらい。

状況が悪いから売却金額が安くなってしまう。

アパートは空室が多過ぎて収益が出ないから投資価値が無いので売れないだろう。

さらに、入居者は知り合いの2組だけ。

倉庫が設置してある土地は借り手がいない(活用できていない)から売れないだろう。

 

不動産は売れないならば、売れる状態にすれば良いのですよ。

 

330㎡ 小規模宅地 事業用の特例。

土地の評価額が大きく下がる活用方法にすることで買い手にメリットを出す。

建物も同様に評価額を大きく下がる活用方法にすることで税は軽減しメリットを出す。

 

地方の広い土地を売って、都心の狭い物件を買う。

小規模宅地等の特例を適応させることで自分たちへの課税額を軽減する。

 

セオリーともいうべき手法は沢山あるのです。

 

なぜ、セオリーなのにネットに書かれないことが多いのか?

安値しか付かなければ、不動産会社は安く買えます。

仲介の仕事で一般市場に売り出しても、簡単に買い手が見つかり仲介手数料が直ぐに手に入るではないですか。

 

とは言いましても、状況やお客様事情により安易にネットに書いて、お客様に損や失敗をさせるわけにもいかないのも情報が出回らない実態でもあります。

 

税を知る人ほど『節税』を安易に口にしないもの

言わない

お客様の事前学習の思い込みがドンドン外れていく処置をしていく売却を成功させていきましたところ、時の運、物件との縁とも言える買い替えも目ぼしい物件と巡り合えました。

 

借入額も2億8千万円のフルローンではなく、頭金を投入し1億8千万円にすることで課税額、キャッシュフローの両面において最適なバランスを生み出すこともわかり、いざ購入手続きへ。

 

借りられるだけ借りて負債を大きくすることが不動産は正しいわけではありませんからね。

 

適正な借り入れ額を算出することは資産の目減りを防ぐことにもなります。

 

投資用不動産で最も危険な謳(うた)い文句が『節税しましょう』です。

これは、一般基礎知識として覚えておいてください。

 

一般的に出回っている知識や常識が正しい情報ではありません。

多くの人が言っているから正しいわけではないのが不動産であると認識してほしいです。

 

顔を合わせて確認したわけでもない情報を鵜呑みにすることは、損を引き起こす可能性を大きくします。

 

気になる情報があったら、確認しに行く。

確認するのは一人ではなく、何ヶ所かに行き情報と知識の整理を行なう。

それぐらいの行動があってこそ安全性は高められます。

 

ネット情報や本の情報だけを仕入れるような効率化ばかり求めた結果、不利益を手にしてしまうことがあるのが現代です。

 

資産目的の不動産は数字で実証できるものです。

『節税』という言葉が引き起こす失敗事例の多さ。

『節税』が分野問わず与えるデメリットを把握しておくことは必須課題と言えるでしょう。

 

税を知らない人間ほど、節税を安易に口にします。

情報は、すべての人に当てはまるものは無いと思うぐらいの警戒心は必要です。

 

イメージに囚われないことで、いろんな可能性、より良い処置を知り世界が開けることがあることは伝わりましたでしょうか?

 

確認作業を具体的に行動に移すことは本当に価値あることです。

ご自身が理解して見極め、この人に頼みたいという出逢いがあると良いと願っています。

 

この事例のお話しは、ここで終わりではありません。

 

今回挙げています事例は、相続対策でネックとなる要因が他に2つも起こりました。

小難し専門的な知識やテクニック以前の問題だからこそ厄介なものでした。

 

長くなってしまいますので、それらを別の記事にして掲載することにします。

是非、お読みください。

 

街の不動産会社、大手不動産会社が問題解決から目を背け、お客様に損が生じてしまおうが問題の根幹をそのままにして突き進めてしまう≪相続対策の実態における問題≫に触れるからです。

 

掲載次第、こちらにリンク機能を付して紹介させて頂きます。


相続税を安くできない?不動産投資7つの罠:その3.ハウスメーカーの事業計画

アパートを建てる際にハウスメーカーが事業計画書を持ってきますが、
皆さん、見たことありますか?
メーカーによって形式も違うし、数字も違うので、どれを信じてよいのかを迷ってしまいがちです。
その前に本当にその事業計画自体が正しいのだろうか?

4億5000万円のアパートを建ててしまって本当に大丈夫?

先日、こんなクライアントから私に相談が来ました。
「銀行とハウスメーカーから相続対策で4億5千万円の借金をして、
RCのサービス付き高齢者住宅を建てる提案をもらった。
本当にこんな借金をして、建ててしまってよいものなのか?借金をするのは怖い。」とクライアントから・・・。
早速、事業計画書を見せてもらいました。
気になる点がいくつかあったので列挙します。

  • ①収支計算まではされているが、キャッシュフローは計算されていない
  • ②借金をして、たしかに相続税は0円になっているが、「債務控除効果」の功罪について説明がなされていない。
  • ③サービス付き高齢者住宅のメリットだけを謳っていること

平気で家賃収入が赤字になるアパート建築を勧めてくる

①の「キャッシュフローの計算がなされていなかった。」ですが、
ほとんどのハウスメーカーはしてません。
よくあるパターンとしては、収支は黒字で税金まで払っているけど、
キャッシュフローが赤字になっているというもの。
今回もそうなってました。
どういうことか?

確かに収益ベースでみると黒字で税金が発生しているけれど、キャッシュフローベースでみると、
借入金の元金返済を考慮されてなくて、赤字=つまり、現金の持ち出しとなり、
保有すればすれほど、お金がなくなる状態に陥ってしまうわけです。
こんなケースを多々見かけるので、是非、キャッシュフローまで追って下さい。

ある時点までは確かに節税効果あり、しかしその時期を過ぎると増加!

②の「債務控除効果」です。
債務控除効果とは、借金をすれば、その効果により相続税が減るというものです。
この案件での懸念は、借金をすれば、たしかに現時点では相続税は0円になるけれど、
先々はそうならずに相続税が発生する可能性があり、資産価値のないものを建ててしまった場合、
負の遺産になる可能性もあり得るということです。
ですから借金が全て正しいというわけではなく、正しい借金の仕方をしないといけないということです。
多額の借金を背負った私からすると、あまり借金はお勧めできませんか・・・。
債務控除効果とは、たとえば借金1億円して、建物を建てたとき、
相続税評価額は1億円のおおよそ半分くらいの評価額になるので、5千万円ぐらいになります。
ですから1億円で建てた物が、5千万円で評価されるわけですから、
差引5千万円相続税の評価額から減ったことになり、結果、相続税も下がるわけです。
しかし、借金の減少額と建物評価額の減少額の差額が年数が経てば経つほど接近し、
ついには逆転することもあるのです。
この案件では、評価額が逆転して、相続税が増加する時点があるのが分かりました。
つまり、被相続人が生きれば生きるほど、相続税が増えていくわけです。
ですから借金をすれば、必ずしも相続税が減るというわけではないのです。

本当にその政策が将来も続くかどうかは疑問

③サービス付き高齢者住宅は、たしかに今、たくさん、建築されています。
建築にあたり、補助金が出るケースもあります。
これからは、少子高齢化の時代で、一見、有効な手立てに見えますが、
介護保険の政府からの支給額は3年に1度、見直されます。
ただでさえ、税収が減っている国に頼るビジネスモデルは如何なものでしょうか?
一度、建ててしまうと、その後の変更にも多額の費用が掛かります。

結局、アパート建築をしないほうが節税になった

以上、3つの点を指摘して、クライアントの方はこの投資を見送りました。
一般的にもハウスメーカーの事業計画には、30年の家賃設定がいい加減、
修繕費がきちんと見積もられていない、空室リスク、賃料下落リスクを考慮していないなどの穴が散見されます。
もしハウスメーカーにお願いしてアパートを建てるときは、プロのコンサルタントを入れて事業計画から見てもらいましょう!